my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展@国立西洋美術館

2020-09-27 19:27:10 | 好きなもの・美術館や展覧会

先週のシルバーウィーク中の月曜日、ずっと前からチケットだけ
持っていた「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」を、(新たに)
時間指定チケットを取って、観てきました。

前売り券が発売されたときは、まだ「新型コロナ」は中国だけの
問題だった頃で、(とってもお得な)期間限定ペアチケットを買ったので、
始まったらすぐに観にいかなければ、と思っていました。
それがあれよあれよと言う間に、全世界的な問題に(コロナウィルスは)
発展していき、展覧会は中止になるのでは?と暗い気持ちでいましたが、
会期は延期され、期間限定チケットも会期中は有効とのことで、スマホに
入ったチケットがあるということが(ちょっと大袈裟だけど)遠くの
灯のような心持ちでした。


本物の建物はこんなに立派なのですねー。


 このパネルの前で、写真取ることができます。


 入場後、展示室へ入る前に、こんな撮影場所も‥。
(娘に無許可で載せているので小さくしておきます)


肝心の展覧会はといいますと、全部で7つ分けて構成されていました。

イタリア・ルネサンス絵画の収集
オランダ絵画の黄金時代
ヴァン・ダイクとイギリス肖像画
グランド・ツアー
スペイン絵画の発見
風景画とピクチャレスク
イギリスにおけるフランス近代美術受容

オランダ絵画のところでは、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る
若い女性」という作品もありました。

私が面白いなあと思ったのは、4つ目の「グランド・ツアー」で、
「グランド・ツアー」というのは、1700年代頃、お金持ちの子息の間では
ヴェネツィアなどへ旅行した際に、絵を描いてもらい持ち帰るというのが
流行っていたそうで‥写真の代わりというか、凱旋記念品みたいなもの
ですね、きっと。
他にも当時のヨーロッパの流行りが、絵画の中に反映されているのが
興味深かったです。(結構な昔から画面に犬が登場しているなあとか)


一緒に行った、うちの店長も書いている通り、私にとっても印象派の
作品がやはり馴染むのですが、ヨーロッパの絵画の歴史をなぞるような
こういう展覧会もたまには面白いなあと、思いました。

いつの日か、ロンドンに旅することがあったなら、本場のはやはり大きくて
とても1日じゃ見きれないね、とか、上野で観た時はみんなマスクしてたよねー
とか、言い合いたいです。



余談ですが、この日一番「密」と思ったのは、特設売店でした。
せっかく並んで入ったんだから、という気持ちからか?マルチクロスが
(ゴッホのひまわりとゴッホのバラとモネの睡蓮)
今うちに合計3枚あります笑。


 

 

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久しぶりの梨木作品

2020-09-17 10:28:18 | 好きな本

なんで(とても)久しぶりに、梨木香歩さんの本を
読もう思い、そしてこの本にしたのかその「動機」は
またもや思い出せませんが(きっとどなたかが
面白かったと紹介していたのでしょう)。
図書館にいつの間にか(自分が)予約していて(笑)、
順番が来たので、受け取りに行き、そこではじめて
ステキな絵の表紙だなー、タイトルの『雪と珊瑚と』って、
なんだろう?名前?と思ったしだいです。



梨木さんの本が出るたびに、一応チェックというか、
そうかまた新刊が出たんだーと思ってはいましたが、
実際に手に取って読んだのは10年ぶりくらいかもしれません。
(ブログのログがほぼ10年前でした)

私の中で梨木さんの書く小説は、読み始めれば面白くて、
考えさせられるのですが、ちょっとだけ「はぐらかされそう」
みたいな気持ちもどこかにあって。それは、物語の大筋とは別に
語られているアナザーストーリーを自分が読み取れないせい
なのか‥読み手としても自分の力量不足を過去に感じたような
漠然とした不安みたいなものが、本を手にすることをためらわせて
いたのかなあと思ったりしています。

でも、この本を読み終えて、そんな過去のトラウマ?とも呼べない
ような不安は、一掃されました。素直に、とても面白かったと
言えるし、素直に、とても感動しましたから。


雪と珊瑚。
珊瑚はこの話の主人公(21歳のシングルマザー)の名前で、雪は、
珊瑚が生んだ赤ちゃんの名前でした。

物語冒頭で、珊瑚は自分の名前の由来をこんなふうにくららに話します。

「母が若い頃、私を産む前、祖母の形見の珊瑚の簪を質に入れたんだ
そうです。結局そのまま質草は流れてしまって。で、生まれた子に
つけた名前が、珊瑚」

そして、雪と名付けたわけは‥。

「この子は雪。生まれたとき、窓の外に雪が降り始めたのを見て、
名づけました。そのとき、とても嬉しくて。雪が天から降りてきて
くれたみたいで。」

母から愛された記憶がない珊瑚は、離婚後ひとりで雪を産み、
育てていこうと決心しますが、働きたくても、生後すぐの赤ちゃんを
預かってくれるところは見つからず、途方にくれて脇道に折れた
ところで偶然にも「赤ちゃん、お預かりします」の張り紙を見つけます。

おそるおそる呼び鈴を押すと中から出てきたのが、くららさん。
赤ちゃんを預かるのは「初めて」だけど、子どもは昔から好きだし、
最近子どもを預けるところが不足しているって聞いて、やってみよう
かしらって気になった、と言います。


そんな都合よく物事が運ぶなんて‥と思っているうちに、この
くららさんと知り合ったことが、間違いなくその後の珊瑚の人生の
大きな転機になっていき、色々な人の助けを借りて、惣菜カフェの
オーナーになっていくのですが。

