名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

歓迎せざる客の出入り

2011年05月16日 | セカンドルーム

 

本格的な春の陽気になって、山の木々が次々と芽吹き、畑や田んぼの畦の雑草も勢いよく伸びている。
陽気に誘われて、植物に限らず昆虫や小動物の動きも活発になってきた。
冬の間家に居付いていたねずみが、暖かくなって一斉にいなくなった。
ここ数日は糞も見かけなくなったし、吸着シートに掛かることも無い。


飛騨の高冷地には、都会に多いドブネズミやクマネズミを見かけることはないが、小さなハツカネズミがたくさんいる。
10センチ足らずの小さな野生種は、春になると餌の豊富な野山へ出て行って、雪が降り始めると冬を過ごすために家に戻ってくる。
天敵のイタチも獲物がいなくなったので、一緒に出て行く。
カメムシも、戸袋や戸棚の裏などで冬眠していて、暖かくなると窓や壁に取り付いて、外へ出るタイミングを計っている。
夜になると、暖房で温まった部屋の電灯の周りを飛び回ったり、テレビの画面に止まっているので目障りでしょうがない。
冬眠から覚めたばかりで、ウォーミングアップが済めば、次々と外へ出て行って、今度は作物を荒らす。
いろいろな種類の蜘蛛が、あちこちに巣を張り巡らすようになった。
毎日通るトイレの通路や、部屋の中まで張るので始末が悪い。
木工機械に蜘蛛の巣があるのを目ざとく見つけた人がいて、恥ずかしい思いをしたことがある。
長く機械を使わない訳ではないが、蜘蛛の動きが活発で、一日で蜘蛛の巣を張ってしまうと、言い訳をしたことを思い出す。
それだけ家の中に蜘蛛の餌が多いのかとびっくりする。
小動物や昆虫の出入りが盛んなのは、古家の春の風物詩と今は達観している。

 

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飛騨地方は今日も五月晴れ

2011年05月15日 | セカンドルーム

 

今日も気持ちの良い五月晴れで、田畑の仕事がはかどった。


野良仕事をしていると、山ではウグイスやホトトギスがさえずり、田ではカエルの合唱が聞こえてくる。
暑くもなく寒くもない陽気で、木陰で休んでいると、思わず睡魔に誘われる。

 


田植えの終わった田んぼのあちこちで、苗の補植が行われている。
これは、苗が抜けたり、植え残したところを見つけて植え直すことである。
田んぼの泥は粘り気があって歩き難いうえに、腰を屈めてする作業は結構大変だ。
山里の田は狭いので、効率よく収穫を上げるために欠かせない作業になっている。

集落のほうれん草の収穫が本格的に始まった。
もともとは冬の野菜なので、温暖地の栽培は終期を迎えるが、高冷地のほうれん草はこれからが本番である。


高台の一角を造成した農業団地には、栽培用のハウスがたくさん並んでいる。
北アルプスと白山の間にある飛騨高地は、冷涼な気象ときれいな水、澄んだ空気がおいしいほうれん草を作ると評価され、夏取りほうれん草の一大産地になっている。


ハウスは種蒔きが終わった棟、葉が出始めた棟などが順番に並んでいる。


収穫が終われば次の種を蒔き、10月いっぱい栽培が続くので、農家にとっては寝る間がないほど忙しくなる。
夏でも瑞々しく、しっかりした歯応えの「飛騨ほうれん草」は、トマトとともに、自慢の特産品となっている。

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今日の畑仕事

2011年05月14日 | セカンドルーム

 

昨日の夕方は酷い黄砂で山が霞んでいたが、今日は五月晴れの爽やかな一日だった。
朝から集落は田植えや代掻きでおおわらわだ。

田植えが終わった田んぼからは、蛙の大合唱が聞こえてくる。
わが田んぼの田植えは来週になるので、今日は朝から畑仕事をやった。


既に耕してある畑にマルチを張って、苗の植え付けをした。  収穫時期が集中しないように、これから期間を置いて少しずつ植えていく。
ここは高冷地で、まだ地温が低いので、黒いビニールシートを張って土の温度を上げないと苗がうまく育たない。


