2024年01月15日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[米国“ピーターパン・シーフーズ” 2024年1月からの冬季間 キング・コーブ工場の一時閉鎖を決定する]
米国ピーターパン・シーフード(Peter Pan Seafood)は、今般、白身魚、カニ等の製品を加工、生産するキング・コーブの施設を2023年1月からの冬季間、所謂“Aシーズン”、稼働させないことを決定した。
同社の代表者ロジャー・メイは、現在、業界が壊滅的な状況にあり、この閉鎖が意味するものは、アラスカ産水産物の市場における混乱拡大の兆候で、様々な魚種にわたる世界的な需要の低迷だと語り、ロシア生産者との激しい競争に直面していると加えた。
シアトルに本拠を置き、アラスカの水産部門全体に巨大な拠点を持つ垂直統合型企業トライデントも、2023年12月、コディアック、ケチカン、ピーターズバーグ、そしてフォールス・パスにある資産を売却する計画であると発表していた。
ロジャー・メイは、「赤字で製品を生産して販売し続けることはできない」と述べ、一方で破産宣告には向かっていないと語った。
ピーターパン・シーフードのキング・コーブ工場は、地元850人のコミュニティの年間約200万ドルの収入に貢献してきた経緯があり、キング・コーブ市の行政官ゲイリー・ヘニーによると、当該工場は例年1月からの冬季間、年間の収益のおよそ1/3を生み出していたと指摘している。