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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変質するサッカーくじ 法案の問題点を突く③ 単一試合くじ 八百長誘発

2020-12-03 07:15:50 | 政治・社会問題について
変質するサッカーくじ 法案の問題点を突く③ 単一試合くじ 八百長誘発
単一試合のくじの導入は、スポーツの根幹を揺るがしかねません。
昨年11月、「バスケットボール議員連盟」の総会で、自民党の遠藤利明衆院議員は「Bリーグをくじの対象にすることは、ほぼ合意が出来上がったと思っている」とぶちあげました。

当事者懸念の声
しかし、その同じ席で当事者の懸念の声が聞こえていました。日本バスケットボール協会の三屋裕子会長は、バスケくじに前向きな姿勢を見せながらこう話したのです。
「暴排(暴力団排除)やインテグリティ(高潔性、健全性)をいよいよしっかりしていかないといけない。選手育成のところから、反社も含めて教育をしていかなければいけません。とくに審判のところは一番問題になってくる」
現在、Bリーグのレフェリー約150人中、プロは2人だけ。多くが仕事を持ちながら笛を吹いている現状があります。闇の世界からの働きかけなど心配は当然のことです。
当時、Bリーグチェアマンだった大河正明氏も「八百長やドーピングなどと結びつきやすいわけですから、選手やリーグ関係者のインテグリティ教育もこれまで以上にしっかりしなければ」。
世界でも実際に問題が起きています。
2015年、韓国のプロ選手11人が違法賭博サイトを通じ、わざとシュートを外す八百長行為で検挙されています。
米プロバスケットボール協会(NBA)では07年、審判がスポーツ賭博に手を染め、自らが裁いた試合にお金をかけ、試合を操作したことなどが発覚しました。
サッカー、テニスでは、闇賭博のブローカーによる選手の買収が行われ、八百長が起き、競技団体が対策を余儀なくされる実態もあります。



プロ野球・巨人の福田聡志投手が野球賭博に関与した疑いで、記者会見する日本野球機構の熊崎勝彦コミッショナー(右手前)=2015年10月5日

スポーツの死へ
一方、日本のプロ野球はくじの対象となることを拒否しています。1969年に発覚した「黒い霧事件」という八百長の苦い経験があるからです。2015年には巨人の選手が野球賭博に関与したことがわかり、球界全体が激震に見舞われました。
サッカーくじ創設時(01年)、プロ野球コミッショナーだった故川島廣守さんは本紙インタビューで語りました。
「スポーツとギャンブルが結びつけば失うものはあまりにも大きい。(八百長が起きれば)スポーツの持っている価値は失われ、社会的信用は失われる。スポーツの死という状況になってしまいます」
「スポーツの死」を招かないために拙速でなく、慎重で冷静な議論が必要です。しかし、国会での審議は衆参でたった2日だけの予定です。
同議連が法案成立を急ぐのは、東京五輪で使用する国立競技場の建設費やその後の改修費、維持管理費をねん出する必要があるからです。
スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんは警告します。
「単一試合のくじ導入は、八百長を誘発しかねない。スポーツ文化を破壊し、ゆがめてもお金さえ手に入ればいいというマネーファーストの発想がそこにある。トトが売れないならやめればいいだけ。賭博でスポーツ振興をするのはやめて国がしっかりと支援すべきだ」
(和泉民郎)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月1日付掲載


くじの導入にともなって、試合の勝敗に選手が関わる八百長が発生する可能性。
まさに、スポーツがスポーツでなくなる「スポーツの死」。
射幸性の高まる「単一試合くじ」の導入はやめるべき。

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