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最賃 今月から引き上げも―増税強行で吹き飛ぶ 全労連 消費税減税要求へ

2019-10-05 07:53:13 | 働く権利・賃金・雇用問題について
最賃 今月から引き上げも―増税強行で吹き飛ぶ 全労連 消費税減税要求へ
新しく改定された都道府県ごとの地域別最低賃金が1日から順次実施されます。おりしも1日は、消費税が10%に引き上げられた日となり、「最賃の引き上げ分など吹き飛んでしまう」との声が上がっています。労働組合は、賃上げとともに減税を求めていく構えを強めています。



地域別の最低賃金は1日から6日にかけて各都道府県で実施。1日は26都府県で始まり、東京では、時間額985円から1013円に28円引き上げられました。
最賃額が全国最下位だった鹿児島では、国の示した目安を1円上回る29円の引き上げで790円となります。(3日から)
しかし、いずれも消費税増税で引き上げ分はそのほとんどが吹き飛んでしまいかねません。参院選中から安倍晋三首相は「毎年3%引き上げている」と胸を張っていましたが、自ら打ち消してしまうことになります。
しかも消費税は、所得が低い人ほど負担額が重くなる逆進性の強い不公平税制のため、最賃水準で働く労働者は大きな影響を受けることになります。
全労連などが9月30日に開いた最低賃金の引き上げと全国一律制を求める集会でもパート労働者の実態が紹介されました。
「電話オペレーターだけでは生活できず、時給920円の喫茶店と時給1000円のヘルパーで働いている」「時給は1052円。4人家族で子どもが2人。妻も安定して働けず、生活が成り立っていくのか不安です」
こうした生活実態のもとで、労働組合では来年の春闘に向けて、消費税増税の影響も反映した賃金要求を掲げるとともに、消費税減税を求めていく構えを強めています。
全労連の野村幸裕事務局長は、「労働者の賃金を実質的に増やすことになる消費税の税率引き下げの運動を大いに広げていく」と表明しています。



全労連の最低賃金集会であいさつする小田川義和議長(右端)と並んだ各党議員=9月30日、衆院第1議員会館

1500円・全国一律を 年々広がる地域格差
新たな地域別最賃は東京などで初めて1000円を超えたものの、フルタイムでも年収200万円にも届かない低水準であることに変わりありません。
しかも、地域格差は年々拡大しており、最高額の東京(1013円)と、鹿児島など最低ランク(790円)の地域格差は年約40万円にも達します。
全労連が全国各地で取り組んだ「最低生計費試算調査」では、全国どこでも健康で文化的な最低限の暮らしを保障する最低生計費に大きな違いはなく、時給で1500円(25歳単身者)が必要なことが分かりました。(図)
前出の全労連などの集会には、自民党から共産、立民、国民、社民の各党議員が並んで参加(れいわはメッセージ)する初めての事態となり、大幅引き上げと全国一律制の導入について賛意の声が次々と上がりました。
全労連は、①いますぐ1000円以下をなくし、1500円をめざす②全国一律制を導入する法改正を来年の通常国会で行う―ことを求める運動に取り組んでいます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年10月3日付掲載


最低賃金と最低生計費の比較。都市部も田舎も最低生計費はあまり変わらない。山口市で1612円というのはちょっと驚き。
最賃を、いますぐ全国一律1000円、1500円をめざす。あわせて消費税の減税を。

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