著者は私より17歳年上で、夫君(三浦朱門氏)はさらに5歳上。
著者の右傾的問題発言など、私は知らなかったのでwikiでみて、
「へぇ~」と思いましたが、ここでは<介護の先輩>として取り上げます。
シェーグレン症候群という持病のせいで「足の裏が痛い」そうです。
その理由が(多分)、大事に無菌状態で育てられたから(らしい)。
どんなに頭が切れる人でも、最終的には色々な病や痛みに襲われて、
それなりにコントロールしていかねばならないのだ…ということが分かります。
ただし、自力整体ナビ仲間は、多分「私たちは違うわよね」と、
密かに研鑽を積んでいるのだと思います。(もちろん私も!)
それはさておき、最近私がこの手の本(介護関係)を多く読むのは、
夫婦共に古希を過ぎ、自分たちの終末期をどのようにデザインするかを
考える必要があるからです。
その際、「手際よく、準備周到に介護をしてきた先輩」の行動は、
とても参考になります。曽野さんの準備で参考になるのは、
P.27 化繊綿を入れた夏布団なら洗える
布団の選択用に、家の裏側の軒下に汚物専用の洗濯機を一台用意し、
そこで一度洗ってから、屋内の洗濯機で二度洗いして、乾燥機を
回した。その頃は日に布団を三枚も洗うような生活をしていた。
このような準備のために少し余計なお金がかかったが、
私は自分の手を抜くために、自分で働いたお金を気楽に使うことに
した。それでこそ生きたお金になった、という実感があった。
介護は汚物処理との闘いであり、これこそが、お金で軽減できる部分でも
あるらしい…… 私も母の介護の初期に何度もシーツを洗ったけれど、
掛布団までは洗っていません。
でも、著者のお義父さんのように、人工肛門の措置が手際良くできなくて、
(中略)寝具から寝間着から全てを汚物で汚すことも……
わざとじゃないのだから、叱ることもできないし、解決策は、
ひたすら、<なるべく手間をかけずに、清潔な状態に戻す>ことです。
日本全体の医療費・介護のための心身疲労を思うなら、
政府がもっともっと、介護の知恵を広めるべきでしょう。
「洗える布団を購入」することがベストでもないでしょう。
もっと色々な智恵や工夫をシェアして介護の肉体的・精神的苦痛を
軽減していくべきだと思います。
散々苦労して、疲労困憊の後になって、
「え~っ、そんな楽な方法があったの~~!!」と驚くのは絶対に嫌です。
ちゃんと準備・勉強しておいて、介護する方もされる方も、
ハッピーな晩年を過ごしたいものです。