パソコンを使ったオートガイドに移行したあとも、星の流れが止められずにずいぶん遠回りをした結果、
星の流れを止める対策は
バランス調整 と 支持部の強化 にあるとの結論に至りました。
( 前回記事
参照 )
対策の実施
■NFD300mmF2.8レンズ
購入したNFD300mmF2.8レンズ(中古)はカメラ三脚用台座が本体と一体になっています。
ただこの台座のカメラネジ穴(W1/4)を使って直接赤道儀に搭載する方法は思いつきませんでした。
仮に搭載できたとしても、あきらかに”頭でっかち”で重心位置がずっと前になりアンバランスこの上ない!

そこで鉄板を加工し、手持ちのアリガタをバランスが取れるよう前にずらしてボルトで固定していました。
つまり300mmレンズのバランスは、カメラを接続した状態で始めから意識してとっていました。
問題はレンズ台座と鉄板の接触面が小さくてネジ一本による接合に不安があった事。
そこでゆるみ止めも兼ねて、間に薄いコルク板をはさんで締め付けていました。(写真には、コルク板をはがしたあとだけが残っています。)
スプリングワッシャーがわりの軽い気持ちだったのですが、考えてみればここが”タワミ”の温床になっていたと考え、全て剥がして直接鉄板にスパナで強く締め付けて固定しました。
あわせて、アリガタへの締め付けがより広い接触面で行われるように、アリガタ側面に硬いスチール板をアルミテープで貼り付けました。
■NFD400mmF2.8レンズ
NFD400mmF2.8レンズ(中古)の購入は最近(2012.7)のことだったので、購入と同時に対策を実施しました。

まずバランス調整ですが、NFD300mmに比べてもはるかに”頭デッカチ”だったため、500gのウエイト3コをレンズ後部にタイラップで縛り付けました。(その結果レンズ重量は7.2kgにもなってしまいました。)
カメラ三脚用台座が本体と一体なのはNFD300mmと同じですがこちらは台座が長く、幸運なことに幅がちょうどアリミゾに収まるサイズでした。
ただアリミゾと台座の接触面が丸みを帯び締め付けに不安があったため、台座側面にしっくりくるように変形させたガチャ玉をアルミテープで固定しました。(アルミテープは、ほんとに重宝して使っています。)
■Vixen R200SS反射鏡筒
主力の撮影鏡筒であり、重量・大きさとも一番ということは”タワミ”も一番発生しやすい事になります。
いくら筒が長めでも、弓なりにタワむなどとは考えられないので、鏡筒支持部にポイントをあてるべきです。

実は前から気がついていたのですが、R200SSの鏡筒バンドにつながるアリガタ金物の締め付け部分はテーパーになってへこんでおり、そこにアリミゾの繰り出し部分がおさまって圧着すべきなのですが・・・
実際にはテーパー上部のヘコミ部分が狭いため、繰り出し部分が入り込めずに一部が接触した状態で押さえつけていたのです。(左右2つの接触点で締め付けていたようなもの。)
これでもガタつく事はなかったのでそのまま使っていたのですが、荷重がかかれば押さえきれずにわずかずつズレていく事が容易に想像できました。
そこでまずテーパ部分の溝の幅をヤスリで広げ、アリミゾの繰り出し部分が入り込めるようにしました。
ところが今度は接触する面の傾斜角度が合わず、”線”でしか圧着されない事がわかりました。(2点から、線へ)
更に傾斜角を合わせるため、アリガタへこみ部分のヤスリがけをおこないました。(線から、面へ)
これで2つの点で押さえていたものが、面での圧着に変わった事により圧倒的に支持強度は向上したはずです。
バランス対策としては、
(1)カメラを接続する接眼部が常にプレート側にくるよう鏡筒バンドで固定した。
・・・・(鏡筒の側面にカメラを接続する事は、鏡筒の向きによりバランスがくずれる要因と考えた)
(2)カメラを接続した状態で、バランスの取れるバンド位置を鏡筒にマーキングした。
以上が、レンズおよび反射鏡筒側での実施した対策ですが、他にもそれまで軽視していたことがありました!
それは、トータルとしての(総合的な)バランスの追求。
わたしはプレート上に、軽いガイド鏡と重い反射鏡筒を平行に載せている以上、バランスをとるべき努力はすべきだが、鏡筒の向きによってはバランスを再調整せざるを得ないと考えていました。(たとえば、南に低い天体撮影時とかには)

