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大相撲夏場所は写真の横綱照ノ富士の7回目の優勝に終わりました。中日を5勝3敗で迎えた、この優勝争い大本命の横綱のもたつきで混戦になった今場所でしたが、一時10勝2敗でトップを走っていた平幕隆の勝が最後で失速しました。横綱の終盤戦の相手は上位の大関ですが、その大関陣が不振で照ノ富士をまったく止められませんでした。
照ノ富士は先場所、かかとを痛めて途中休場していました。照ノ富士は初日に小結大栄翔の押しの前に完敗を喫し、今場所の波乱含みの展開はそれにも表れていました。隆の勝は最初は1勝2敗のスタートでしたが、照ノ富士を直接対決で破っており、一躍優勝候補に浮上しました。しかし、本人はインタビューでは「意識しない」と言っていますが、やはり優勝が見えてくる展開は重圧だったようです。
今場所の波乱を演出したのは関脇の若隆景でした。この大関候補は、10日目まで5勝5敗という星で、大関昇進への足固めは難しい成績でした。しかし、隆の勝との対戦で下から攻める本来の相撲を思い出し、見事勝利して結果は9勝6敗と関脇の地位を守ることはできました。翌場所の大関昇進には12勝以上と厳しいノルマが課されるでしょうが、こういう新しい力の到来は望まれます。
そう感じる理由は、大関陣の不振です。貴景勝は千秋楽で勝利して辛うじて8勝7敗と勝ち越しましたが、御嶽海は6勝9敗、正代は5勝10敗と負け越して来場所はカド番です。御嶽海は解説者の舞の海氏によれば「右手がまったく使えていない」と、負傷を隠して相撲を取っていたようです。正代は本来貯金しておかなければならない序盤戦で1勝6敗では勝ち越しは無理でした。
三役を巡る争いは、関脇阿炎が7勝8敗と負け越したものの小結に留まりそうで、三役の4人は空かないことになりそうです。前頭上位の琴ノ若が9勝6敗、霧馬山が10勝5敗、玉鷲が9勝6敗と好成績でしたが、番付運悪く三役には上がれないでしょう。運が良いと、照ノ富士が前頭2枚目で8勝7敗で関脇に上がれたこともありますが、彼ら上位陣は再度勝ち越して今度こそ三役を目指して欲しいものです。
また、注目力士に挙げていた十両の熱海富士は10勝5敗と大きく勝ち越しました。高校を卒業して1年ちょっとでこの位置にいるのは立派ですが、この勝ち越しで十両中位に上がります。巨漢でシンプルに前に出る相撲ですが、近い将来きっと幕内でも見ることができそうな逸材だと感じています。