P.108 「ハリソン内科学」とは、欧米の医学生ならだれもが学ぶ
有名な内科の教科書です。
(中略)第1章に「緩和ケアと終末期ケア」の項目がありました。
P.109 「すべての治療(医学的介入)は不利益(負担)と利益の両方を
併せ持っており、通常の治療と特別な治療を区別して考えることは
倫理的でない。個々の患者にとって、
負担が利益を上回る時はどのような介入も行うべきでない」
ここでいう「特別な治療」とは、人口呼吸器、血液透析、人口栄養などです。
これはきわめて重要な考え方です。今の日本の高齢者の終末期医療には、
残念ながらこの考えがありません。
P.110 日本の教科書に終末期医療の記載は見当たらない
日本では(中略)高齢者が安らかに死を迎えるための医療については、
研究も教育もされていません。 そして現状は、
医療の進歩が安らかな死を妨げています。
今後はQOL(生活・生命の質)を重視する終末期医療の教育が必要です。
我が国の医学教育が改善されることを願ってやみません。