(軽いガイド鏡側にウエイトを取り付けるなどは前からやっていました。)
それでも、大きく向きがかわるとバランスがとれなくなりました。

(そのときはプレートのスライドレールの位置を変更して補正していました。プレートはスターベースの「ジュラプレートS」、ガイド鏡支持部は30年以上前のミザールガイドマウント。)
この考えを改め、「バランスは調整によってもっと追求することができる!」
という気持ちにさせてくれたのが、昨年2012 2月号の『星ナビ』のシリーズ記事でした。
「すごい天体写真が撮りたい! 望遠鏡による直焦点写真(3) 赤道儀の組み立てとバランス」
さっそく、この記事にそってバランス調整をやってみました。
まずは、これまでおろそかにしていた「赤緯バランス」から

写真では、ガイド鏡・反射鏡の両方が載っていますが、
(1).まずはガイド鏡単独で、前後のバランス位置を調整します。

(2).次に、反射(撮影)鏡筒を載せて前後のバランスを調整します。(ここで調整済みのガイド鏡をいじってはいけません)


(3).今度は 左右方向のバランスをとります。
わたしの場合、プレートに取り付けたウエイトを含めてバランスの取れる位置を探し、スライドレールを固定します。
〔撮影機材によってこの位置は大きく変化するので、プレートにマーキングしてあります。)
最後は、おなじみの
(4).バランスウエイトによる「赤経バランス」調整です。

これだけは、だれでもやっていることだと思いますがカメラの接続など、実際の撮影時の構成で実施する事が大事です。
順を追ってこのバランス調整をやった結果、
『どこに向けてもフリーストップできる』状態にまで改善されました。
次回は、対策実施後の撮影画像のガイド結果 について検証します。

========================================================
ここのところ、連日の日々更新が続いていたのですが、
風邪をひいてしまい、昨日は更新をお休みしました。
歳をとると無理はよくないので・・・
(ブログは心身ともに活性化していいのですが)
雲上(くもがみ)
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星の流れを止める対策は
バランス調整 と 支持部の強化 にあるとの結論に至りました。
( 前回記事

対策の実施
■NFD300mmF2.8レンズ
購入したNFD300mmF2.8レンズ(中古)はカメラ三脚用台座が本体と一体になっています。
ただこの台座のカメラネジ穴(W1/4)を使って直接赤道儀に搭載する方法は思いつきませんでした。
仮に搭載できたとしても、あきらかに”頭でっかち”で重心位置がずっと前になりアンバランスこの上ない!

そこで鉄板を加工し、手持ちのアリガタをバランスが取れるよう前にずらしてボルトで固定していました。
つまり300mmレンズのバランスは、カメラを接続した状態で始めから意識してとっていました。
問題はレンズ台座と鉄板の接触面が小さくてネジ一本による接合に不安があった事。
そこでゆるみ止めも兼ねて、間に薄いコルク板をはさんで締め付けていました。(写真には、コルク板をはがしたあとだけが残っています。)
スプリングワッシャーがわりの軽い気持ちだったのですが、考えてみればここが”タワミ”の温床になっていたと考え、全て剥がして直接鉄板にスパナで強く締め付けて固定しました。
あわせて、アリガタへの締め付けがより広い接触面で行われるように、アリガタ側面に硬いスチール板をアルミテープで貼り付けました。
■NFD400mmF2.8レンズ
NFD400mmF2.8レンズ(中古)の購入は最近(2012.7)のことだったので、購入と同時に対策を実施しました。

まずバランス調整ですが、NFD300mmに比べてもはるかに”頭デッカチ”だったため、500gのウエイト3コをレンズ後部にタイラップで縛り付けました。(その結果レンズ重量は7.2kgにもなってしまいました。)
カメラ三脚用台座が本体と一体なのはNFD300mmと同じですがこちらは台座が長く、幸運なことに幅がちょうどアリミゾに収まるサイズでした。
ただアリミゾと台座の接触面が丸みを帯び締め付けに不安があったため、台座側面にしっくりくるように変形させたガチャ玉をアルミテープで固定しました。(アルミテープは、ほんとに重宝して使っています。)
■Vixen R200SS反射鏡筒
主力の撮影鏡筒であり、重量・大きさとも一番ということは”タワミ”も一番発生しやすい事になります。
いくら筒が長めでも、弓なりにタワむなどとは考えられないので、鏡筒支持部にポイントをあてるべきです。

