エスクデロ、FCソウル完全移籍

ちょっと古いネタですが、浦和から韓国のFCソウルにレンタル移籍していたFWエスクデロが、そのままFCソウルへ完全移籍することになりました。韓国のサッカーはレベルは高いですが、まだ根性サッカーも残っているチームもあり、韓国Kリーグの外国人選手の多くがJリーグに行きたがっているという噂は聞きます。

アルゼンチンから帰化したのでスペイン語が話せて、プレースタイルも日本人らしくない重心の低いドリブルと普通の日本人よりは海外挑戦しやすい条件を兼ね備えているエスクデロですが、いまだにJリーグで1年間ポジションを守り通した経験がないのは引っ掛かっていました。

それでも、エスクデロはシーズン途中の加入ながら二桁の試合数に出場して4ゴールと結果を出して、FCソウルから完全移籍のオファーを引き出すことに成功しました。

確かに、このレンタル移籍にはFCソウル側に買い取りオプションがついていて、戦力になることができれば完全移籍の道を開く可能性はありましたが、厳しいことを言えばうまく行って五分五分かなと思っていました。

それでも、フィジカルが強く、韓国サッカーの当たりの強さを苦にしなかったエスクデロはウイングのポジションを手中にしました。彼のことは2005年にJリーグデビューした16歳の頃から知っていますが、日本ではプレーの粗っぽさがなかなか改善せず、不用意なカードで墓穴を掘ることもある選手でした。

一昨年の残留争いの中で堀監督に1トップに抜擢してもらったのは大きなチャンスでしたが、人生最高の試合になるはずだった福岡戦でなんと負傷交代してしまったのは不運でした。

あの試合のエスクデロは残留への思いを前面に出してドリブルの切れも抜群で、サイドに流れるエスクデロの癖は許してやるとしても、そのサイドでキープしてアシストしてくれそうなプレーは見せてくれました。

昨年、ミシャサッカーの形が明らかになってくると、エスクデロは2シャドーが一番向いているように思えました。ボールを収められるエスクデロならアシスト役は向いていると思ったからです。しかし、去年の浦和では2シャドーが最も「空かない」ポジションでした。柏木、マルシオで1年間ほぼ固定された以上、エスクデロにとっては外で勝負することが必要でした。賭けには勝てそうな雰囲気なので、エスクデロが選手として成功することを期待しています。

箱根駅伝復路

体調不良で苦しんだ正月休みですが、年始の風物詩の箱根駅伝はほぼ全部見ていました。箱根駅伝の復路はいつも不思議な駅伝で、1万mの持ちタイムだと上位5番以内に日体大の名前は出てこないことも多いですし、しかも100kmを超える長丁場の駅伝ですから、2分半くらいのリードでは安心はできないはずです。

しかし、優勝した日体大はこのリードをうまく生かしました。トップに立つことによって気持ちよく走り、力以上のものを出して前に進みました。

逆に追う東洋大は早く追いつかなくてはと思うあまり、コースの前半は差を詰めても、オーバーペースがたたり終わってみると逆に差を広げられている悪循環でした。東洋大の酒井駅伝監督が最も苦しかったように思えます。

優勝した日体大は、区間賞は5区の服部選手だけです。ただ、大崩れすることはなく、手堅く区間2位や3位を粘り強く拾っていきました。選手のインタビューでは日体大は控えも含めたメンバー16人が全員好調で誰が出ても大丈夫という雰囲気だったそうです。

今回の日体大は、前年19位からの優勝は史上初です。テレビで解説していた東洋大OB柏原竜二さんによれば日体大は意外な名前だったようです。しかし、日体大の別府駅伝監督はチームの規律を重視して、食事の際に全員を集合させるなど当たり前のところから改革していました。

それが、全員揃っての好調という、チームとしての理想像が実現できました。日体大の前回の優勝は30年も前なので、私も覚えてはいませんが、1991年世界陸上東京大会金メダルの谷口選手が4年生だった年ということなので、遠い昔の話ではあります。

それ以外の学校では、ファンの早稲田はゴール前でわずかに及ばず5位でした。早稲田が優勝するには山下りで1分以上差を詰めることが条件でしたが、東洋大や明治にかわされてテレビにあまり映らない位置へ行ってしまいました。

下位校では法政大学の往路5位の快走を守り抜いた9位シード権は快挙です。予選会も8位通過で、監督もシード権はちょっと厳しいかもと予想していたので、4年生にとってはいい後輩へのプレゼントになったでしょう。