その上、夜間の冷え込みや遅霜から苗を守るため、ビニールの袋や肥料の空き袋などで保護している。
今日は夏日になった所もあるようだが、ここでは夜間の暖房がまだ欠かせない。

先日孫たちと一緒に蒔いた枝豆と、トウモロコシが鳥かねずみに食べられていた。
枝豆はほぼ全滅で、トウモロコシも3分の1ほどはやられていた。
ポットを藁で覆っていたが、隙間から入ったり、藁をよけて食べられてしまった。
おそらく鳩の仕業だと思うが、土の中の種を見つけるので始末が悪い。

もう一度蒔き直しをして、今度は防鳥ネットでしっかりと覆っておいた。
山里の畑仕事は、何かと余分な手間を強いられる。

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平湯温泉で日光浴・森林浴・温泉浴

2011年05月13日 | セカンドルーム

 

 ひらゆの森

午前中で野良仕事を切り上げて、平湯温泉へ行ってきた。


冬季閉鎖が解除になったばかりの平湯峠経由で行ったが、峠は残雪があって、木々も芽吹いてないし風も冷たかった。


乗鞍スカイラインは15日のオープンに向けて、道路やゲート回りの整備が進められていた。

久しぶりに姿を見せた笠が岳は、黒い肌が目立ち、すっかり春の装いに変わっていた。
奥飛騨温泉郷はたくさん温泉があるので、どこに入るかいつも迷うところだが、駐車場に車が少なかったので、「ひらゆの森」に行くことにした。


ここは、色々なタイプの露天風呂が森の中に点在していいるので、好みの湯船を見つけて楽しめる。
すべて源泉かけ流しで、白濁した温泉や透明なお湯、硫黄臭の強い湯船など様々だ。


つい先日まで、雪見風呂を楽しんでいたが、今日は久々の晴天で、温泉で温まった後の森林浴や日光浴が心地よかった。
日光浴・森林浴・温泉浴の贅沢三昧が、わずか500円で出来るので、農繁期にもかかわらず足が向いてしまう。

 

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今年の椎茸は豊作

2011年05月12日 | セカンドルーム

 

朝のうちは薄日が差していたが、それも一瞬で、雨が降ったり止んだりの鬱陶しい一日となった。
それでも雨の峠は越したようで、雨足はそれほど強くない。

田んぼの水源も、かなり増水はしていたが、溢れることは無かった。


今朝、裏山の椎茸を見に行ったら、びっくりするほどたくさん出ていた。

連休に小さいのも含めて一通り収穫したので、まだ出ていないだろうと思っていたら、直径20センチを越すほどの大きな椎茸がにょきにょき出ていた。
育ち過ぎて笠の裏が茶色く変色したり、痛んでいたりして使えないものも出てしまった。
雨で見に行けなかった事もあるが、無精をすると折角の苦労が無駄になる。

 

 

それでもバケツに山盛り3杯も収穫できたので、今年は椎茸の当たり年になったようだ。
少しずつ出てくれば好都合だが、これだけまとまって収穫すると、とても食べきれない。
朝市で並べて売るわけにも行かないので、ほしい人に配ったり、干し椎茸を作るしかない。
春の椎茸は水分を多く含み、丸ごと干しても乾かないので、細かく刻んで干している。
缶に入れて保存しておけば長持ちするので、だしや煮物、味噌汁の具などで重宝している。

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飛騨地方は今日も大雨警報

2011年05月11日 | セカンドルーム

 

飛騨地方は今日も雨が降り続き、午後には大雨警報が出た。
河川の氾濫や土砂崩れの警戒を呼びかけていたが、今のところ川に濁りは無く、多少増水している程度だ。
おそらく乾いた大地が雨水を吸い込み、芽吹き始めた木々が、勢いよく吸水しているからだろう。
田植え前の田んぼは満々と水を湛え、山の木々とともに、自然のダムの役割を果たしている。
許容量を越さない限り自然のバランスが保たれるが、最近はそれが崩れ気味で災害を引き起こしている。

