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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

変質するサッカーくじ 法案の問題点を突く② ネット中傷 選手を襲う

2020-12-02 07:59:51 | 政治・社会問題について
変質するサッカーくじ 法案の問題点を突く② ネット中傷 選手を襲う
スポーツを対象にした賭けは、選手を危険にさらすことにつながります。賭けを外した人がインターネットを通じて選手を中傷する行為が、世界で問題になっています。
1試合の結果と点数を予想するくじは、1選手がくじの結果に与える影響をクローズアップします。そのため、勝敗に関わるプレーをした選手が中傷の標的になってしまいます。
テニスでは、欧州を中心に公的なもの、違法なものを含めた賭けがさかんです。四大大会に出るような上位選手のSNSには、賭けに負けた人からの中傷のメッセージが届くといいます。



2017年に全仏テニス準決勝に出場したティメア・バシンスキー選手(共同)

勝った試合でも
女子世界ランク最高9位のティメア・バシンスキー選手(31)=スイス=は、テニス専門メディアの取材に「賭け屋はつぶさないとだめ。(中傷メッセージは)選手だけじゃなく、スタッフ、家族にも攻撃してくる」と実態を告発。2016年、ランキングが下の選手に敗れたときのことを「(中傷メッセージが)洪水みたいに大量に襲ってきた。どれもが私を侮辱する内容だった」と話しています。
負けた時だけではありません。フルセットの末に2-1で勝利した日には「2-0で賭けていたのに、おまえのおかげで大損だ」と口汚くののしられました。
それでも選手には、SNSの利用をやめるわけにはいかない事情があります。プロ選手にとってインターネットの情報発信は広報活動の一環で、活動の窓口にもなっているからです。バシンスキー選手は「フォロワー(読者)が多いほど、スポンサーが付いてくれる。しかも私のフェイスブック(記事投稿サービス)には親切なメッセージ、仕事の依頼、インタビューの申し込みも届く」と説明します。

耐えられず引退
また、カナダのレベッカ・マリノ選手(30)はランキング上位の常連だった13年、ネットでの中傷に耐えられず22歳で引退を表明しました。「なんでこんなにつらいことをしなければならないんだろう」と思いつつプレーしていたといいます。
17年に復帰を果たしますが、追い詰められていた当時を「心身の健康を回復するには、テニスを辞めるしかなかった」と振り返りました。
バスケットボールも例外ではありません。韓国女子のトップ、バク・ジス選手(21)は今年1月、SNSで「バスケットを辞めたいと思ったことがある」と吐露しました。
ネット上の中傷が理由でした。「無表情で不満げにプレーする姿が気に入らない」というものから、韓国のバスケくじを外した人が腹いせに書き込む罵声など、毎日のように目にするといいます。
同選手は、うつ病初期、パニック障害に似た症状を訴え「人の多い場所に行くのが大変。呼吸もうまくできない」と話しています。
日本では5月、あるテレビ番組に出演した当時22歳のプロレスラー、木村花さんがネットの中傷に苦しみ、自ら命を絶ちました。顔の見えない相手の言葉の暴力がいかに選手を追いこむか。これらの事例は教えてくれます。
単一くじの導入が選手にどれほどのリスクになるか計り知れません。
(山崎賢太)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年11月30日付掲載


プロの選手の自分の試合の勝ち負けが、勝ったか負けたかだけじゃなく、賭けの得と損にリンクして…。それがネットで炎上、選手への八つ当たりになることも。

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