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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

経団連 「経労委報告」を読む① 物価上回る賃上げを

2024-02-13 07:07:28 | 働く権利・賃金・雇用問題について
経団連 「経労委報告」を読む① 物価上回る賃上げを
経団連が春闘の財界側指針となる「経営労働政策特別委員会報告」を出しています。中央大学教授で労働運動総合研究所代表理事の松丸和夫さんに分析してもらいました。

中央大学教授 松丸和夫さん

経団連は、1月16日に「経営労働政策特別委員会報告」(以下、「経労委報告」)の2024年版を発表しました。副題は、デフレ完全脱却と「成長と分配の好循環」の加速とうたっています。
50年前の1974年春闘では、前年からの狂乱物価の後押しもあり、民間主要企業において史上最高の32・9%の賃上げが実現しました。ちなみに73年秋の第1次石油ショックで引き起こされた狂乱物価の上昇率は、23・2%でしたから、それを大幅に超える賃上げの水準でした。



日本経団連前でアピールする春闘闘争宣言行動の参加者=1月12日、東京都千代田区

財界の危機意識
現在の「経労委報告」が毎年出されるようになったきっかけは、この大幅な賃上げに対する財界の危機意識でした。同じ年の秋には、当時の日経連が「大幅賃上げの行方研究委員会報告:労使とも国民経済の立場で考え直そう」を発表しました。
石油危機による物価上昇は、コストプッシュ型インフレと呼ばれ、財界は、輸出依存型の産業構造を前提に、原油価格と賃金等人件費の上昇という二重のコストプッシュ型のインフレをなんとしても抑えないと、大企業の輸出競争力を守れないと危機感をあらわにしました。
その当時の為替レートは、1ドル300円前後でしたから、今日からみれば相当な円安でした。大企業の輸出競争力は世界市場を相手に、一人勝ちの様相すら示し始めていました。
今年の「経労委報告」は、第1部で「構造的な賃金引き上げ」に不可欠な生産性の改善・向上のために必要とされる取り組みと対応を個別に論じています。
第2部では、24年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンスを、前年の総括、企業を取り巻く経営環境、連合の「春季生活闘争方針」への見解を説明し、その上で経営側の基本スタンスを述べています。
そして、基本方針としての「構造的な賃金引き上げ」の実現、自社に適した賃金引き上げ方法の検討、中小企業における構造的な賃金の引き上げ、有期雇用等社員の賃金引き上げ・処遇改善、総合的な処遇改善・人材育成による「人への投資」促進、未来を「共創」する労使関係と展開しています。

労組のたたかい
労働組合はもとより、財界団体、政府がそろって「昨年を上回る賃上げ」を掲げます。しかし、物価上昇を超える賃上げは労働者・労働組合のたたかいでこそ実現します。春闘の行方は、社会の大きな注目を浴びています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年2月6日付掲載


今年の「経労委報告」。基本方針としての「構造的な賃金引き上げ」の実現、自社に適した賃金引き上げ方法の検討、中小企業における構造的な賃金の引き上げ、有期雇用等社員の賃金引き上げ・処遇改善、総合的な処遇改善・人材育成による「人への投資」促進、未来を「共創」する労使関係と展開。
やってる感で、できる範囲の賃上げって感じですね。

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