 


この雨で、集落の枝垂桜や山桜は散ってしまったが、八重桜は今が盛りと咲いている。

 


つつじや雪やなぎも咲き始めて、間もなく山吹も咲くだろう。


庭の石楠花もようやく開花したが、雨に濡れて何となく色が冴えない。
はしりの梅雨ではなさそうだが、あと2~3日は野良仕事は無理なようだ。
程よい雨は田畑や野山に潤いをもたらし、生物の成長に欠かせないが、最近は降り方や期間が極端過ぎる。
そのうちに、アフリカ大陸みたいに、四季の無い雨季と乾季になってしまったらどうしよう。

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今日は雨の休養日

2011年05月10日 | セカンドルーム

 

昨夜から激しく雨が降っていたが、午後になって飛騨北部に大雨警報が出た。
本格的な雨は久しぶりで、乾燥した大地が潤い、新緑もいっそう進むことだろう。


田んぼの水を止めていたが、一晩の雨で満水状態になっていた。
今日は畑の種まきを予定していたが、この降り方では無理なので、日延べをすることにした。
昨日の畦塗りで、腕の筋肉が張り体も疲れ気味だったので、ちょうど良い休養日となった。

テレビを見ていると、どこの局も中部電力の浜岡原発停止をトップに扱っていた。
菅首相は、浜岡は向こう30年間で東海地震の発生確率が87%であることを根拠に、中電に対して原発運転停止要請をしていた。
様々な影響が各界に及ぶのは間違いないが、国民の生命、財産、安全を守る立場からどうしても止めなければならないとも述べていた。
久々に見せた強いリーダーシップに対して、中電は拒む理由は無く、受け入れざるを得なかったことだろう。
最も高いリスクに晒されていると言われる浜岡原発の不安はひとまず去ったが、ある科学者が、「87%の発生確率は、明日起こってもおかしくない数字である」との言葉が頭から離れない。
30年ほど前に浜松勤務をしていたが、当時も東海地震を想定して職場単位の避難訓練をしたり、デスクには防災ヘルメットが吊るされていたことを思い出す。
その後何事も無かったのは幸いであるが、これからも天災と隣り合わせの暮らしは続く。 少なくとも人災が避けられたことはとは何よりである。

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田んぼの畦塗り

2011年05月09日 | セカンドルーム

 

先日、畦の補修と田起こし、1回目の代掻きを終えたところで、今日は畦塗りをやった。
田に水を張って、2日後あたりが泥の湿り具合が畦塗りに良いとされている。


畦塗りは、畦の側面と上部を泥を塗って固める作業である。
これにより、畦の干割れや小動物が開けた穴を塞ぎ、水漏れや雑草の繁茂を防ぐ効果がある。
ちょうど左官屋が竹こまいの荒壁塗りをする要領で、泥を鍬や鋤簾ですくっては畦に塗っていく。


これが意外に難しくて、垂れ下がったり剥がれ落ちたりするので、何度もやり直しをした。
すべて中腰で重い泥をすくっては塗る繰り返しは、かなりきつい仕事だった。

今は田植えを控えて、あちこちの田んぼから耕運機やトラクターのエンジン音が聞こえてくる。
田んぼで若い人の姿を見かけることは無く、ここでは高齢者が農作業の中心になっている。


家の前の田んぼも早朝から作業が始まり、おじいさんがトラクターで代掻きをした後を、おばあさんがトンボで均していく。
二人三脚はごく普通の姿で、息の合ったコンビは、何十年にも亘って続いていることだろう。
便利な農業機械や道具の力を借りながらも、農作業の基本は体力勝負なので、お互いが支えあっていかなければ成り立たない。
この地区でも年々耕作放棄地が増えているが、一方が出来なくなって耕作を止める事が多いようだ。

