気候対策 総選挙の大争点に 削減目標低すぎる基本計画
岸田自公政権が22日に閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス削減目標でも、原発・石炭火力でも、世界や国民の願いに背を向けるものです。深刻な気候危機の打開には、やる気のない自公政権に代わる新しい政治をひらく以外にありません。(土屋知紀)
日本共産党の2030戦略
●2030年までに石炭火力はゼロに
●原発はただちにゼロ
●省エネと再エネの普及で30年度までにCO2を最大60%削減
●年間254万人の雇用増、累計GDPを205兆円増やせる
●脱炭素・省エネ・再エネこそ持続可能な道
2030年度までのエネルギー計画の比較
自公政権 世界の流れに逆行
計画では2030年度までにCO2の排出量を13年度比で46%削減しますが、これは10年比では42%減にすぎません。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1・5度に抑えるためには、世界のCO2排出量を10年比で45%削減する必要があると指摘しています。
自公政権の計画は、国連の要請にも、世界の主要国と比べても、決定的に遅れています。(表1)
表1 主要国のCO2排出削減目標
原発依存固執
30年度の電源構成について、原子力を「脱炭素化の選択肢」として「重要なべースロード電源」と位置づけ、20~22%を原発でまかなうと明記しました。現在の原発による発電量は全体の6%程度であり、審査を申請した老朽炉を含む27基(建設中2基含む)全てを再稼働しなければならないという非現実的な計画です。
しかも、自民党の甘利明幹事長は、原発はいま9基しか動いていないが政府の計画は「30基が前提だ」(17日のNHK番組)と述べ、「新型小型原子炉(SMR)」の新増設を狙っています。
原発は、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こします。事故がなくても使用済み核燃料が増え続け、数万年先まで環境を脅かし続けます。最悪の環境破壊を引き起こす原発を「環境のため」といって進めるほど無責任な政治はありません。
石炭火力輸出
政府は、30年度の発電量に占める石炭火力の割合を19%にする計画です。
菅義偉前首相が参加した6月の主要7力国(G7)首脳会議は、大量のCO2を排出する石炭火力発電が「温室効果ガス排出の唯一最大の原因」との認識で一致しました。ところが日本は、新たに9基もの大型施設の建設を進め、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムへ発電施設の輸出も続ける構えです。
国連のグテレス事務総長は8月、石炭火力発電を30年までに段階的に廃止するよう強く求め、G7のうち日本以外の各国は期限を定めた石炭火力からの撤退を決めています。(表2)
環境団体は「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を前に、日本は脱石炭を推進する世界の流れに真っ向から逆行する宣言に等しい」(気候ネットワーク)と日本の計画を批判しました。
表2 主要7カ国(G7)石炭火力への態度
再エネ後回し
再生可能エネルギー比率は36~38%にとどまります。「主力電源として最優先の原則の下で陥最大限の導入に取り組む」とUしていますが、実態は原発や岨石炭火力での発電が最優先で、再エネでの具体化は後回しです。
再生可能エネルギーで発電した電力を優先的に利用するという原則の確立が必要です。
新技術を前提
計画は、排出されるCO2を回収し地下貯留する技術の開発(CCS)など実用化のメドの立っていない「新技術」を前提にしています。新技術の開発は必要ですが、これから開発するのでは30年には間に合わず、CO2の大幅削減を先送りすることになります。
既存技術だけでも50年にはCO2を93%削減可能との提言もあります(未来のためのエネルギー転換研究グループ)。要は、政治のやる気です。政権交代で気候危機打開へ踏み出すことが必要です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年10月24日付掲載
自公政権は、原発利益共同体、石炭火力利益共同体にどっぷりつかっています。
いくら「カーボンゼロ」と言っても、それは空手形。
この期に及んで石炭火力発電所を新増設。原発も再稼働するっていうのですから、呆れます。
日本共産党の2030戦略。省エネと再エネの普及で30年度までにCO2を最大60%削減。年間254万人の雇用増、累計GDPを205兆円増やせる。脱炭素・省エネ・再エネこそ持続可能な道。
岸田自公政権が22日に閣議決定した「第6次エネルギー基本計画」は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス削減目標でも、原発・石炭火力でも、世界や国民の願いに背を向けるものです。深刻な気候危機の打開には、やる気のない自公政権に代わる新しい政治をひらく以外にありません。(土屋知紀)
日本共産党の2030戦略
●2030年までに石炭火力はゼロに
