10連休最初の日は出かけたいところがあったのだが、思わぬことに体調不良でダウンしてしまった。寒い日こそ「狙い目」だなんてエラそうなこと言って「クリムト展」に行ったのは間違いだったかもしれない。まあなんとか一日で回復したから良かったけど。さて毎月一回書いている「日本の山」シリーズ。実は富士山には登ってないので、自分が立った一番高いところは、日本第2位の南アルプス(赤石山脈)の最高峰、北岳になる。標高3193m。普通すぎる名前で、多くの人が知らない№2である。
(北岳への道)
その北岳から標高3位の間ノ岳(3190m)を経て標高16位の塩見岳(3,046.9m)と3千メートル級を連覇する大縦走をしたのは、もう30年も前のことになる。きちんとした登山トレーニングをしたこともない夏山登山だけのシロウトが、こんな無謀な計画をしてよかったんだろうか。まあ登山というのは、時間さえ掛ければ元気なら乗り切れるもんだ。でもずっと3千メートルというのは、相当きつい。かなりバテた記憶があるが、なんとかケガもせず帰ってこられたのは、やはり若かったということだろう。
今思い出しても元気だったなあと思うのは、初日に夜叉神峠(やしゃじんとうげ)に登ってることだ。北岳に登るには、前日に広河原に泊まるのが普通だ。そこまで南アルプス林道が通ってバスがある。(一般車は入れない。)このスーパー林道は作るときに反対運動があって、僕も反対だった。しかし出来てしまってバスがあれば、まあ使うことになる。その途中に夜叉神峠登山口のバス停(1360m)があり、そこで降りて重い荷物を背負って夜叉神峠(1760m)を目指した。天候が悪い日だったのに、なんで登ったんだろう。晴れてれば絶景で有名な峠だが、何も見えずに引き返した。
(晴れたときの夜叉神峠からの南アルプス)
その日は広河原ロッジ(1530m)に泊まって、翌朝早く出発。ひたすら雪渓を登ってゆく。3時間ぐらいかかって白根御池小屋(2236m)につく。コースを完全に覚えてないんだけど、そこから北岳肩ノ小屋へ向かわず、迂回して北岳山荘を目指したような気がする。ここまで非常にきつかったけれど、素晴らしいお花畑が随所にある。そしてキタダケソウが満開。北岳には固有種が多いが、特に可憐なキタダケソウは有名だ。別にそんなに珍しいわけではなく、あちこちに咲いてたと思う。それよりすごいのは、ハイマツの中にライチョウを見たことだ。人生でただ一度。
(キタダケソウと北岳のライチョウ)
もうその日は泊まって、翌朝荷物を置いて北岳に登頂。絶景だった。北岳山荘は北岳の先にあるので、荷物を置いて逆戻りしたわけだ。戻って、長い尾根を歩いて間ノ岳(あいのだけ)へ。ここは奥穂高と並んで標高日本3位の山なんだけど、ダラダラ歩いているうちに着いてしまった感じだった。北岳、農鳥岳(3026m)と並んで白根三山といわれるが、行かない農鳥岳がやたらに見事に見えた。間ノ岳から三峰岳を越えて、ひたすら下って熊ノ平小屋(2695m)で泊まる。かなりバテてたけど、この小屋でなんと自家製のバナナケーキを売ってた。美味しかったことを書いてて思い出した。
(間ノ岳)
熊ノ平小屋は南アルプスのど真ん中で、どっちへ向かうにも大変な場所にある。だからだろうが、朝食もすごく早くて、皆早立ちする。確か4時頃から朝食が出た気がする。日本アルプスは夏山なら小屋で食事が出ることが多いので便利だ。そしてひたすら歩き通して、塩見岳を登頂。その間に安倍荒倉岳、北荒川岳、北俣岳などのピークが地図を見るとあるけれど、全然記憶がない。それを言えば、塩見岳もあまり覚えてないが、美しい山容は印象に残ってる。その日は塩見小屋(2766m)に泊まった。
(塩見岳)
次の日は三伏峠(さんぷくとうげ、2607m)をひたすら下った。俗に日本三大峠といって、鉢ノ木峠(北アルプス)、雁坂峠(奥秩父)、三伏峠を指すという。日本で一番標高の高い峠だが、そこまでも長くそこからも長い。ここを逆から登るのは勘弁だなあと思いながら、ひたすら下ったことしか記憶がない。登山口からバスで駅に出て帰ったに決まってるが、その間の記憶も残ってない。山中三泊だから、それ以前にはない長い山行だった。若かったんだなあと改めて思う次第。

