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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 テロ根絶するには 国連決議履行が大切 繰り返さない環境づくりも

2021-09-20 07:23:40 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 テロ根絶するには 国連決議履行が大切 繰り返さない環境づくりも
エジプトのカイロ大学で国際法を専門とするアイマン・サラマ教授(61)に、国際社会はテロ根絶にどう取り組むべきか聞きました。(カイロ=秋山豊)

カイロ大学教授 アイマン・サラマさんに聞く
テロリズム根絶には国連を主軸とする国際社会の努力と包括的な戦略が必要です。国際法はテロ対策に十分に効果的です。




国連ではテロ根絶に関するいくつかの決議が採択されていますが、なかでも米同時多発テロ後の2001年9月28日に採択された安保理決議1373はテロを防ぎ、処罰する国際法の柱の一つと考えられています。
この決議は全ての国に対し、▽テロ行為への資金提供を防止する▽テロリストとそれに関連する者や団体の資金を凍結する▽テロリストとそれを支援する者に逃れる場所を与えない▽テロリストらを法に照らして裁く▽テロ行為を国内法で重大な犯罪とし、刑罰にその重大性を適切に反映させるーことを求めています。
また、テロ撲滅に関するさまざまな機関の2国間あるいは集団的な協力もテロを未然に防ぐ決定的要素となります。特に資金洗浄やテロリストの資金をなくすための機関同士で情報の流れを促進することが重要です。
国際紛争の平和的解決に向けた真剣な取り組みも必要です。紛争による人びとの苦しみにつけこむ機会をテロリストに与えてはならないからです。
テロの背景には政治や経済、安全保障、社会的な問題などさまざまな原因があります。
テロが起きた理由と、どうすればテロが繰り返されない環境をつくることができるか検証も求められます。
テロ根絶に向けた措置を講じるには困難もあります。例えば、発見困難な方法でテロ組織の偽名の銀行口座に資金が移されるため、テロ組織の資金を断ち切ることは容易でありません。
しかしテロに対して戦争という手段を取れば国は破壊され、テロはさらに拡散してしまいます。各国がテロ撲滅に関する国連決議を履行することが大切なのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月17日付掲載


▽テロ行為への資金提供を防止する▽テロリストとそれに関連する者や団体の資金を凍結する▽テロリストとそれを支援する者に逃れる場所を与えない▽テロリストらを法に照らして裁く▽テロ行為を国内法で重大な犯罪とし、刑罰にその重大性を適切に反映させる。
特に、テロ行為に対して資金提供を防止、法に照らして裁く、国内法で重大な犯罪とするが大事だと思う。
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米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 「死と破壊」のイラク侵略 国民の苦しみ IS生んだ原因に

2021-09-19 07:13:08 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 「死と破壊」のイラク侵略 国民の苦しみ IS生んだ原因に
米国は2001年9月11日に起きた同時多発テロ後、テロとのたたかいと称してアフガニスタン戦争に続き、03年3月イラク戦争に踏み切りました。

家族奪われた
イラク中部ファルージャに暮らすアブ・ムハンマドさん(45)=大工=は本紙の取材に、「米国は数えきれないイラク国民を殺害した。どんな理由をつけて正当化しても許すことはできない」と憤りました。米軍の攻撃で家族2人の命が奪われました。
ファルージャでは2004年、米国が自国の傭兵(ようへい)会社社員を殺害された報復として同地域を包囲し、ヘリコプターでの空爆を含む無差別攻撃を行うなど、多くの住民が米軍に殺害されています。
アブさんは、「米軍に殺された住民の遺族には復讐のためにテロ組織に加わった人もいる」と言います。
一方、北部キルクーク在住のナディア・アザウィさん(46)は、息子がイラク戦争のなかで出現した過激組織ISとの戦闘に加わり、銃弾を背中に受けて障害を負いました。
「米国が言う対テロ戦争とはイラクの侵略であり、それがもたらしたのは死と破壊、混乱、貧困、悲しみだ」
国際テロに詳しいエジプトの作家で研究者モニル・アディブさんは「20年に及ぶ米国の対テロ戦争は、武力による報復でテロは解決できないことを示した」と指摘します。
米国は01年10月、米同時テロを起こした国際テロ組織アルカイダを、アフガニスタンのタリバン政権が引き渡さなかったとして報復戦争を開始しました。



イラク北部キルクークに暮らすナディア・アザウィさん(本人提供)


国際テロに詳しいエジプトの作家で研究者のモニル・アディプさん(秋山豊撮影)

今も活動続く
米軍はその10年後、アルカイダ指導者のウサマ・ビンラディン容疑者を隣国パキスタンで殺害。しかしアディブさんは、アルカイダが今もタリバンに忠誠を誓い、アフガンで活動を続けていると言います。
米国は03年3月、イラクが大量破壊兵器を開発し、アルカイダともつながっているとしてイラクへの空爆を開始。フセイン政権が崩壊しました。
イラク戦争のなかで、アルカイダ系組織に旧フセイン政権のメンバーらが結びついてISが形成されます。ISは13年以降、アサド政権と反体制武装勢力が争うシリアで活動を拡大。女性や子どもを処刑するなど残虐行為を繰り返しました。
米軍はISを空爆し、トランプ前米大統領は19年にIS支配地域を「100%解放した」と宣言しました。しかしアディブさんによるとISは昨年、シリアで約600回、イラクで1400回以上の攻撃を行ったと主張しています。
アディブさんは「米国の軍事行動はテロを拡散し、ISという新たなテロ組織を生み出す原因になった」と語りました。
(カイロ=秋山豊)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月16日付掲載


