職場のトラブルQ&A⑬ 派遣の期間制限=3年を超すとクビ? 派遣元に雇用安定措置の義務
派遣労働者の派遣期間制限をご存じですか?労働者派遣法(派遣法)が2015年に改正され(同年9月30日施行)、同じ会社の同じ部署で3年を超えて働くことができなくなりました。
その場合の派遣労働者の「雇用の安定措置」も法定化されました。ルールを守って、派遣労働者の雇用が不安定にならないようにしていかなければなりません。
Q 私は35歳で、派遣元(X社)から、某商社(Y社)に派遣されて、総務課で16年10月1日から働いています。
派遣元X社との労働契約は半年契約で、これまで5回更新されました。今の契約は19年4月1日から9月30日までとなっています。このまま同じ部署で働き続けたいのですが、9月30日で3年となります。辞めなければならないのでしょうか。
A 満3年だからといって、あなたが一方的に雇い止めにされることはありません。
確かに法改正で、派遣元との労働契約が有期契約である派遣労働者(60歳未満)は、派遣先の同じ組織単位(課などにあたる)で、3年を超えて働くことができなくなりました。(同法35条の3、40条の3)
派遣元との労働契約が有期契約であるあなたの場合、一応、この期間制限が適用されることになります。
しかしこうした場合、派遣元は以下のような労働者の「雇用安定措置」をとる義務があります。
①派遣先への直接雇用の依頼②新たな派遣先の提供③派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用④その他雇用の安定を図るための措置―です。(同法30条)
①で直接雇用に結びつかなかった場合に、派遣元が改めて②~④の措置をとる必要があります。
あなたは派遣元X社に、「今年の10月1日以降、Y社に自分を直接雇用するよう依頼してほしい」と伝えるとよいと思います。
X社は、あなたが希望する雇用安定措置を講じるよう努めることとされています。依頼してくれるでしょう。
そして派遣先Y社が直接雇用に応じない場合、X社自身があなたを無期契約で雇用するか、新たな派遣先を提供するなどしなければならないことになります。
X社がこの雇用安定措置を講じなかった場合、あなたはX社に対して、不法行為に基づく損害賠償請求ができると考えられます。
また派遣先が、違法状態であることを知りながら労働者を受け入れていた場合は、派遣先がその労働者に直接雇用を申し入れたとみなされる制度もあります。(同法40条の6)
例えば、無許可の事業者から労働者派遣を受け入れたりした場合に、これが適用されます。
疑問な点がある場合は、都道府県労働局(受給調整事業室)、労働組合、弁護士などに相談してください。
今村幸次郎(弁護士)
「しんぶん赤旗」日曜版 2019年5月12日付掲載
元々有期雇用という不安定な働き方をなくしていく必要がありますね。この人の場合は、某商社の総務で働き続けたいようですね。某商社に直接雇用を求めましょう。
派遣労働者の派遣期間制限をご存じですか?労働者派遣法(派遣法)が2015年に改正され(同年9月30日施行)、同じ会社の同じ部署で3年を超えて働くことができなくなりました。
その場合の派遣労働者の「雇用の安定措置」も法定化されました。ルールを守って、派遣労働者の雇用が不安定にならないようにしていかなければなりません。
Q 私は35歳で、派遣元(X社)から、某商社(Y社)に派遣されて、総務課で16年10月1日から働いています。
派遣元X社との労働契約は半年契約で、これまで5回更新されました。今の契約は19年4月1日から9月30日までとなっています。このまま同じ部署で働き続けたいのですが、9月30日で3年となります。辞めなければならないのでしょうか。
A 満3年だからといって、あなたが一方的に雇い止めにされることはありません。
確かに法改正で、派遣元との労働契約が有期契約である派遣労働者(60歳未満)は、派遣先の同じ組織単位(課などにあたる)で、3年を超えて働くことができなくなりました。(同法35条の3、40条の3)
派遣元との労働契約が有期契約であるあなたの場合、一応、この期間制限が適用されることになります。
しかしこうした場合、派遣元は以下のような労働者の「雇用安定措置」をとる義務があります。
①派遣先への直接雇用の依頼②新たな派遣先の提供③派遣元での派遣労働者以外としての無期雇用④その他雇用の安定を図るための措置―です。(同法30条)
①で直接雇用に結びつかなかった場合に、派遣元が改めて②~④の措置をとる必要があります。
あなたは派遣元X社に、「今年の10月1日以降、Y社に自分を直接雇用するよう依頼してほしい」と伝えるとよいと思います。
X社は、あなたが希望する雇用安定措置を講じるよう努めることとされています。依頼してくれるでしょう。
そして派遣先Y社が直接雇用に応じない場合、X社自身があなたを無期契約で雇用するか、新たな派遣先を提供するなどしなければならないことになります。
X社がこの雇用安定措置を講じなかった場合、あなたはX社に対して、不法行為に基づく損害賠償請求ができると考えられます。
また派遣先が、違法状態であることを知りながら労働者を受け入れていた場合は、派遣先がその労働者に直接雇用を申し入れたとみなされる制度もあります。(同法40条の6)
例えば、無許可の事業者から労働者派遣を受け入れたりした場合に、これが適用されます。
疑問な点がある場合は、都道府県労働局(受給調整事業室)、労働組合、弁護士などに相談してください。
今村幸次郎(弁護士)
「しんぶん赤旗」日曜版 2019年5月12日付掲載
元々有期雇用という不安定な働き方をなくしていく必要がありますね。この人の場合は、某商社の総務で働き続けたいようですね。某商社に直接雇用を求めましょう。
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