P.82 そもそも同じニートでも、本家イギリスのニートと現代日本のニートでは、
かなり知的レベルが違うのでは?大卒・院卒がいて、基礎的な教養もあり、
文字が読めないということはまずないし、結構弁も立つし、メタ思考もできる。
なにより、彼らの面白いところは
「働いたら負け」ということがわかっている点です。
ここでいう「働く」というのは、つまり狭義の努力のことでしょう。
働くということイコール奴隷になることだというとらえ方をしているのです。
そのうえで、なんとか自分が生きていくすべを模索しているというわけです。
彼らは「努力」の本質を見抜いています。
狭義の努力をさせようとする社会の欺瞞を、無意識に感じとっているのです。
日本の若者のレベルや如何に?
昔ISASに共同研究員で来ていたイギリス人の若者が
「僕は快楽主義者」と自己紹介しました。
「ナニ、それ?」と思ったことを思い出します。
もちろんイギリス人なので、"I'm a hedonist."と言ったのですが、
その場に居た日本人は大慌てで辞書をめくったものでした。
彼とて、ケンブリッジ大学の天文学者ですから、
ちゃんと働いて、給料をもらっているインテリさんです。
そういう人が、「快楽主義者」って、どういうこと???
正直、20数年前の私には理解できませんでした。
今、私もそのHedonistの一員になれたんだ! =^-^=と思いますが、
やはり、現役の勤めと、3人の息子の子育てに追われていた時代は、
奴隷のようだった……と思います。