アディブさんは「米国の軍事行動はテロを拡散し、ISという新たなテロ組織を生み出す原因になった」と。
戦争ではテロは根絶できない。
無垢のアフガンやイラクの国民を殺害。憎悪がさらにテロを生み出す。
資金源を断ち、国際政治で包囲することこそ。
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米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争④ 自殺兵士 戦死の4倍

2021-09-18 07:28:39 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争④ 自殺兵士 戦死の4倍
「アフガニスタンから米軍は撤退しました。しかし兵士を家族に持つ人々にとっては、これからが仕事の始まりです。兵士たちは『何のための戦争だったのか?』と自間しています」
米兵家族の反戦団体「声をあげる兵士家族の会」(MFSO)の全国コーディネーター、パット・アルビソさんはこう語ります。海兵隊所属のアルビソさんの息子は、同時多発テロ後の対テロ戦争で、イラクとアフガニスタンに合計6回派遣されました。
最初の派遣では現地の子どもたちと交流しようとサッカーボールを荷物に詰めました。しかし戦場では、恐怖におびえる女性や子どもばかりいる家に押し入り、「テロリスト」を捜索する日々。帰国後もトラウマに苦しんでいます。「息子はまったく困惑した状態でした。帰還兵の自殺者統計に自分の家族が入るのではと毎日心配している人は多くいます」とアルビソさんは語ります。



アーリントン墓地内のイラク・アフガン戦争派遣兵のための地区で、おいの墓石前に座る女性=9月11日、米バージニア州(ロイター)

戦闘で心病み
米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所によると、今年6月までの集計で、対テロ戦争をたたかった現役・退役の米兵3万177人が自殺したと見積もられます。実際の軍事作戦で死亡した米兵は7057人です。
研究所は、自殺者が軍事作戦による死者の4倍超に達し、増加傾向にあることについて、「軍と米国社会が兵士のメンタルヘルスをうまく管理できていない」と指摘します。
背景には、凄惨(せいさん)な戦闘経験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会生活への復帰の困難に伴うストレス、銃を入手しやすいことなどが指摘されています。

何度も戦地に
医療技術が発達し、負傷した兵士が治癒後に何度も戦地に派兵された事例が目立ちます。戦争が長期化し、大手メディアも報道しないなか、一般国民が兵士の“貢献”に無関心になっている無力感もあるといわれます。
バイデン大統領はアフガンからの米軍撤退完了を宣言した8月31日の演説で自殺者の多さに言及。「帰還兵とその家族は地獄の苦しみを味わってきた」と語りました。一方で今は「過去ではなく将来を見る時だ」などと述べました。
MFSOで活動するメアリー・ラドキーさんは「アフガン戦争についてごまかして語ってはならない。壊滅的な損失と悲劇を世界に広げた戦争だ」と強調。「今の課題は戦争の本当の歴史を語り、遂行した人々に責任を取らせることだ」と話しています。
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月15日付掲載


対テロ戦争をたたかった現役・退役の米兵3万177人が自殺したと見積もられる。実際の軍事作戦で死亡した米兵は7057人。
背景には、凄惨(せいさん)な戦闘経験による心的外傷後ストレス障害(PTSD)、社会生活への復帰の困難に伴うストレス、銃を入手しやすいことなどが指摘。
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米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争③ 借金重ねて戦費調達

2021-09-17 07:13:22 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争③ 借金重ねて戦費調達
米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所が1日に発表した試算によると、20年間の対テロ戦争で米国が支払った費用は、今後の帰還兵対策を含めて約8兆ドル(約88兆円)に上ります。
ハーバード大学ケネディ行政大学院のリンダ・ビルメス教授が注目するのは、全体の約14%を占める「戦費の利子払い」です。
「対テロ戦争は戦費をどうまかなうか明確な計画も持たず、後から請求が来る『クレジットカード戦争』になっている。米史上初めてのやり方だ」と指摘します。



アフガンから帰還し、フォート・ドラム基地で手続きを行う第10山岳師団に所属する米兵=9月6日、ニューヨーク(ロイター)