実は前から気がついていたのですが、R200SSの鏡筒バンドにつながるアリガタ金物の締め付け部分はテーパーになってへこんでおり、そこにアリミゾの繰り出し部分がおさまって圧着すべきなのですが・・・
実際にはテーパー上部のヘコミ部分が狭いため、繰り出し部分が入り込めずに一部が接触した状態で押さえつけていたのです。(左右2つの接触点で締め付けていたようなもの。)
これでもガタつく事はなかったのでそのまま使っていたのですが、荷重がかかれば押さえきれずにわずかずつズレていく事が容易に想像できました。
そこでまずテーパ部分の溝の幅をヤスリで広げ、アリミゾの繰り出し部分が入り込めるようにしました。
ところが今度は接触する面の傾斜角度が合わず、”線”でしか圧着されない事がわかりました。(2点から、線へ)
更に傾斜角を合わせるため、アリガタへこみ部分のヤスリがけをおこないました。(線から、面へ)
これで2つの点で押さえていたものが、面での圧着に変わった事により圧倒的に支持強度は向上したはずです。
バランス対策としては、
(1)カメラを接続する接眼部が常にプレート側にくるよう鏡筒バンドで固定した。
・・・・(鏡筒の側面にカメラを接続する事は、鏡筒の向きによりバランスがくずれる要因と考えた)
(2)カメラを接続した状態で、バランスの取れるバンド位置を鏡筒にマーキングした。
以上が、レンズおよび反射鏡筒側での実施した対策ですが、他にもそれまで軽視していたことがありました!
それは、トータルとしての(総合的な)バランスの追求。
わたしはプレート上に、軽いガイド鏡と重い反射鏡筒を平行に載せている以上、バランスをとるべき努力はすべきだが、鏡筒の向きによってはバランスを再調整せざるを得ないと考えていました。(たとえば、南に低い天体撮影時とかには)

(軽いガイド鏡側にウエイトを取り付けるなどは前からやっていました。)
それでも、大きく向きがかわるとバランスがとれなくなりました。

(そのときはプレートのスライドレールの位置を変更して補正していました。プレートはスターベースの「ジュラプレートS」、ガイド鏡支持部は30年以上前のミザールガイドマウント。)
この考えを改め、「バランスは調整によってもっと追求することができる!」
という気持ちにさせてくれたのが、昨年2012 2月号の『星ナビ』のシリーズ記事でした。
「すごい天体写真が撮りたい! 望遠鏡による直焦点写真(3) 赤道儀の組み立てとバランス」
さっそく、この記事にそってバランス調整をやってみました。
まずは、これまでおろそかにしていた「赤緯バランス」から

写真では、ガイド鏡・反射鏡の両方が載っていますが、
(1).まずはガイド鏡単独で、前後のバランス位置を調整します。

(2).次に、反射(撮影)鏡筒を載せて前後のバランスを調整します。(ここで調整済みのガイド鏡をいじってはいけません)


(3).今度は 左右方向のバランスをとります。
わたしの場合、プレートに取り付けたウエイトを含めてバランスの取れる位置を探し、スライドレールを固定します。
〔撮影機材によってこの位置は大きく変化するので、プレートにマーキングしてあります。)
最後は、おなじみの
(4).バランスウエイトによる「赤経バランス」調整です。

これだけは、だれでもやっていることだと思いますがカメラの接続など、実際の撮影時の構成で実施する事が大事です。
順を追ってこのバランス調整をやった結果、
『どこに向けてもフリーストップできる』状態にまで改善されました。
次回は、対策実施後の撮影画像のガイド結果 について検証します。

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ここのところ、連日の日々更新が続いていたのですが、
風邪をひいてしまい、昨日は更新をお休みしました。
歳をとると無理はよくないので・・・
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