雨雲が低く垂れ込め、今にも雨の降りそうな空模様であったが、午前中は何とかもった。
早朝から家の前の田んぼで、田植えが始まった。
集落の田植えはほとんど終わっているので、ここが最後になる。
奥さんも朝市を休んで、苗箱の運搬など手伝っている。
去年は天候不順で、「ひとめぼれ」の出来が悪く等級を落とされたので、今年は米価がいくらか高い「コシヒカリ」にしたとのことだ。
2条植えの手押し田植機を使って、広い田んぼを3時間ほどで終わって、次の田へ移っていった。
田植えを請け負う業者もいて、忙しい兼業農家で依頼する人もいる。
乗用8条植えの大型田植機は、瞬く間に終わってしまうが、その分経費がかさむ。
米価が安いので、労働力と手間を家族でまかなうことで、何とか採算を取っているのが現実のようだ。
高冷地の栽培に適した「ひとめぼれ」を作る農家が多かったが、最近は市場で人気の高い「コシヒカリ」が主流になってきた。
倒伏するなど栽培の難しさはあるようだが、売れる米つくりをスローガンにJAも推奨している。
以前、このあたりの田植えは、気温が上がる6月になってから行われていたが、品種改良や温暖化の影響もあって、平地並みの5月の田植えと、「コシヒカリ」の栽培も出来るようになった。