 以前撮った老夫婦の田植え風景


山里の米作りは、将来が見えないまま高齢者によって支えられている。

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山菜の季節

2011年05月08日 | セカンドルーム

 

  タラの芽

暖かい日が続き、山菜をあちこちで目にするようになった。

 

 行者ニンニク

 こごみ


タラの芽が食べごろになり、行者にんにくやこごみは鮮やかな緑が瑞々しい。

 わさび

 山ウド


山ウドも芽が伸び、わさびも白い花をいっぱいつけている。

 


今朝も散歩の途中で採った、山ウドとわさびの花、クレソンなどを材料に朝食のおかずにした。
すべて生でそのまま食べられるので、手間が掛からない。

昨日の夕食に行者にんにくを、生ハムで巻いて食べたら、とてもおいしかった。
普通はあえたり炒めたり、お浸しや卵とじなどで食べるようだが、地元の人は味噌和えがおいしいと言っていた。
ニンニク臭がきつく、生食には向かないと言われているが、生ハム巻きは一番うまい食べ方だと自画自賛している。

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田んぼの荒くれと代掻き

2011年05月07日 | セカンドルーム

 

今日は午前中に荒くれ(飛騨弁で田を起こすこと)をし、午後は代掻きをした。
最初の年は全て人力で起こしていたが、去年から田んぼの持ち主にトラクターでやってもらうことにした。
兼業農家で、土日しか時間が取れないし、自分の田んぼもあるので、かなりタイトなスケジュールの中で行われた。


先ず、わが田んぼの荒くれから始まった。
鍬でやったときは、丸二日間掛かった仕事が、わずか数十分であっけなく終わってしまった。

水を当てている間に、下にあるご自分の田んぼの荒くれをして、午前の仕事を終えた。


掘り起こした田んぼで、カラスが目ざとく大きな蛇を見つけた。


蛇の頭を激しく突付き、弱ったところで畦まで運んでいった。
トラクターの騒音で、無理に冬眠から起こされた青大将は、動きが鈍く簡単にカラスの餌食になってしまった。
これから田んぼでは、様々な命の営みが繰り広げられる。

午後は、水を入れた田んぼの代掻きをしてもらった。
これは、泥と水を攪拌し、田植えがし易いように田面を均一にしながら、細かい泥を隙間に入れて田の水もちを良くする作業である。

少しやらせてもらったが、もたついて日が暮れそうなので、師匠にお任せすることにした。

下働き以外に出番はなかったが、今回も機械と師匠のおかげで、きれいな水鏡が出来上がった。

 

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山里の鯉のぼり

2011年05月06日 | セカンドルーム

 

大型連休が終わり、再び静かな日常に戻った。


集落の桜も開花し、山も萌黄色に染まり始めた。
芽吹きの遅い栗や楢の木は、まだ冬枯れのままで、新緑が出揃うのは6月になる。
連休を利用して、田起こしや代掻きも終わって、田植えを待つばかりの田んぼが増えてきた。
にわか農夫も周りに刺激されて、今日は畦の補修をした。


去年、畦塗りをした部分の側面と上部を、鍬を使って掻き落とし、崩れた部分を直していく。
畦にはモグラやヘビの穴がたくさんあるので、一つ一つ泥で塞いでいく。

 モグラの穴


これをしておかないと、そこから水が漏れたり、畦が崩れる原因になるので、この作業は怠れない。

 ヘビの穴


畦の4面が仕上がったので、明日以降の田起こしと代掻きが待っている。
代掻きが終わった田んぼは水鏡となって、まわりの景色を映しているが、この風景は今の時期しか見ることが出来ない。


飛騨地方の端午の節句は6月5日なので、しばらくは五月晴れの空と田んぼで泳ぐ鯉のぼりを楽しめる。
文字通り屋根より高い豪快な鯉のぼりは、都会では電線やスペースの問題もあって、田舎でしか見られなくなってしまった。


