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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2020年回顧⑦ フランス 政権に国民の抵抗続く

2020-12-25 08:09:30 | 国際政治
2020年回顧⑦ フランス 政権に国民の抵抗続く
5年間の任期半ばを過ぎたマクロン仏大統領は今年、年金改革、コロナ危機対応、治安問題など、内政で多くの試練にさらされました。
1月16日の25万人デモなど、年金改革法案への反対運動が昨年から続き、2月の国民議会(下院)では、左翼政党「服従しないフランス」とフランス共産党が合わせて3万6千以上もの修正案を提出して抵抗。それでも政権は、内閣の信任を問えば賛否投票なしに可決できるという強権的な憲法49条3項を発動し、3月3日下院を強引に通過させました。
その上でマクロン大統領は3月16日、新型コロナ対策の外出禁止発令と同時に、年金改革の中断を表明しました。
コロナ禍のなか行われた市町村(コミューン)議会選挙(3月15日、6月28日)では、緑の党、社会党、フランス共産党、「服従しないフランス」などの左翼・緑陣営が得票率26%に達し、共和党ら右派陣営(同24%)を上回り、「共和国前進」ら与党陣営(12・5%)は惨敗しました。



「総合治安」法案に反対してデモ行進する女性=12月12日、パリ(ロイター)

この結果を受け、ブイリップ内閣は7月3日に総辞職。高級官僚のカステックス氏が新首相に就任しました。
秋にはコロナ感染の第2波が深刻化し、11月の新規感染者は週30万人を超えました。
雇用も悪化し、労働省の統計によると3月以降のリストラで6万7千以上の雇用契約が破棄。政府は企業支援を中心とした経済対策を講じるものの改善せず、9~11月には3万5千以上の雇用が失われました。
9~10月には、シャルリエブド旧本社前の刺傷事件、パリ近郊の中学教師殺害事件、ニースの教会での殺人事件など、イスラム教信者による殺傷事件が相次ぎました。
これを受けて、マクロン政権は、治安当局の権限を拡大する「総合治安」法案を11月24日、国民議会で強行採決しました。しかし、反対運動が広がり、11月28日の抗議デモには50万人(内務省発表で13万5千人)が参加。政権は、警官の撮影禁止条項(24条)の「全面的な書き換え」を表明せざるをえませんでした。
9日に閣議提出された「イスラム分離主義」を敵とみなす「共和国原則強化」法案と併せて、ムスリム・移民・人種への差別の拡大や警察国家化への懸念を広げ、依然、反対運動が続いています。
(米沢博史)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年12月22日付掲載


コロナ禍で、国民の苦難に逆行する政治は抵抗の抗議行動。地方議会選挙では野党や躍進。
政府の治安弾圧では、国民の運動は抑えることはできません。

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