2024年01月26日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[2023年 ロシア海域スケトウダラ漁獲量 外国人漁業者を含め196万トン]
昨年2023年、外国漁船を含めたロシア海域におけるスケトウダラの漁獲量は196万トンに達し、前年2022年を3%上回り、過去25年間で最高記録となった。
(ロシア漁業庁の速報ベースでの発表によると、昨年2023年のロシア漁業者のみのスケトウダラの漁獲量は、190万3,900トンに達したが、前年2022年を1万8,900トン下回った。)
2023年、ロシア海域では外国漁船13隻を含め、計275隻がスケトウダラ操業に着業、大型加工トロール漁船77隻による漁獲が全体の71%以上を占めた。
ロシアスケトウダラ漁業者協会は、2023年の特徴として、ロシア国内と海外で建造された大型加工トロール漁船の良好な結果を指摘している。
ロシア漁業者によるスケトウダラの漁獲量の第1位となった漁船は、ヴォストーク・ルイブ・プロム(Востокрыбпром)社所属“ウラヂミル・リマノフ”(Владимир Лиманов)で、10位までに、ギドロストロイ(Гидрострой)社、トラル・フロート(Тралфлот)社、オケアン・ルイブ・フロート(Океанрыбфлот)社、そしてノレボ(Норебо)社の船団が入った。
総漁獲量の内、12%相当の23万トンが沿岸の陸上加工場で処理された。
また、ロシア漁業者による製品出来高は108万8,000トンで、前年比7.4%増となった。
ただし、2023年の製品生産のダイナミクスは、前年2022年に記録されたものとは大きく異なった。
一連の制裁措置が販売市場に不確実性をもたらし、最終製品の需要停滞が価格に圧力をかけた。
ロシア漁業者は計画を調整し、主にフィレ製品の生産を削減することを余儀なくされた。
ロシア漁業者の2023年のスケトウダラ漁獲量の約32%が、高次加工製品となったが、フィレの生産量は24%減の9万5,300トン、当該加工端材処理のミンスが39%減の1万7,200トンとなった。
一方、ロシア漁業者は、すり身の増産でフィレ等の高次加工生産のマイナス部分をカヴァー、生産量は2.5倍の4万8,000トンに達した。
この結果、高次加工品の総生産量は13%減ではあるが17万3,000トンを確保した。
なお、低次加工製品となるドレス(H&G)は8%増の72万トン、ラウンド(W/R)が20%増の19万9,000トンとなった。