名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

飛騨牛の繁殖農家

2010年06月02日 | セカンドルーム

 

青空が清々しい朝だったが、空気は冷たく肌寒かった。
6月になっても、五月晴れが続き緑が爽やかだ。


田んぼの早苗も根付いたようで、直立して少し背丈も伸びてきた。
気温は低めだが、強い日差しを受けて作物は良く育つ。

口蹄疫が依然として猛威を振るっているが、集落の飛騨牛繁殖農家も落ち着かない日々を送っている。
いずれの農家も、年間数頭の子牛を出荷する程度の小規模農家で、家族のようにかわいがって育てている。ほとんどが年寄りの仕事で、年中無休で手塩のかけて育てる姿は、傍らで見ていても頭が下がる。
県では種牛の隔離方法を検討したり、万一に備えた対策なども練っている。

農家も牛舎や敷地にポスターを貼って、感染に備えている。
飛騨牛が全国ブランドとして定着したのは、種牛「安福号」の功績が大きいと云われている。
生涯4万頭ほどの子牛を産み、現在も精子は凍結保存され使用されている。
余りにも安福号に頼りすぎたため、遺伝的な問題が発生し、県は問題のある交配は行わないように指導している。
県畜産研究所で、死後13年間凍結保存されていた安福号の臓器細胞を使った、クローン牛が誕生したことも報じられている。
肉質の良い牛の大量生産の可能性が見えてきたと、研究者は誇らしげに語るが、神の領域に踏み込む恐ろしさを感じる。
宮崎では既に10万頭以上の牛が殺処分され、農家の悲しみや苦しみは如何ばかりかと察して余りあるが、生命倫理を無視した行為が禍の根源にあるように思えてならない。

コメント (4)
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