利子に6.5兆ドル
ブラウン大学の研究所によると、米国は二つの世界大戦や朝鮮戦争といった過去の戦争では、最高税率の引き上げなど主に増税によって戦費を調達してきました。対照的に対テロ戦争は借金を重ねて遂行中です。さらにブッシュ(息子)、トランプの両政権は富裕層減税を実施しました。
2020年1月の時点で、仮に戦争の支出を直ちに止めたとしても、既存の借金の利子は50年までに6・5兆ドル(約716兆円)に達すると試算されていました。
ビルメス氏は「後から高額の請求が来るとぼんやりとは感じているが、いまは現金を払っていないので痛みを実感できない。このことが出費の監視を甘くし、戦争の継続を容易にした」と語ります。
また世界大戦やベトナム戦争などでは、大統領が議会や国民に向けて頻繁に演説し、戦争と増税について説明していたと強調。「過去20年を振り返ると、歴代大統領は実質的にまったくこうした議論をしなかった。それが戦争を忘れさせていった」と歴代政権の責任を指摘しました。
戦費のうち割合が最も大きいのが2050会計年度までにかかる帰還兵対策の費用です。障害を負った人への支援や治療などで出費は増え続け、27年後の2048年にピークを迎える見込みです。

国民を守らず
米シンクタンク「政策研究所」(IPS)は、同時多発テロ後に米国が対テロを念頭に国内外で進めた軍事化の費用は、21兆ドル(約2313兆円)に達すると指摘しました。直接の戦費のほか、海外基地の維持、核兵器に関する活動、他国への軍事支援、米国内でのテロ対策などを幅広く含めた試算です。
試算をまとめたリンゼイ・コシュガリアン氏は「軍事優先主義が感染症の世界的流行、貧困、社会の不安定化、気候変動から国民を守ることはなかった」と強調。「アフガンからの撤退は国民が本当に必要とすることに投資先を変える機会になる」とバイデン政権に政策転換を求めました。
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月14日付掲載


アフガンの戦争では戦費は借金で賄われた。それは、戦争が終わった後も続く。
戦費のうち割合が最も大きいのが2050会計年度までにかかる帰還兵対策の費用です。障害を負った人への支援や治療などで出費は増え続け、27年後の2048年にピークを迎える見込み。
日本も人ごとではありません。防衛費の装備品の大半が後年度負担で分割払いだからだ。
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米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争② 空からの爆弾 怒り増幅

2021-09-16 07:14:33 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争② 空からの爆弾 怒り増幅
「食べ物も十分にない人々の頭上に爆弾を落とすことは、テロ撲滅のたたかいには役立たない。罪のない人々を無数に犠牲にした対テロ戦争は、むしろテロを助長した」
アフガニスタンの女性を支援する米国の非営利団体「アフガン女性基金」のファヒマ・ガヒーズ議長は、米国が進める対テロ戦争の問題点をこう語ります。戦争が人々の生活を破壊し、怒りや悲しみを生み、テロの土壌を広げてしまっているという指摘です。
米軍はアフガニスタン戦争で、一定の地域に大量の爆弾を投下し、無差別に攻撃する「じゅうたん爆撃」を実施しました。駐留米軍は「テロリスト」を掃討するとして、住民の自宅への夜襲を繰り返しました。
国際刑事裁判所(ICC)のベンスダ主任検察官は2016年11月の報告で米軍と米中央情報局(CIA)がアフガンで戦争犯罪に該当する拷問を行ったと信じるに足る「十分な根拠がある」と指摘。ICCは20年3月、戦争犯罪の有無について「真実追究」捜査を実施すると決めました。



ファヒマ・ガヒーズ議長=8月30日(オンライン企画のスクリーンショット)


マハ・ヒラル氏=9月1日(オンライン企画のスクリーンショット)

「青空は嫌い」
オバマ政権下の無人機攻撃は民間人犠牲を広げました。13年12月にイエメン中部で、結婚式に向かっていた一行をテロ集団の車列と誤認して攻撃し、多数の死傷者を出した事件はその一例です。トランプ政権は攻撃基準を緩和して無人機の作戦を続けました。
無人機攻撃で祖母を殺害されたパキスタンの少年は13年10月に米議会で次のように話しています。
「僕はもう青い空は嫌いです。灰色の空の方がいい。曇りだと無人機が飛ばないからです。短時間だけど緊張や怖さが和らぎます」
イスラム教徒に対する憎悪とたたかう団体「ジャスティス・フォー・ムスリム・コレクティブ」のマハ・ヒラル氏はこの少年の発言を例に挙げて、「対テロ戦争の問題点はイスラムの人々を全く非人間的に扱っていることだ」と指摘します。

違法視点欠く
ヒラル氏は、アフガン撤退を宣言したバイデン米大統領の演説について「そもそも違法な戦争を行ったという視点が欠けている。標的にされた国々では戦争は終わっていない」と批判しました。
報復戦争への疑問は米議会内でも聞かれます。サラ・ジェイコブズ下院議員(民主)は8月下旬のカブールでの自爆テロの後、次のように表明しました。
「この事件への回答が戦争や暴力、効果もなく責任も問われない対テロ作戦であってはならない。そうでなければ、われわれはこの20年から何も学んでいないことになる」
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月12日付掲載


アフガンの少年。「青空は嫌い」とは。
日本では「青い空は青いままで♪♪」と歌われるのに…。
無人機の攻撃が少年の心を閉ざす。
アフガン撤退を宣言したバイデン米大統領の演説についてさえ、「そもそも違法な戦争を行ったという視点が欠けている。標的にされた国々では戦争は終わっていない」と。
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