
P.41 公的機関は「業界の顔色」をうかがった提案しかしない
アメリカの小児肥満(について)は、ハンバーガーやホットドッグ、
ピザなどを主食にして、そこにフライドポテトと清涼飲料水を
組み合わせるという食生活がよく見受けられる。
さらに間食にスナック菓子やチョコレートなどのスイーツを食べる。
このような食生活こそ、小児肥満を増やした最大の原因・・・・
本気で小児肥満を減らそうというのであれば、
ファーストフードを食事にすること、スナック菓子や清涼飲料水を
飲み食いすることに注意を促すべき。そのことには触れずに
(大統領夫人が)ただ「野菜や果物を食べよう」と提案したところで
何も解決しません。
著者の幕内氏は、ファーストフード業界で働く人が膨大な数に上るので、
アメリカ政府がファーストフードを「食べるな」「やめよう」などと
いえる状況ではない、と言っています。
P.42 仮に、そのようなことをいってしまえば、たいへんな雇用問題、
経済問題になってしまう。そのため、誰にも差し障りのない提案、
つまりは「野菜や果物を食べよう」になっているわけです。
(中略)アメリカにかぎった話ではなく、日本もまったくおなじ。
公的機関は、原則的に「何かを食べるのをやめましょう」という
具体的な提案はしません。さまざまな業界の顔色や視線が気になる。
あるいは、天下り先が気になると言っても過言ではない。そのため、
一般市民が乳がんの予防を考えたとしても、
結局「見当違い」な情報しか耳に入らない。
逆に言えば、こうした「見当違い」な情報が世の中に出回っているせいで
多くの女性が
「自分の食生活に問題がある」と気づかなくなっているのです。