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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

オランダ絵本作家展@大丸ミュージアム・東京

2007-02-16 16:03:58 | 好きなもの・美術館や展覧会

 たしか2月20日までだったと思うので、早く紹介しないと終わってしまいますよね。

 オランダ絵本作家展


 私は、娘と一緒に、先週の土曜日(2月10日)に行ったのでした。

 大丸ミュージアムといえば、昨年4月の『絵本作家ワンダーランド』展。(過去記事は
その時ものすごく混んでいたので、今回も覚悟の上で土曜日に行ったのですが、
とてもとても落ち着いた雰囲気でした。

 ポスター大のミッフィ-ちゃんが出迎えてくれましたが、どれもリトグラフか印刷だったので、
すこしがっかり。でも、色の美しさ、組み合わせの妙はさすが大御所、十分楽しめました。

 続いてのコーナーは、現代オランダの絵本界を代表する10人の若手と銘打ってあり‥。
私にとってはほとんど「お初」のお名前と絵ばかりでした。
 何点も、何点も原画を見ていくうちに印象に残ったのは、水彩絵の具の淡い感じと、
それを縁取る黒いインク。きれいな絵画は、レンブラント以来の、オランダの伝統かなあと思ってみたり。
 墨絵のような黒を使っている作家さんがいると、ゴッホが日本の浮世絵に影響された、
そのまた影響が出ているのかなあと思ってみたり。


 
 そんななか、とても気になったのはこの本です。きれいな水彩画にも惹かれますが、私はコラージュしてあったり、
あえて余白(何も塗らない部分)を作ってあったりする、こういう絵が好きみたいです。

とくべつないちにち
     『とくべつな いちにち』
    イヴォンヌ・ヤハテンブルグ

 読書コーナーで、じっくり読んできましたが、お話もなかなかでした。ちょっと深いです。
はじめて行った学校での違和感を、「不完全な画面」が代弁しているようでした。


 

 さてさて。

 いつになったら今日のお目当ての本が出てくるのかなあと、すこしじれてきた頃。
やっと『レナレナ』のハリエット・ヴァン・レークさん登場です。

   

 この本は絶版だし、画像もないので、図書館で借りているものを写真に撮りました。
 フラニーさんのところで、『レナレナ』の存在を知ったのですが‥ほんとに図書館にあってよかったと思います。
読んでから原画を見るのと、まったく読まずに原画だけ見たのとでは(まあどの絵本もそうだとは思いますが)、
20倍くらい楽しさが違ってくると思うので。
 
 左側の絵(前半16分割、後半8分割でコマ送りみたいに描かれています。色鉛筆使ってました)だけでも
興味深いけれど、右側のお話を読むと、さらにさらにおもしろく‥なんだこりゃと笑いながら、胸の奥のほうで
古い気持ちが疼いたりもするのです。うまく言えないし、うまく思い出せないけど。


 好きなページの中から好きな箇所をすこしだけ。

 レナレナは、赤い木の笛で、みじかい曲をふく。その曲は、おてあらいのなかできくと、
 外とはちょっとちがってきこえる。

        ‥   ‥   ‥   ‥  ‥

 レナレナはテーブルの上のゆでタマゴをみつける。タマゴをむく。レナレナは、まだタマゴをたべない。
 タマゴというのは、なにかとくべつなものだから。タマゴは、白くてすべすべで、きちんとしている。

        ‥   ‥   ‥   ‥  ‥

 雪がふる。丘はまっしろだ。レナレナは、ウサギのあなのよこに5セント玉をおく。
それでウサギが、おいしいやきたてのウサギクッキーが買えるように。








 

コメント (4)
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