今年は、集落で真新しい鯉のぼりが2本加わった。
元気よく泳ぐ姿を見ていると、男の子が生まれた喜びが、こちらまでひしひしと伝わってくる。

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孫たちの山里体験

2011年05月05日 | セカンドルーム

 

昨夜、「乗鞍青少年交流の家」に泊まった孫たちは、山を下って我が家にやってきた。
さっそく近くを散歩しながら、つくしやタンポポを摘んだり、池で小魚やイモリを見つけて大はしゃぎしていた。
ユキ(柴犬)は、見慣れぬ子供たちに囲まれて、少し緊張気味だったがすぐに慣れて、一緒に散歩を楽しんでいる。


まだ耕していない田んぼを、子供たちに見せて、ここで米が出来ることを説明したが、この状態では理解できなかったようだ。
せめて、田植えの風景でも見せれば、理解できるだろう。

 

 

種まきの体験も毎年しているので、今年もポットにトウモロコシと枝豆、ささげの種を蒔いた。
小さい子供は泥遊びが大好きで、お姉ちゃんたちの邪魔をして大騒ぎとなった。
ポットには子供に名前を書かせて、収穫は夏休みのお楽しみにした。


裏山の椎茸も、気温が上昇してたくさん出てきたので、良いタイミングで椎茸狩りを楽しむことが出来た。

 


ダンボール箱に溢れるほどの椎茸のおみやげと、山里の思い出をいっぱい持って、それぞれの家に帰っていった。

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櫻山八幡宮式年大祭(飛騨大まつり)

2011年05月04日 | セカンドルーム

 

5月3日から5日まで、秋の高山祭りで知られる「櫻山八幡宮」で、30年に一度の式年大祭が行われる。
大祭は飛騨国中の150余の神さまが、一堂に会する壮大な祭りで、全国的にも珍しいといわれている。
開催年は不思議と天災に見舞われたり、世の中が乱れたりと、大きな災いが起こることから「世直し大祭」と呼ばれている。
折からの東日本大震災もあって、祭り開催の是非の議論もあったようだが、宮司は「式年大祭では神々を招き、飛騨国、日本国の平安や繁栄をひたすらお祈りする」と述べ、歴史ある神事は粛々と執り行われることになった。
飛騨各地の鎮守の森を後にした神々は、八幡宮の近くのお寺などで御神幸の準備をし、祭列を組んで八幡宮へ向かう。


わずか十数人の御神幸から、神輿や獅子舞、雅楽、神楽太鼓、唐櫃、闘鶏楽、輪棒、警護など、100人を超す時代絵巻のように絢爛豪華な祭り行列など様々だ。


飛騨特有の獅子舞や闘鶏楽、雅楽なども、神社によって微妙に違いがあるのも興味深い。
元は同じであった思われるが、言い伝えや口伝による継承は、長い間に少しずつ変化していったのだろう。


わが集落の「岩井神社」の神様も、午前7時に「神移し」の神事でお神輿に移り、八幡宮に近い蓮乗寺に氏子ともども参集して、御神幸の準備をした。


50名ほどの祭列は塩撒きを先頭に、榊持ち、旗持ち、警護、唐櫃、獅子舞、神楽太鼓、鉦、巫女などが続き、列の中心には神が乗り移ったお神輿がある。


行列は江名子川沿いに進み、古い町並みを鉦を打ち鳴らし、獅子舞をしながら八幡宮を目指す。
本殿に到着すると、神官によって「神移し」が行われ、神輿の神様は御神座に移られる。


