奥田英朗の「我が家の問題」読んだ。
題名から想像できるように家庭内で起きる様々な問題を描いた奥田ワールド作品。「甘い生活」から始まり「妻とマラソン」までの6つの短編集。
20代後半から40代半ばまでの夫婦が主人公となるストーリーがほとんどを占め、新婚夫婦から中高校生の子供のいる家族まで6つの家族のショートストーリー。
またまた奥田作品読みました。
後のストーリーに行くほど面白くなるという印象がある。「里帰り」と「妻とマラソン」が自分の生活と接点があることもあり、インパクト大でお薦め。
「里帰り」は旦那の実家のある札幌と奥さんの実家のある名古屋をお盆休みに行き来するストーリー。双方の実家の訪問の気苦労は世の常?名古屋の親戚付き合いの慣習は三重に似てる。東海地方は冠婚葬祭事にはうるさく、お金も使う土地柄。
「妻とマラソン」は売れっ子作家の妻がマラソンにハマるストーリー。奥田先生の経験に基付いたストーリー?マラソンはロマンだ!ドラマだ!感動だ!
「絵里のエイプリル」は両親が離婚の渦中で・・・。高校生の娘は父親と1年間まともに会話したことないって、ちょっと深刻じゃないか。2人の姪っ子とは友達や学校生活、将来の夢などよく喋るけど、実際の親子となるとそうもいかないのかなあ。
世間一般にどこの家庭も大なり小なりの問題はかかえていると思うけど、この作品はあまり深刻なトラブルは出てこないので、こんな家族もあるんかと気楽に読める。どのストーリーも結末はちょっとホンワカ気分。