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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

人権順守は企業の義務① 国際条約の討議が前進

2022-10-08 07:12:03 | 働く権利・賃金・雇用問題について
人権順守は企業の義務① 国際条約の討議が前進
労働者教育協会理事 筒井晴彦さん

国連において、多国籍企業をはじめとするすべての企業に人権順守義務を課す国際条約案の討議が前進しています。その特徴について、労働者教育協会理事の筒井晴彦さんに寄稿していただきました。

2018年の第4回国連政府間作業部会にはじめてこの条約案が提出されたときには、人権順守は企業の「責任」と位置づけられていました。しかし、昨年の第7回会合に提出された条約案(第3次)では、人権順守は企業の「義務」であると明記され、企業に対する規制が一段と強化されています。これが今回の条約案(第3次)の最大の特徴となっています。



メーデーのパレードに参加するアマゾンの労働組合員たち=5月1日、米ニューヨーク(ロイター)

公認の権利確認
条約案は「多国籍企業およびその他の企業の活動を国際人権法にもとついて規制する国際文書(条約)案」という名称です。条約案は、新しい人権規定を設けるのではなく、世界人権宣言や国際人権規約、国際労働機関(ILO)条約などに明記されている公認の権利を確認し、その順守が国と企業の義務であると明記しています。
当初、規制の対象範囲については、多国籍企業だけに限定するという意見と、すべての企業を対象とするという意見が対立し、熱い争点となっていました。しかし、今回の条約案(第3次)では、非政府組織(NGO)の意見を反映して、多国籍企業を含むすべての企業を適用対象にすると提案されています(第3条)。
系列会社や子会社、代理店、取引企業を利用した人権侵害を許さないという合意ができているように思います。

条約五つの目的
条約の目的は五つです(第2条)。
①国の義務…ビジネス活動とりわけ多国籍的性格をもつ活動のなかで人権を尊重・保護・実現・促進するための国の義務を効果的に実行する。
②企業の義務…人権に対する企業の義務を尊重・実行する。
③人権侵害の防止…効果的な監視活動により経済活動に起因する人権侵害を防止・軽減する。
④人権侵害の救済…経済活動による人権侵害の犠牲者に対し、裁判へのアクセスと効果的・適切・時宣にかなった救済を保障する。
⑤国際協力…人権侵害の防止と救済のための椙互支援と国際協力を強化する。
(つづく)(2回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年10月7日付掲載


条約案は、新しい人権規定を設けるのではなく、世界人権宣言や国際人権規約、国際労働機関(ILO)条約などに明記されている公認の権利を確認し、その順守が国と企業の義務であると明記。
責任から義務へ強化される。
当初、規制の対象範囲については、多国籍企業だけに限定するという意見と、すべての企業を対象とするという意見が対立し、熱い争点と。しかし、今回の条約案(第3次)では、非政府組織(NGO)の意見を反映して、多国籍企業を含むすべての企業を適用対象にすると提案(第3条)。
系列会社や子会社、代理店、取引企業を利用した人権侵害を許さないという合意ができているように。
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