「神移し」の神事は、神主がお祓いをし、氏子代表が白絹の布で覆う中で厳かに行われる。
その間、神殿の前で待機する獅子は歯をカタカタと鳴らし、闘鶏楽の鉦を激しく打ち、神集う祭りは最高潮に達する。
数時間八幡宮の祭神と共に過ごされた神様をお迎えするため、再び祭列を組んで八幡宮へ向かう。
神々の集いが終わり、お還りのときも同じ神事で、もとの神輿に移られ、それぞれの神社へ戻られる。
今日の役割は、渡御行列(行き)は「唐櫃担ぎ」で、祭神への「献備金」が入った唐櫃の片棒を担った。
白装束に黒い烏帽子を被り、奉納所へ届ける役で、神輿の後に続いた。


還御行列(帰り)は、「輪棒」という祭列の道開け役で、藍染の衣装に冠を被り、鉄の錫杖を打ち鳴らしながら神輿の道を開いていく。
岩井神社の神様も無事に鎮守の森に戻られ、氏子たちの平安と五穀豊穣を守ってくれる。
30年に1度の大祭で、計らずも二つの大役を担い、神々と人の交わりを身近に感じる一日となった。

 

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大型連休は高山へ全員集合

2011年05月03日 | セカンドルーム

 

大型連休を利用して、娘たち3家族が高山へやってきた。
それぞれが、浜松や名古屋を出発して、高山で落ち合い一緒に昼食をする予定であったが、間に合ったのは、渋滞個所を迂回した三女一家だけだった。
2時間遅れで次女一家、浜松から来た長女一家は東名高速の渋滞も加わり、大幅に遅れて到着した。 少しは自粛ムードが和らぎ、行楽気分を味わう人も増えてきたようだ。
こういう時の携帯はありがたいもので、次の対応が臨機応変出来た。
今日の午後は、豪華昼食を振舞った見返りに、婿ちゃんたちに野良仕事の手伝いを予定していたが、当てが外れてしまった。


取りあえず集まったメンバーだけで、堆肥を運び石灰と一緒に畑にすき込んだ。


小さい子供たちも畑の手伝いをしたり、つくしを取ったり、裏山の椎茸の収穫などをして過ごした。
いつもは田舎家に泊まっていたが、家族も増えて総勢14人では、とても民宿並みのサービスは出来ないので、最近は同じ町内にある「乗鞍青少年交流の家」を利用するようになった。

 2011年4月1日撮影

ここは自然環境も良いし、屋内外とも施設が整い、ファミリー単位でも十分楽しめる。
3家族はここに2泊して、高山の自然を楽しむ予定だが、明日は町へ出て「桜山八幡宮」の式年大祭の祭り行列を見物することになっている。
この祭りは30年に1度行われる例祭で、桜山八幡宮が飛騨国中の神社160余社を招いて行われる壮大な祭と云われている。
5月3日から5日まで行われるが、明日はわが氏神様「岩井神社」が招かれる日で、祭り行列の一員として藍染の装束を纏い、烏帽子を被って「輪棒」の役割を担うことになっている。
今日は野良着、明日は一世一代の時代絵巻の晴れ姿を、孫たちはどんな目で見ることだろう。

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飛騨地方に黄砂が飛んできた

2011年05月02日 | セカンドルーム

 

昨日の夕方、南西の風が強く吹き、雨雲は東の空へ流れていった。


今朝は快晴かと思っていたら、辺りはもやが掛かり、近くの山まで霞んでいた。
どうやら、偏西風に乗って中国大陸から黄砂が飛んできたようだ。
こんな日に高い山に登ると、雪面が黄色く染められている。
花粉が終わろうとしているのに、黄砂の来襲は気分が悪い。

 


隣町にある八幡宮のしだれ桜がちょうど満開を迎え、淡い日差しの中で地面まで垂れ下がっていた。

 


美女峠の水芭蕉は、やや盛りを過ぎていたが、もうしばらくは見られそうだ。
湿原の遊歩道も整備され、密生していた樹木も伐採されて明るくなったが、湿地が後退して水芭蕉も小ぶりになったように感じた。


美女ケ池畔の桜は、蕾が膨らみ間もなく開花しそうだ。
霞たなびく中の花見は風情があって良いが、黄砂では春の風物詩も興ざめだ。

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