P.168からの<知的障害を持つ子の問題>という項目は見逃せません。
詳しくは、この「夫婦で読むセックスの本」を読むか、
Wikipediaを読んでください。
かいつまんで書くと、
1997年以来、都立七尾養護学校では、教員と保護者が研究や研修を重ね
知的障害を持つ児童に対する同校独自の性教育プログラムを開発。
「こころとからだの学習」と名付けられたこの授業は
男性器と女性器の部位や名称を織り込んだ歌や人形を使った
授業方法で注目を集め、同様の悩みを持つ他地域の養護学校からの
研修も積極的に受け入れていた。
P.171 授業計画については保護者との連携をを密接に行い、
問題が感じられるところは意見を意見を反映していたそうで、
性教育の研修会でも評価の高い、優れた内容のものでした。
しかし2003年7月、<純潔教育派の都議会委員>(←多分)の
不当な糾弾を受け、非常識な教材没収行為などが行われ、
(以下、Wikiより)
都教委は9月に「授業内容が不適切である」として
授業に使用された教材145点を没収すると共に、当時の校長に対しては
「教員の定数について虚偽の報告を行った」等の理由で教諭への降格
並びに停職1ヶ月の懲戒処分を命じた。また、授業に関わった教員ら
31名に対しては厳重注意処分が下されたが、処分理由は
いずれも問題視された授業内容とは直接関係の無いものであった。
元校長は処分の不当性を主張し、処分取り消しを求めて都教委を提訴。
2008年2月25日、東京地方裁判所は処分理由である教員定数の虚偽報告
について「事実とは認められない」とし、その他の処分理由も重すぎる
として裁量権の乱用を認定、請求を認める判決を言い渡した。
都教委はこの判決を不服として控訴したが、
2009年4月10日東京高裁判決も一審判決を支持し、都教委側の控訴を棄却。
2010年2月23日、最高裁判所第三小法廷は都教委側の上告を受理しない旨を
決定し、元校長に対する処分を取り消す高裁判決が確定した。
この事件の余波は国政にも及び、自民党は安倍晋三を座長、山谷えり子を
事務局長とする「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査
プロジェクトチーム」を2005年1月に発足させる。5月26日には八木秀次らを
パネリストに迎え
「過激な性教育・ジェンダーフリー教育を考えるシンポジウム&展示会」が
開催され古賀が七生養護学校の性教育授業が中止されるまでの経緯について
報告した。
以上、堀口医師の著書と、Wikipediaからのコピペが混じっていますが、
私の個人的信条から見ても憤りを通り越して、悲しくなる程の事件です。
そして、上記の何人かは、今まさに日本をリードしていく政治家として、
表舞台に立っている人です。
私自身は今回、堀口医師の著書を読まなければ、こういった事件の背景や
真意を知ることはなかったと思います。
この事件の底流には、日本のオトコ社会の女性観・ジェンダー観があり、
将来に向って、たゆまず、改革していくべき内容だと思います。