その北岳から標高3位の間ノ岳(3190m)を経て標高16位の塩見岳(3,046.9m)と3千メートル級を連覇する大縦走をしたのは、もう30年も前のことになる。きちんとした登山トレーニングをしたこともない夏山登山だけのシロウトが、こんな無謀な計画をしてよかったんだろうか。まあ登山というのは、時間さえ掛ければ元気なら乗り切れるもんだ。でもずっと3千メートルというのは、相当きつい。かなりバテた記憶があるが、なんとかケガもせず帰ってこられたのは、やはり若かったということだろう。
今思い出しても元気だったなあと思うのは、初日に夜叉神峠(やしゃじんとうげ)に登ってることだ。北岳に登るには、前日に広河原に泊まるのが普通だ。そこまで南アルプス林道が通ってバスがある。(一般車は入れない。)このスーパー林道は作るときに反対運動があって、僕も反対だった。しかし出来てしまってバスがあれば、まあ使うことになる。その途中に夜叉神峠登山口のバス停(1360m)があり、そこで降りて重い荷物を背負って夜叉神峠(1760m)を目指した。天候が悪い日だったのに、なんで登ったんだろう。晴れてれば絶景で有名な峠だが、何も見えずに引き返した。

その日は広河原ロッジ(1530m)に泊まって、翌朝早く出発。ひたすら雪渓を登ってゆく。3時間ぐらいかかって白根御池小屋(2236m)につく。コースを完全に覚えてないんだけど、そこから北岳肩ノ小屋へ向かわず、迂回して北岳山荘を目指したような気がする。ここまで非常にきつかったけれど、素晴らしいお花畑が随所にある。そしてキタダケソウが満開。北岳には固有種が多いが、特に可憐なキタダケソウは有名だ。別にそんなに珍しいわけではなく、あちこちに咲いてたと思う。それよりすごいのは、ハイマツの中にライチョウを見たことだ。人生でただ一度。


もうその日は泊まって、翌朝荷物を置いて北岳に登頂。絶景だった。北岳山荘は北岳の先にあるので、荷物を置いて逆戻りしたわけだ。戻って、長い尾根を歩いて間ノ岳(あいのだけ)へ。ここは奥穂高と並んで標高日本3位の山なんだけど、ダラダラ歩いているうちに着いてしまった感じだった。北岳、農鳥岳(3026m)と並んで白根三山といわれるが、行かない農鳥岳がやたらに見事に見えた。間ノ岳から三峰岳を越えて、ひたすら下って熊ノ平小屋(2695m)で泊まる。かなりバテてたけど、この小屋でなんと自家製のバナナケーキを売ってた。美味しかったことを書いてて思い出した。

熊ノ平小屋は南アルプスのど真ん中で、どっちへ向かうにも大変な場所にある。だからだろうが、朝食もすごく早くて、皆早立ちする。確か4時頃から朝食が出た気がする。日本アルプスは夏山なら小屋で食事が出ることが多いので便利だ。そしてひたすら歩き通して、塩見岳を登頂。その間に安倍荒倉岳、北荒川岳、北俣岳などのピークが地図を見るとあるけれど、全然記憶がない。それを言えば、塩見岳もあまり覚えてないが、美しい山容は印象に残ってる。その日は塩見小屋(2766m)に泊まった。

次の日は三伏峠(さんぷくとうげ、2607m)をひたすら下った。俗に日本三大峠といって、鉢ノ木峠(北アルプス)、雁坂峠(奥秩父)、三伏峠を指すという。日本で一番標高の高い峠だが、そこまでも長くそこからも長い。ここを逆から登るのは勘弁だなあと思いながら、ひたすら下ったことしか記憶がない。登山口からバスで駅に出て帰ったに決まってるが、その間の記憶も残ってない。山中三泊だから、それ以前にはない長い山行だった。若かったんだなあと改めて思う次第。