


今月は、月が21日19時17分に満月(望)となりました。月の出は19時17分(群馬)でしたが、当地では20時頃、月が近くの尾根から昇りました。この時刻において、尾根の上空は薄布のカーテンを想わせる雲で覆われていました。結果として、美しい橙赤(だいだいあか)を帯びた月面が周辺のカーテンを赤く染めながら現れました。
自分の酷使してきた眼でも、月面の模様と赤く染まった雲の両方が良く見えました。ところが、手持ちのカメラにおいて、模様(クレーターなど)がはっきりと写る露出条件では、赤く染まっている雲がほとんど写りませんでした。逆に雲の色をはっきりと撮ろうとすると、月面の色が写りませんでした(白飛びのために)。月面が赤く染まった雲にくらべて著しく明るかったからです。明暗でのダイナミックレンジが「自分の眼の視機能 >> カメラの撮像センサー」であることを実感しながら、月面の色と雲の色の両方が写る条件を探しました。
月の光は月面の周辺のみを赤く染めました。雲がないときは、月の輝きで上空全体が明るくなってしまいます。
画像は月が尾根からある程度離れたときに撮ったものです。橙赤の月面のみならず、雲での模様が印象的でした
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月が昇る直前にて
ー 7月21日 ー
比較的強い風が吹いていましたので、蚊に刺されることはありませんでした。
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昨夜もそうでしたが、今夜は上空が厚い雲で覆われています。
何か折り目のときに(細い月、上弦、満月、下弦、月食など)、月にレンズをわたくしは向けたくなる。多分、中学生のときに手製の屈折望遠鏡で月面を眺めたときの感動が心の片隅に残っているからであろう。また、「芭蕉葉を柱に懸けむ庵(いお)の月」との「美」に対する芭蕉の積極性に感嘆しているからだ。ちなみに、満月(望)になる頃、月は夕刻に近くの尾根から昇る。
さて、14日、月は上弦に達した(14時18分(正午月齢7.6))(群馬天文台HP > ぐんまの暦)。
ここでは、20時頃と22時頃の撮った画像をアップする。
20時頃(薄い雲が月の位置に浮かんでいたので、月面は赤味を帯びていた)
22時頃(雲が離れたときに)
ところで、上弦のときは、月面にX字型などの模様が浮かび出る。このことについては、layout3さんのgoo blog「煙草と珈琲とお月様 」をご覧いただきたい。
layout3さんの画像と説明を頼りにして、その模様の位置を「→ 」で示してみた。Xは三つのクレーターでの稜線が太陽光を浴びて浮き出ることに起因するとのこと。画像は望遠レンズ(320 mm 相当)と一眼レフで撮ったものをトリミングで拡大した。
余談ながら、Xの下には字体Lに見えるような模様が写っている。
先月、上弦から2日後に撮った画像を添えた。この画像において、X模様は言われれば判然できる程度になっている。
上弦に近い時間帯で月をターゲットにするならば、もっと早い時刻に撮るべきであった。しかし、太陽光を受けていない部分での地球照(地球からの太陽光の反射)を、わたくしは同時に撮ってみたかった。そのため、天空が暗くなってから撮影をはじめた。
22時にて (かなり地球照部分に近づいた)
食は22時30分からはじまるとのことであったが、その頃には厚い雲が月の位置に流れてきた。結果として、おとめ座 β 星の位置が判別できなくなった。この天体と地球照が接する場面を待ったが(蚊の攻撃を受けながら、無念)。
昨夜(23日)は望(満月、22時53分)の状態で、月にレンズを向けた。今週は晴天であっても夕刻には、東側の山並みの上でカーテンのように雲がたびたび広がっている。昨夕も同様の空模様になった。雲は夕日に染まったが、当方は雲よ去れ!と叫びたい気分で月の出を待った。しかし、雲はさらに厚くなり、山並みから月が昇る場面は全く視認できなかった。
果報は寝て待て。22時30分頃に雲が薄くなった。そして、全体としては朧月の状態であったが輪郭は視認できる姿で、月が現れた。アップした画像は望になった時刻に撮ったものである。肉眼では依然として朧月に見えたが、露出条件の設定次第ながら、「望」らしい月( 正午月齢 15.0 )の姿がカメラのディスプレイーに浮かび出た。
22時54分にて
ホワイトバランスは太陽光、望遠 320 mm(トリミング)、絞りf値 9、1/50秒、ISO感度 200
気分転換のつもりで、ホワイトバランスをカメラが自動的に設定するオート(雰囲気優先)にしてみた。
22時57分にて
望遠 320 mm(トリミング)、絞りf値 9、1/50秒、ISO感度 200
昨夕での夕焼け(19時過ぎ、ホワイトバランスはオート(雰囲気優先))
ー5月23日、桐生市にてー
(手持ちのカメラ: 満月のとき、通常、絞りf値 9 IOS感度 200では、
シャッター速度を1/600〜1/1000秒に設定している)