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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

揺らぐ地域スポーツ⑤ 豊橋アリーナ構想 強引計画に市民「待った」

2019-04-16 12:12:10 | スポーツ・運動について
揺らぐ地域スポーツ⑤ 豊橋アリーナ構想 強引計画に市民「待った」
「ちょっと待った!」と声をあげた市民の力が、民間主導の強引な大型スポーツ施設建設計画を食い止めています。
愛知県豊橋市の新アリーナ建設構想です。この構想は民間企業側の提案で民間が建設費を負担し、管理運営にあたるPFI方式(民間資金主導の公共事業)などの手法が検討されています。
5000人収容の大型アリーナは市民の憩いとスポーツ活動の場である豊橋公園につくられます。バスケットボールBリーグの本拠地や大型イベント会場として活用。市が年185日を使用し、毎年2億円を30年間払い続けるという提案です。



豊橋公園の入口で署名を呼びかける「新アリーナ建設、ちょっと待っての会」=2月、愛知県豊橋市

議決延期の力
同構想を盛り込んだ基本計画案は3月の議会で議決するとみられていました。今年初め、市に説明会を開かせた佐藤清純さんは「試算もあいまいで情報が不透明。住民の声を行政にぶつけよう」と思い立ち、「新アリーナ建設、ちょっと待っての会」を結成しました。
計画を一時中止して市民参加で再検討を求める署名は、予想を大きく上回る5761人分を提出。現在は6700人分となり、3月議会での議決を延期させる力になりました。
その原動力の一つが、渋滞など住環境の悪化を懸念する公園周辺の住民たち。もう一つが約800人分を集めた豊橋ソフトテニス協会でした。
同構想では公園のコートが6面つぶされ、今よりも遠く手狭な場所に移転を強いられます。同協会の山本英司理事長は「プロのバスケットのために『テニスよどこか行け』なんて、もってのほか。勝手に決めんでほしい」と語気を強めます。
市は同構想の推進にあたり、「観るスポーツ」の重要性と、アリーナ建設を軸とした街づくりを説いています。これに先立ち、「スポーツ課」を教育委員会から切り離し、名称を「『スポーツのまち』づくり課」に変えました。「するスポーツ」よりも観戦と街づくりが優先される現状に「ちょっと待っての会」世話人の新免英俊(しんめん・ひでとし)さんは「市民の要求から出発していない。『アリーナ建設先にありき』だ」と批判します。
不信感は市民に冷たいスポーツ行政の反映でもあります。市は4月から公共スポーツ施設使用料を一気に上げました。地区体育館は平日で約2倍に。「テニス場は1人あたり約5倍にもなる。これでは市民に親しまれる『スポーツのまち豊橋』になりようがない」と山本理事長は憤ります。
アリーナも市民が安く使える保障はありません。市はこの施設を「プロフィツト(利益)センター」とし、利益が確保できる利用料を設定する方針だからです。

権利保障せず
日本共産党の斎藤啓(さいとう・ひろむ)市議は「そもそもスポーツ基本法に明記された国民のスポーツ権を保障するという議論が欠けている」と指摘します。また、「民間と交渉中だから」と肝心な情報が開示されない実態もあげます。
PFI問題に詳しい尾林芳匡(おばやし・よしまさ)弁護士は、PFI方式による大型施設づくりの問題点を「情報が公開されず、住民と自治体の関与が後退する」と語ります。豊橋の住民たちの運動は、自治体本来の役割である住民本位の行政を取り戻す性格を帯びています。(勝又秀人)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年4月5日付掲載


民間が勝手に作って、自分たちで運営するっていうならまだしも、市民の身近な公園をつぶして行政も維持費を負担って言うのだから黙っていられません。


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