立ち寄った区立図書館の新刊コーナーから三冊借りてきた。
その一冊は、『座右の山本夏彦』嶋中 労著 中公新書
山本夏彦は、結構好きでこれまでも読んできた。
夏彦の言葉を、毒言ととるか、虚言ととるか、妄言ととるか、真言ととるか・・・読み手の自由ではあるが、私は、真実に迫っていると感じるので、何冊か読んできた。
次のような文章に私は、震える。
まねてまねてまねをせよ。
「もし現代の若者が、写しというものを容易だと思うなら、そしてしりぞけるな現代の教育に毒されているのである。写しは難しいものである。模して手本に及ぶ人は稀である。たいていは及ばないで終わることはすでに言った。千人に一人が及んで凌ぐようになる。創作が生じるのである。創作は奨励しても生じない。むしろ禁じたほうが生じると古人はみたのである。」
私も、40代の頃、ボッティチェリやフェルメールの模写をしたことがあるが、難題であった。
「まねる」ことを軽く見ている現代の教育には、私も反発を覚えてきたものである。