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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

コロナ下の運輸業 宅配好調も業界は赤字

2021-08-09 07:12:37 | 新型コロナウイルス
コロナ下の運輸業 宅配好調も業界は赤字
新型コロナウイルス感染拡大のもと、宅配業の好調が続きます。一方、運輸業全体は苦境が続きます。その秘密をデータで解き明かします。(清水渡)

宅配大手3社の取り扱いは2020年度、45億個を超え、過去最高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛や在宅勤務が増えたことによって、通信販売の利用が増えたためです。
総務省「家計消費状況調査」によると、インターネットを利用した商品の購入(総世帯)は20年、1世帯1カ月当たり9195円となりました。15年の2098円から4倍以上に増えています。
物流需要の増加で決算も好転。最大手ヤマトホールディングスは21年3月期決算で経常利益前期比131・4%増。当期純利益は同154%増の567億円と過去最高を更新しました。2番手の佐川急便を傘下に持つSGホールディングスの21年3月期決算も、経常利益が前期比28・7%増、当期純利益は同57・2%でした。
わずか一握り一方、運輸業界全体に目を向けると、青息吐息です。財務省「法人企業統計」によると、陸運業(全規模)の経常利益は21年1~3月期にマイナス2618億7100万円と大幅な赤字を記録。21年6月の日銀短観では、大企業全産業の足元の業況判断がプラス8となるなか、運輸・郵便はマイナス10となっています。
宅配が空前の好況を記録しているのに、運輸業界全体は不況となっているのは、宅配が運輸業全体のわずか一握りにすぎないためです。
国土交通省の資料によると、貨物自動車運送を営む事業者は6万2337あります。一方、宅配便(トラック運送)は、宅急便(ヤマト運輸)や飛脚宅配便(佐川急便)など21ブランド、61社と貨物自動車運送業者全体の0・1%にも届きません。







宅配便最大手、ヤマト運輸が商店街に設置している宅急便センター=東京都内

物流の需要減
運輸業界の多くは企業間の運送を担っています。また、特定の品目しか扱っていない運輸業者も少なくありません。
コロナ禍で個人消費が激減。また、コロナ禍当初は、アジアなどでの感染が広がり、日本企業含めたサプライチェーン(供給網)が機能せず、生産も滞りました。足元では、半導体不足で自動車を始め生産に悪影響を与えています。また、学生は、リモート(遠隔)授業などにより、引っ越し需要の減少も起きました。こうしたもとで、物流全体が需要減となったのです。
運賃も下落傾向です。全日本トラック協会と日本貨物運送協同組合連合会が調べている成約運賃指数(2010年度=100)は、18年の124から20年度は114、21年度は6月末現在で109・4まで下落しています。
運輸事業社の9割以上は中小・零細業者です。経営悪化がさらに深刻になることが懸念されます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年7月31日付掲載


コロナで巣ごもりやネット通販が増えて、運送業は好調のように思われがちだけど、好調なのは宅配業だけ。運輸業界全体に目を向けると、青息吐息。
日本企業含めたサプライチェーン(供給網)が機能せず、生産も滞る。足元では、半導体不足で自動車を始め生産に悪影響を与えています。また、学生は、リモート(遠隔)授業などにより、引っ越し需要の減少も起きました。こうしたもとで、物流全体が需要減。

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