●原発はただちにゼロ
●省エネと再エネの普及で30年度までにCO2を最大60%削減
●年間254万人の雇用増、累計GDPを205兆円増やせる
●脱炭素・省エネ・再エネこそ持続可能な道
2030年度までのエネルギー計画の比較
自公政権 | 日本共産党 | |
46%(13年度比) (10年比は42%) | 削減目標 | 最大60%(10年度比) (13年度比は63%) |
新増設19%維持 | 石炭火力 | 段階的廃止 30年ゼロ |
20~22% | 原発 | 即時ゼロ |
36~38% | 再エネ | 50%(優先利用原則) |
自公政権 世界の流れに逆行
計画では2030年度までにCO2の排出量を13年度比で46%削減しますが、これは10年比では42%減にすぎません。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1・5度に抑えるためには、世界のCO2排出量を10年比で45%削減する必要があると指摘しています。
自公政権の計画は、国連の要請にも、世界の主要国と比べても、決定的に遅れています。(表1)
表1 主要国のCO2排出削減目標
欧州連合(EU) | 55%減(1990年比) |
英国 | 68%以上減(90年比、 2035年には78%減) |
米国 | 50~52%減(05年比) |
日本 | 46%減(13年度比) |
原発依存固執
30年度の電源構成について、原子力を「脱炭素化の選択肢」として「重要なべースロード電源」と位置づけ、20~22%を原発でまかなうと明記しました。現在の原発による発電量は全体の6%程度であり、審査を申請した老朽炉を含む27基(建設中2基含む)全てを再稼働しなければならないという非現実的な計画です。
しかも、自民党の甘利明幹事長は、原発はいま9基しか動いていないが政府の計画は「30基が前提だ」(17日のNHK番組)と述べ、「新型小型原子炉(SMR)」の新増設を狙っています。
原発は、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こします。事故がなくても使用済み核燃料が増え続け、数万年先まで環境を脅かし続けます。最悪の環境破壊を引き起こす原発を「環境のため」といって進めるほど無責任な政治はありません。
石炭火力輸出
政府は、30年度の発電量に占める石炭火力の割合を19%にする計画です。
菅義偉前首相が参加した6月の主要7力国(G7)首脳会議は、大量のCO2を排出する石炭火力発電が「温室効果ガス排出の唯一最大の原因」との認識で一致しました。ところが日本は、新たに9基もの大型施設の建設を進め、インドネシア、バングラデシュ、ベトナムへ発電施設の輸出も続ける構えです。
国連のグテレス事務総長は8月、石炭火力発電を30年までに段階的に廃止するよう強く求め、G7のうち日本以外の各国は期限を定めた石炭火力からの撤退を決めています。(表2)
環境団体は「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を前に、日本は脱石炭を推進する世界の流れに真っ向から逆行する宣言に等しい」(気候ネットワーク)と日本の計画を批判しました。
表2 主要7カ国(G7)石炭火力への態度
フランス | 2022年までに撤退 |
英国 | 24年までに撤退 |
イタリア | 25年までに撤退 |
カナダ | 30年までに撤退 |
ドイツ | 30年までに撤退 |
米国 | 35年までに「電力部門のCO2排出実質ゼロ」を表明 |
日本 | 30年に19%維持 |
再エネ後回し
再生可能エネルギー比率は36~38%にとどまります。「主力電源として最優先の原則の下で陥最大限の導入に取り組む」とUしていますが、実態は原発や岨石炭火力での発電が最優先で、再エネでの具体化は後回しです。
再生可能エネルギーで発電した電力を優先的に利用するという原則の確立が必要です。
新技術を前提
計画は、排出されるCO2を回収し地下貯留する技術の開発(CCS)など実用化のメドの立っていない「新技術」を前提にしています。新技術の開発は必要ですが、これから開発するのでは30年には間に合わず、CO2の大幅削減を先送りすることになります。
既存技術だけでも50年にはCO2を93%削減可能との提言もあります(未来のためのエネルギー転換研究グループ)。要は、政治のやる気です。政権交代で気候危機打開へ踏み出すことが必要です。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年10月24日付掲載
自公政権は、原発利益共同体、石炭火力利益共同体にどっぷりつかっています。
いくら「カーボンゼロ」と言っても、それは空手形。
この期に及んで石炭火力発電所を新増設。原発も再稼働するっていうのですから、呆れます。
日本共産党の2030戦略。省エネと再エネの普及で30年度までにCO2を最大60%削減。年間254万人の雇用増、累計GDPを205兆円増やせる。脱炭素・省エネ・再エネこそ持続可能な道。
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