先日、畦の補修と田起こし、1回目の代掻きを終えたところで、今日は畦塗りをやった。
田に水を張って、2日後あたりが泥の湿り具合が畦塗りに良いとされている。
畦塗りは、畦の側面と上部を泥を塗って固める作業である。
これにより、畦の干割れや小動物が開けた穴を塞ぎ、水漏れや雑草の繁茂を防ぐ効果がある。
ちょうど左官屋が竹こまいの荒壁塗りをする要領で、泥を鍬や鋤簾ですくっては畦に塗っていく。
これが意外に難しくて、垂れ下がったり剥がれ落ちたりするので、何度もやり直しをした。
すべて中腰で重い泥をすくっては塗る繰り返しは、かなりきつい仕事だった。
今は田植えを控えて、あちこちの田んぼから耕運機やトラクターのエンジン音が聞こえてくる。
田んぼで若い人の姿を見かけることは無く、ここでは高齢者が農作業の中心になっている。
家の前の田んぼも早朝から作業が始まり、おじいさんがトラクターで代掻きをした後を、おばあさんがトンボで均していく。
二人三脚はごく普通の姿で、息の合ったコンビは、何十年にも亘って続いていることだろう。
便利な農業機械や道具の力を借りながらも、農作業の基本は体力勝負なので、お互いが支えあっていかなければ成り立たない。
この地区でも年々耕作放棄地が増えているが、一方が出来なくなって耕作を止める事が多いようだ。
以前撮った老夫婦の田植え風景
山里の米作りは、将来が見えないまま高齢者によって支えられている。