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里村専精師「浄土真宗にようこそ」No76

2017年07月28日 23時17分31秒 | 里村専精師の言葉

里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No76をお届けします。

「夜は深い、それは昼が考えたより深い」と、ニーチェが書いています。
いろんなことが言われていますが、幾つかのバリエーションを揚げてみましょう。
「人間は深い、それはシャバが考えたより深い」
「生命は深い、それは理性が考えたより深い」
「誰だって深い、それはその人が考えたより深い」
と、置換してみるといろんな問題が浮かび上がります。
ニーチェ(1844~2000)は哲学することでその生存を勝ち取りました。
そのニーチェが亡くなって、二十世紀が始まりました。
言わば「昼が」夜の深さを無視して、勝手に世界を支配しました。
二十世紀は、血塗られた戦争の時代でした。
どんなにか生命が押しつぶされたことでしょうか、全く計り知れないものでした。
「一将功なりて万骨枯る」という言葉がありますが、惨憺たるものが今に続いています。
人間の存在は、夜の闇に隠されてはいても、誰もが抱いている宝石なのです。
世にあるものは、平等にその存在を求め続けています。
宗教とは、闇の世に「光あれ」と求める人々の深い世界です。
世親菩薩の学業も、四世紀以来人間存在の確立を確実なものにしています。
ニーチェが先駆して危惧した二十世紀の混乱を、私たちは二十一世紀に持ち越しています。
政治が日の当たる昼だというなら、一日いちにちを生きる庶民は夜の深さにあります。
圧倒的な多数を誇る庶民の切なる願いを、大きく掲げて行きたいものです。
{三位一体」などと言う言葉を、政治家たちが使っています。
殆ど宗教理解を感じられないこの言葉に、庶民は悲しくうなだれるばかりです。
一人ひとりの存在が内在している、深い人間の願いを昼は知らないとでも言うのでしょうか。

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