地球温暖化防止の観点から原子力発電所を増設せよという議論がある。そういうことを含めて、地球温暖化の議論をちょっと違った観点から考えてみたいと思う。幾つかあるので順番に。まず「ヒートアイランド現象」(urban heat island)を取り上げる。最近は地球温暖化(Global warming)を防ぐこと=温室効果ガスとしての二酸化炭素排出を抑えるという論点ばかりに焦点が当たっている。だから、日本で集中豪雨が起こっても、カリフォルニアで山火事が起こっても、「最近は異常気象が多い」「それは地球が温暖化しているからだ」と皆が言い合っている。それはどうなのという話から。
何事にも「マクロ」な観点もあれば、「ミクロ」な観点もある。議論するには両方の観点が欠かせない。マクロ的に地球の気候が温暖化していたとしても、すべての地点で「異常気象」が起きるわけではない。むしろ我々が日常で感じる気象の異常は、都市化に伴う異様な「ヒートアイランド現象」によることが多いのではないか。マクロ規模の温暖化によって、巨大台風が増えるということは起こりうる。しかし、ミクロ規模で今までと違った集中豪雨が起きたりするのは、アンバランスな乱開発によって水循環が崩れたことが大きいのではないだろうか。
(ヒートアイランド現象)
ヒートアイランド(熱の島)というのは、都市部の気温がその周辺の農村部の気温と比べて高温になる現象のことである。都市部にはビルが建ち並び夏の冷房(外部への排熱)、冬の暖房によって気温が上昇する。都市部では夏の気温が猛暑になって、熱中症による死者まで出る。これは地球温暖化によるマクロ的な現象というよりも、ヒートアイランド現象によるものというべきだろう。仮に二酸化炭素排出量を抑えられたとしても、都市のあり方が変わらなければ夏の猛暑は変わらない。
(大阪周辺の気温の変化)
では、どうすればいいのだろうか。今の社会は自動車運輸に依存しているから、今さら道路網をなくすわけにはいかない。都市がコンクリートに覆われて、水が地下に浸透せず一気に下水を通って海に流れ込むのも、急に変えるわけにもいかないだろう。しかし、特に夏季の都市と郊外地域の発生熱量のアンバランスをそのままにすることは出来ない。それが多くの災害につながっていることは間違いないと思う。都市のあり方を今のコロナ禍を通り越した後で再考する必要があるだろう。テレワークを今後も進めることは大切になる。それだけでなく、夏に都市の社会機能を大幅に減らすことも考えるべきだろう。
(都会と田舎の熱の違い)
「エネルギー保存の法則」があるんだから、夏に冷房を一斉に使用すれば、ビルや家庭内を冷やした分だけ都市が熱くなるのは当然である。だから都市のあり方、社会のあり方を全面的に考えていく必要がある。20世紀のうちはそういう議論がされていたと思うが、最近になったら「化石燃料をどうするか」に議論が集中している感じがする。それももちろん重要だが、ミクロ的な気候変動にはむしろヒートアイランド現象があるという観点も大事じゃないかと思っている。
何事にも「マクロ」な観点もあれば、「ミクロ」な観点もある。議論するには両方の観点が欠かせない。マクロ的に地球の気候が温暖化していたとしても、すべての地点で「異常気象」が起きるわけではない。むしろ我々が日常で感じる気象の異常は、都市化に伴う異様な「ヒートアイランド現象」によることが多いのではないか。マクロ規模の温暖化によって、巨大台風が増えるということは起こりうる。しかし、ミクロ規模で今までと違った集中豪雨が起きたりするのは、アンバランスな乱開発によって水循環が崩れたことが大きいのではないだろうか。
(ヒートアイランド現象)
ヒートアイランド(熱の島)というのは、都市部の気温がその周辺の農村部の気温と比べて高温になる現象のことである。都市部にはビルが建ち並び夏の冷房(外部への排熱)、冬の暖房によって気温が上昇する。都市部では夏の気温が猛暑になって、熱中症による死者まで出る。これは地球温暖化によるマクロ的な現象というよりも、ヒートアイランド現象によるものというべきだろう。仮に二酸化炭素排出量を抑えられたとしても、都市のあり方が変わらなければ夏の猛暑は変わらない。
(大阪周辺の気温の変化)
では、どうすればいいのだろうか。今の社会は自動車運輸に依存しているから、今さら道路網をなくすわけにはいかない。都市がコンクリートに覆われて、水が地下に浸透せず一気に下水を通って海に流れ込むのも、急に変えるわけにもいかないだろう。しかし、特に夏季の都市と郊外地域の発生熱量のアンバランスをそのままにすることは出来ない。それが多くの災害につながっていることは間違いないと思う。都市のあり方を今のコロナ禍を通り越した後で再考する必要があるだろう。テレワークを今後も進めることは大切になる。それだけでなく、夏に都市の社会機能を大幅に減らすことも考えるべきだろう。
(都会と田舎の熱の違い)
「エネルギー保存の法則」があるんだから、夏に冷房を一斉に使用すれば、ビルや家庭内を冷やした分だけ都市が熱くなるのは当然である。だから都市のあり方、社会のあり方を全面的に考えていく必要がある。20世紀のうちはそういう議論がされていたと思うが、最近になったら「化石燃料をどうするか」に議論が集中している感じがする。それももちろん重要だが、ミクロ的な気候変動にはむしろヒートアイランド現象があるという観点も大事じゃないかと思っている。