この本の目玉は表紙にあるサブタイトルのように
「9割が間違っている」
「食べているのに、吸収していない!?」
ごく特殊な人以外は、9割と書かれると「え、私も?」と、心配になります。
かく言う私は、体調は悪くないので「心配」はしませんが、
ほぉ~、そりゃ一体どういうこと??と、興味は湧きます。
で、読んでみて判ったことは、論点は二つあるようにみえます。
一つは人の不調はリーキーガット症候群を治せば、良くなる!
ということのようです。
リーキーガット症候群というのは、
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」を読んだ方には
お馴染みの言葉です。
でも、テニス選手にも栄養学にもあまり興味がない方々には
聴き慣れない、馴染みのない言葉のようです。
その内容は、Google検索でみると、
https://institute.yakult.co.jp/dictionary/word_6707.php
腸は栄養素を効率的に吸収する一方で、腸内細菌などが
体内へ入ることを防ぐために、腸管上皮細胞によるバリア
機能を有しています。
リーキーガット(Leaky Gut)とは、このバリア機能が低下して
腸壁の透過性が上昇することで、本来、腸(Gut)を透過しない
未消化物や老廃物、微生物成分などが生体内に漏れ出す状態
(Leak)のことをいいます。
さらに、これらの物質が血流に入ることで体のさまざまな部位に
運ばれ、炎症を引き起こすことで自己免疫疾患やアレルギー、
感染症など多くの疾病の発症や憎悪に関わると考えられています。
こうした生体内に漏れ出した物質が疾病を引き起こす状態を
リーキーガット症候群といいます。リーキーガットの原因は、
生活習慣の乱れや過度の飲酒、慢性的なストレス、炎症性腸疾患や
2型糖尿病などの疾病、外科手術やがん化学療法など多様な要因が
考えられています。
腸のバリア機能の維持には腸内細菌も関与しており、プロバイオ
ティクスがリーキーガットを改善する可能性も報告されています。
上記記事はヤクルト中央研究所のホームページのもののせいか(?)
リーキーガット症候群の原因として「小麦グルテン」への言及は
ありません。
著者・金津氏の主張は、
p.57 小腸の上皮粘膜の炎症があると、栄養吸収ができなくなる。
p.58 本来、健康な腸粘膜は網の目のようになっていて、極めて細かく、
小さなものしか通しません。しかし、腸粘膜に炎症が起こると、
網の目が少しずつ開いてしまい、本来は通さないものまで
通してしまうようになります。
.... (中略)リーキーガットで腸粘膜の網の目がゆるんでいると、
いくつかのアミノ酸がつながたままの未消化の状態で身体に
取り込まれてしまうことに
つまり、未消化の状態なので、いくら食べても「身にならない」と。
で、そのリーキーガットを引き起こすのは小麦グルテンとか乳製品の
カゼインなので、これら「二つの食品摂取を止めましょう」と。
もう一つの論点は「たんぱく質の消化に必要な酵素」についてですが、
それは明日、お伝えしましょう。