ラジオ体操の場所を洗足池から多摩川台に変えて3年。
この時期になると目を楽しませてくれるのが春の山野草です。
写真はキンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)。
ラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。
和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。
深田久弥の百名山や、田中澄江さんの花の百名山を意識して
何冊も図鑑を買い、夫婦で写真を撮って楽しんできましたが、
この花は多摩川台で初めて見ました。
花に興味がない人には、意味がない(=知る価値はない)でしょうが、
一度興味を持ってしまうと、際限なく感情移入が始まります。
今年は早いね、たくさんの場所に進出したわね、可愛いわよ、
などと花の期間(2週間近く)のみのお喋りが続きます。
夫婦関係も似たようなものかもしれません。
倶に追いかけてきた花や小鳥を目にすると心がキュン。
夫が逝って半年余り。普段は感傷に浸ることはないのですが、
共有したものが現れたときには「良き時代」を思い出します。
でも結婚生活は決して「良いことばかり」ではありません。
特に典型的なモノガミー(Monogamy)だった夫との生活は
息苦しく、忍耐の多い日々でした。
私はどちらかというとPolyamory的な性格なので、
生き方や価値観、人生観というモノが大きくずれていた(?)。
じゃあ何故離婚しなかったか?といえば、
結婚は契約であり、それなりのメリットもあったからです。
昔から「狛さんのご主人て、人格者だよね」という言葉は
色々な人から聞いてきたし、私も認めます。
「この人から見放されるようなことは、しないでいよう」
「子どもたちには人格者の父親が居た方が良いでしょうし」
数十年の経過とともに、「お互いのズレ」に悩みながらも
「お互いの枠」に嵌め合って、枠の中での最上の生き方を模索。
お互いに違う趣味を持ち、共通の楽しみ(旅行や登山)も
大切にしてきました。
そして自宅での看取り。彼は退院後、私に迷惑をかけるよりは
「病院(緩和ケア病棟)でイイんだよ」と言っていました。
が、私は色々勉強するにつけ、「自宅で最期」が最良と判断。
お互いに気遣い合いながら、最高の愛情と友情で幕を引けました。
これから日本人も諸外国のように簡単に離婚するようになるでしょう。
そもそも結婚そのものを嫌う方向だし、それが正解に近いのかも。
相手あってのことですから一概に「〇〇が理想」などとは言えません。
ただ、人生の幕引きのときに「あの時、別の決断をすれば良かった」
などという
後悔をしないよう、最大の努力はするべきだと思います。
金蘭は傍で見ればそれなりに綺麗ですが、遠目にはただの雑草・・・・・