2024年01月29日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア極東の“カニ王”は身ぐるみ剝がされる]
ロシア沿海地方仲裁裁判所は、極東の“カニ王”と呼ばれたアレッグ・カンと、極東業界で最もコネクションを利用する人物として知られたドミトリー・ドレムリュガの動産、不動産のすべてを差し押さえることを決定した。
アレッグ・カンらは、2014年から2019年にかけて26億ルーブル相当のカニを輸出する際、製品価値を過小評価し脱税した疑いがかけられている。
製品はパナマの会社への通関価格で輸出申告されたが、実際には、はるかに高い価格で日本の企業へ輸出されたことが指摘されている。
ロシア検事総局の申し立てにより、関連企業は、現状の操業と新たな水棲生物資源の利用契約の権利が停止されており、これまでの契約も無効となる可能性がある。
ロシア経済紙“カメルサント”の独自の見積によると、2023年、ロシア漁業庁との契約に基づいて、アレッグ・カンの関係企業は8,000トン以上、ドミトリー・ドレムリュガの関連企業は約1,000トンのカニ等の水棲生物資源を漁獲する割当を所有していた。
アレッグ・カンらは3億5,800万ルーブルの損害賠償を求められており、これらは、国家資産に譲渡されることになると見られている。
アレッグ・カンの盟友で創業当時から右腕だった服役中のサハリン州議会議員ドミトリー・パショフは、“モネロン”(Монерон)の株式を剥奪されることになる。
また、極東業界で最もコネクションを利用する人物として知られ、“ダリモレプロドクト“(Дальморепродукт)の実質オーナーで、2010年の刑事事件の後、海外に出たドミトリー・ドレムリュガは、1,700万ルーブルの損害賠償を求められており、ロシア検事総局が既に200件以上の財産を押収している。
このほか、次の法人と関係者が、水棲生物資源を違法に利用して取引を行ったとして、利益配当の剥奪等の申し立てに関する審理が行われることになる。
“アクア・マリン” (Аквамарин) エカテリーナ・ユン
“シーモスト・ヴォストーク”(Симост Восток) オリガ・ドゥロワ
“セヴ・ルイブ・フロート”(Севрыбфлот) エフゲニー・セ
“クリリスキー・ユニヴァサリヌイ・コンプレクス”(Курильский универсальный комплекс:“КуК”:“クック”) ビクトリア・レドゥコワ
“プリモルスカ・ルイボロフナヤ・カンパニヤ” (Приморская рыболовная компания) キム・-----
“プリボイト-T”(Прибой-Т) タチアナ・バティナ
“ガラドスコエ・エコ・タクシー”(Городское эко такси) セルゲイ・ドヴィドヴィッチ