物語をただのサクセスストーリーにも、カフェ開店までの
how toガイド的なものにもしていないのは、もちろんそれが梨木さんの
小説だからなのですが。珊瑚のことを助けてくれる人も、そうではない
人も(少なからず出てきます)、それぞれの人の背景がうまく設定
されているというか、描かれているからなのです。(特にくららさん)

もちろん、「カフェ」をフツーのカフェではなく、「惣菜」カフェに
したことには大きな意味があり、それは、くららさんのこの言葉からも
わかります。

「どんな絶望的な状況からでも、人には潜在的に復興しようと
立ち上げる力がある。その試みは、いつか、必ずなされる。でも、
それを現実的な足場から確実なものにしていくのは温かい飲み物や
食べ物ースープでもお茶でも、たとえ一杯のさ湯でも。そういう
ことも見えてきました」


くららさんが、どんな「背景」を持った人なのかは、ここで
書いてしまうとつまらないのでやめておきますが、こんなくららと
珊瑚との、一見何気なく思えるような会話にも、「アナザーストーリー」は
しこまれていて‥同情とは何なのか、「プライドの鍛え方」とは‥に
大きくココロが動いた自分がいました。

そうそう、書き忘れてならないのは、タイトルの『雪と珊瑚』の、
「と」。この一文字があるとないとでは全然物語は違ってきます。




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セカイのムラカミだって

2020-09-15 17:56:18 | 好きな本

セカイのムラカミだって、こんなふうに書いている。

僕は今でも、この今に至っても、自分が父をずっと
落胆させてきた、
その期待を裏切ってきた、という
気持ちをーあるいなその残滓のような
ものをー
抱き続けている。

 

父親との間の確執を認めたうえで、父がどのような人生を
歩んできたのかを自分なりのやり方で確かめるために書いた
短編。





私自身が、私の父親に、フツーの態度で接することが
できなかった自分を省みたときの敗北感や挫折感に似た
気持ちがすこし薄らいだ、のは本当の気持ち。

私も(いつか)書くことで、整理していかなければと思う。


 

 

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もはやこれは小旅行

2020-09-14 11:02:57 | 好きなもの・おでかけ

昨日は家族3人で、久しぶりにニッケコルトンプラザへ
行きました。ギャラリーらふとで土、日、月の三日間だけの
展示を観るために。


共鳴 クロヌマタカトシ展 

当初4月開催予定が今年の諸々の影響で9月になって
しまったそうですが、もしも4月のままだったら
観られなかった作品も新たに加わっていて‥悪い面の裏側には
何かしら良い面もあるものだなーと思ったりもしました。

いずれにしても、クロヌマさんの作品を観る機会を作って
くださって、ありがとうございました。
らふとの空間なので、決して広いものではないけれど、
作品と向かい合う時間は、得難い貴重なものでした。
(3年ぶりの開催が流れなくて、本当によかった)

作品の一部は、ここでも観ることができますね 

兆しに立つ というクロヌマさんの文章を手しごとを結ぶ庭
読んでいたので、「共鳴」という個展のタイトルとそれに
寄せられたクロヌマさんの↓の文章が響きます。


僕の身体は水と音で出来ている
原子は振動し熱となって脈動し
身体中に水を循環させている

彫刻する木は枯渇し微動だにせず
新たな時間を待っている
雨と風の記憶を内側に携えて

二つの振動体の間で交わさせる音の交換は
彫刻する者とされる者の関係を反転し続けながら
やがて一つの像を結ぶ

そこに音は鳴っているだろうか
生命の水は流れているだろうか
僕はただ耳を澄ましている

takatoshi kuronuma



そうそう、こちらの表紙の白鳥、クロヌマさん作で、撮影も!


先日、図書館で予約しようかどうか迷って次回にまわしていました
わたし。その時に表紙を見ていたはずなのに、クロヌマさんの!と
気が付くことができず。(今読んでるところです、って言えたら
よかったなーー)


らふと行きのもうひとつのお楽しみは、もちろんお庭探索。

  


ふうせんかずらの奥に大事に袋をかけられているのはブドウですって。

  
こんな色のケイトウ初めて見ました。
そして、3人でらふとへ行ったの久しぶりだったので、
夫と娘の遠景も入れておきました(笑)。


そして、ちょっと驚いたのが、コルトンプラザ内に「房の駅」が
できていたこと。

ちーばちゃんのぬいぐるみの可愛さや、ピーナッツ関連商品の多さに
またも埼玉県民は敗北感を覚えつつ(笑)、買い物したあと、梨のジェラート
まで食べたりして、日曜日の「小旅行」を楽しみました。

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弱虫ペダル@MOVIX川口

2020-09-04 15:25:50 | 好きなもの・映画やDVD

8月最後の日曜日、ラッキーズに行った後に、久しぶりに
娘とふたりで地元のシネコンでこちらの映画を観てきました。



原作は読んでないし、ジャニーズのなんとか君のことも
よく知らないけど、自転車は乗るのも、レースを観るのも
好きなので。


えー?! ほんとにママチャリであんな坂登れるの??って
いう驚きも楽しく(笑)、高校3年生ってこんなに大人?とか
ひとり胸のうちで突っ込みながら(笑)。

ロケ地は千葉の銚子の方なのでしょうか。
海がすぐそばにあり、山道を登り切ったところからの眺めは
素晴らしく‥ああ、やっぱり(埼玉は)千葉には勝てない‥と
思い知りました。


いつの日か、ああいう自転車に乗って、遠くて空気のきれいな
ところに行ってみたいと思うことは叶わぬ望み、なのかな。

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