雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

それでも星は流れる(オートガイド対策結果の検証1/2)

2013年02月17日 | それでも星は流れる
前回   で、
オートガイド(PHDガイディング)においても”星が流れる” 現象の対策として、
 バランス調整 と 支持部の強化 を実施しました。

今回は、対策実施後の実際に撮影した画像により、”星の流れ”がどうなったかを検証してみます。

NFD300mmF2.8レンズ
(対策実施  )
 2011/11/26 撮影 「北アメリカ星雲&ペリカン星雲」 (Dec +45°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra39.4pixel/H  (1時間当たり 39.4画素進み) 
  △Dec-7.9pixel/H  (星像 S ⇒ N)

(対策実施  )
 2012/10/08 撮影 「ガーネットスターとIC1396 (ケフェウス座)」 (Dec +57°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra17.9pixel/H  (1時間当たり 17.9画素進み) 
  △Dec0.8pixel/H  (星像 S ⇒ N)

 2012/10/16 撮影 「網状星雲 (全景) (はくちょう座)」 (Dec +31°)
  NFD300mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra33.7pixel/H  (1時間当たり 33.7画素進み) 
  △Dec-0.6pixel/H  (星像 S ⇒ N)

[ 検証結果 ]
 あまり改善されてないじゃん!
 (1). 10/ 8の△Raは半分以下の数値となっているが、赤緯(Dec)が高い事を考慮すると大幅に改善されたとは言えない。
   また、改善前と同様に、時間と共に△Raの増分が大きく(傾斜が急に)なっていくのが気になる。
   この原因について考えてみた。
   
   「300mmレンズ前面に装着した「露吸収フード」が、湿気を吸う事により次第に重くなる。
   のではないだろうか?
   『露吸収フード』の素材は紙なのだが、湿気吸収用に数百枚のヒダを組み込んであるため0.4kgの重量がある。
   湿気吸収により重量がどれだけ増えるか不明だが、先端部の重量増加は支持部分への大きな荷重増となる。  
   
 (2). これに対して10/16の△Raの変化はほぼ直線である。(湿度が低かった?)
   その数値も赤緯(Dec)が低い割りには若干改善されている。

  NFD300mmレンズについては、「露吸収フード」を含めたバランス位置を再チェックする必要がある。
   (次に撮影する機会がありましたら再度検証し、報告いたします。)

NFD400mmF2.8レンズ
 *最近購入したレンズですので、(対策実施  ) の画像はありません。
 (対策実施  )
 2012/07/24 撮影 「M13球状星団 周辺 (ヘルクレス座)」 (Dec +36°)
  NFD400mm EM-200USD赤道儀 kissDX GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra14.5pixel/H  (1時間当たり 14.5画素進み)
  △Dec-1.0pixel/H  (星像 N ⇒ S)

 2013/02/09 撮影 「クリスマスツリー星団周辺 (いっかくじゅう座)」 (Dec +10°)
  NFD400mm EM-200USD赤道儀 Cooled60D GS-60Sガイドスコープ PHD ガイディング
  
  △Ra28.2pixel/H  (1時間当たり 28.2画素進み) *USBリンク断前まで
・・・・・・( kissDX換算で△Ra=-21.2pixel/H )
  △Dec0.8pixel/H  (星像 S ⇒ N)

 [ 検証結果 ]
  ほぼ満足すべき数値
 (1). M13の方は5分露光なら星がほぼ真円に見えるレベル。
   より高画素の60Dでも十分満足できる。
 (2). つい先日撮影したクリスマスツリー星団の方は、後半で零下6度まで冷え込んだせいか、ガイドカメラとのUSBリンクがときどき切れるトラブルが発生した。
   このため、△RaはUSBリンク断発生前までの数値で算出した。
   kissDX換算で△Ra=-21.2pixel/Hという数値は赤緯(Dec)が赤道に近い事を考えると、実用上満足できる数値。
   むろんNFD300mmレンズの改善前との比較では、焦点距離が長いにもかかわらず格段に良い。

  メインのR200SS反射鏡筒の検証結果については、次回に


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昨日はロシアでの隕石落下のインパクトにもめげず、
小惑星通過のブログ記事であふれていました。
わたしも参加したかったのですが、
隕石落下に会う確率ほど低いのが雪国の冬の晴れ間なので・・・

それでも前回記事がブログランキング1位まで上がり、
そのときの2位~10位がすべて小惑星がらみの記事でしたので
少し気がはれました。
(ご覧いただき、ありがとうございました。)

雲上くもがみ

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