赤城自然園(群馬県渋川市)で、オオヤマレンゲの花が咲き始めた。一ヶ月ほど前は、青くて硬かった蕾が、心に残るような美しい花となった。
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自然園でのオオヤマレンゲの木立と蕾、5月5日撮影。
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オオヤマレンゲの花、6月2日撮影。
白色の花(直径5-7センチ)は、緑の葉と好対照をなしている。花は下向きに咲く。雌しべや雄しべを雨から守るためであろうか。花期は数日である。余談ながら、この画像を撮ったとき、背景として青空が欲しかった。
花の気高さと美しさ、オオヤマレンゲが森の貴婦人といわれる所以である。ところで、森の貴婦人は芳香を出してポリネーター(花粉の媒介をする昆虫)を巧みに誘うとのしたたかさも持っている。
花には、開き始めるときから、並ではない色彩と雰囲気が現れている。そのためであろう。園芸種は茶花としても喜ばれている。
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花には、その色と質感を反映して、光を背後から受けると透明感に満ちた美しさが現れる。
逆光で見る森の貴婦人の姿。
ところで、貴婦人の後ろ姿も麗しい。
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「オオヤマレンゲ(大山蓮華)」
モクレン科の落葉性小高木にて、高さが4~5メートルになる。レンゲ(蓮華)との名は、花の形がハス(蓮)の花に似ていることに由来する。牧野植物図鑑には、「奈良県大峰山(大峯山)で咲くのでオオヤマレンゲといわれる」とのような説明がある(花の大歳時記、角川書店、1990年発刊)。大峰山系での自生種は国の天然記念物に指定されている。
関東地方およびその近辺では、谷川岳や志賀高原に自生種が存在すると言われている。
赤城自然園には、数株のオオヤマレンゲが植えられている(見事なほどに、大きい株がある)。昨日(6月2日)は、蕾が開いていない株もあった。自然園の春季開園は6月10日まで(同園HPから)。