山の登り方について書くのに、いきなり「魚」を持ち出すのも変ですが、
重心の移動を考えるとき、
私はドルフィン・キックのようにお腹を凹ませながら頭を下げて、
膻中(両乳首の中間にあるツボ)がサイン・カーブを描くようなイメージで
上半身をゆっくり揺らしながら持ち上げます。
大腿四頭筋でふんばって登るのでなく、
お腹を凹ませて、例えは悪い(美しくない)のですが、
イルカか海蛇またはナメクジ?のように、自力で上半身を引き上げるのです。
すると太腿が疲れずに、何となく揺れながら身体が上がって行きます。
前傾姿勢の極限までいく前に、大腰筋だけを使って膝を持ち上げます。
ゆっくり、歩幅を狭く、段差も高すぎない場所を選び、足を置き、
上半身(重心)を前方に移動させると、自然に身体が持ち上がる……
こういった「海中遊泳」のようなイメージで足を動かしていると、
いつの間にか頂上に着いてしまう、というわけです。