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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

2024年1月 読書の記録

2024-02-22 17:53:08 | 好きなもの・音楽や本

1月に読み終わった本は3冊でした。

 去年(こぞ)の雪

久しぶりに江國さんの本でも読もうかーと昨年のうちに
図書館で借りてあった1冊。表紙も素敵だったし、
お正月休みの間にさくさく読み進めると思いきや、意外に
時間がかかってしまった。

‥100人を超える彼らの日常は、時代も場所も生死の
境界をもとびこえてゆるやかにつながっていく‥

と、文庫本の後ろの説明にある通り、2ページくらいで
登場人物は現れては消えていき、名前を覚える間もなく、
その「物語」も消えていくので、そういう展開というか、
その仕様に頭が慣れていくのが大変だった。

が、後半くらいになると、やっと面白くなってきて、
こんなに多くの人を書き分けられ、こんなにたくさんの
場面を生み出す作者の力量を感じました。

平安時代に生きる人がたびたび出てくるのも、
今年から始まった大河ドラマとリンクしているように
勝手に思ったり。
シャボン玉や飲み残しのコーラが、別の時代を生きてる
人たちに「発見」される「しくみ」も楽しかった。

印象に残ったのは279ページ。
「一度発生した声はどこに行くのだろう。
ずっーと空中を漂っているのかな」

もちろん消えていくのだけれど、別の時代の、まったく
関係のない人の声がふとした時に「聴こえる」人が
物語の中に時折居て、それは「消えたあとの声」を
耳にしているのではーと自然に思えた。







不思議な能力(自分が念じたことを相手に
喋らせることができる)を持った主人公加藤「兄」が
どんなところに行きつくのかを知りたくて、
どんどん読み進めた。

ムードに流される大衆の中に紛れることなく
自分の力を信じて青くさく戦っている主人公「兄」に
対して、フツーの弟で、ただの語り手に過ぎないと
思っていた潤也。しかし、2篇目の【呼吸】を
読むと、実はこちらの、潤也の物語の方が面白いかも、
と思ってしまった。

読み終わって解説を読むと、加藤潤也は50年後、かなりの
資産家になって『モダンタイムス』に登場している、とあった。
じゃんけんに負けない、という能力を駆使して、大金持ちに
なっていたのだった。
そういえば、兄が主人公の【魔王】に死神の千葉が
登場していた。(読んだばかりだったので、そのくだりは
とても楽しめた)伊坂本の楽しいところ。

兄にしと弟にしろ、そんな特別な能力を持った人ばかりが
居るはずはないと思いながらも、ある種のリアルさを伴って
ストーリーは進んでいき、全部をひっくるめて読者は
小説セカイを楽しみ、虚構と現実の境目はぼやけてゆく。
どちらのセカイに居ても、試されるのは己の信じるもので
あり、勇気の量なのだ、とここでも言われている気がした。







友だちに薦められ、長らく順番待ちをして
やっと読むことができた本。(本屋大賞受賞作だと
全然知らなった)

読み始めは、なんで今第二次世界大戦時の独ソ戦の
話を(しかもこんなに厚い本を)読もうとしている
のだろう?と思っていた。が、当時のソビエト連邦のこと、
狙撃兵のこと、戦争の状況などなど知らないことばかりで
気が付くと、のめり込んでいたし、現在の世界情勢や
戦争紛争地域のことと重なり合わせて思っている自分が
いた。(薦めてくれた友は、今こそ読んでおくべき本
という言い方をしていた)

表紙に描かれている少女セラフィマが家族も村もすべて
失い、女性兵士イリーナに狙撃兵として「スカウト」される
ところから話は始まり、戦場での熾烈な戦いや友情や、
終戦後の彼女たちの人生まで描かれるとても読み応えの
ある物語でした。

同志少女よ、敵を撃て
彼女たちの「敵」は、戦場で戦っているナチスドイツ軍
ではないの?そうではない敵は、どこにいるのだろう。
終盤に近付くにつれ、タイトルが示しているのはどんな
ことだろうと気になり‥ああその人がセラフィマの
「敵」になってしまったのか、と驚かされた。


::    ::    ::    


この本を読んでいた時に、『バビロン』も観たので、
まるで描かれている世界が違うのに、なぜか自分の中で
印象が重なっているところがあって。
個人の意思などまるで通じない、大きなもの(その時代)に
望むと望まないとにかかわらず「巻かれていく」主人公たち。
彼らのひたむきに生きる(生きた)姿勢が、どこかで繋がって
いるように感じたからかもしれない。










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2024年1月に観た映画

2024-02-20 18:15:34 | 好きなもの・映画やDVD

時間があいてしまうと、正直 書くのが
めんどうになってしまいますが、ちょっと先の
自分のための覚書なので、今年も続けていこうかと‥。



 @WOWOW

11月に2度続けて読んで、たしか返却した後に、
映画があることを知り、うまい具合にWOWOWで
観ることができた。

主演は金城武。私はあまりよく知らない俳優だが、
どこかに、当初映画化には乗り気でなかった伊坂氏が
金城さんが主役なら、とOKしたとかー。
(私の「死神」のイメージはなんとなく、山田孝之
だったが、金城武もなかなかよかった。)

映画は、6つの短編のうちの下記3つをうまく
組み合わせたオリジナル脚本。原作には出てこない
黒い犬の使い方とか面白かった。
それと、富士純子さんはよかった、美しかった。

「死神の精度」
「死神と藤田」
「死神対老女」

内容とは関係ないけど‥悲惨な事故に遭った方のニュースを
みると、本当にその人たちの前後には死神が居たのでは、と
つい思ってしまう。それくらい理不尽に奪われる命‥。
伊坂氏もそんなやりきれない気持ちを、作品に昇華させた
のでは、と思ってみたり。





 @MOVIX川口

リトグリが主題歌「紅」を歌っていることで知り、
コミック原作の雰囲気を損なわず作られていた、とか
想像以上におもしろかった、というレビューを読んで
それなら観てみよう、という気持ちになって。

結論から言うと、観に行ってよかったし、素直に
面白かった。
やくざとカラオケ、中学生合唱部、という組み合わせの
新鮮さに加え、そうそう中学生ってこういう感じだったな
と、高校生とも違う思春期の一面をとても上手く表して
いると思った。(映画オリジナルの、ただ古い映画を観る
だけの同好会がとても効いていた)
そして、「紅」冒頭の英語の歌詞を、関西弁に置き換える
ところは秀逸。こんなにいい歌だったんだ、と実感しました。





 @WOWOW

ブラッド・ピット主演 2023年2月劇場公開。
オンデマンドで観られる期限ぎりぎりになって
やっと観る。(3時間越えの長さにちょっと怯んでた)

ハリウッド映画が、サイレントからトーキーに変わっていく
1920年代後半の物語。それぞれが夢や野心を持って
その大きな映画産業の流れに「巻き込まれて」いく。
何でもあり、のゴージャスで猥雑なオープニング場面で
これを最後まで観続けるのはちょっと勇気がいるかも、
と、思いかけたときに現れたディエゴ・カルバが演じる
マニー・トレスの存在は大きかった。

大きなものに巻かれたい、大きなものの中で
仕事がしたいというマニーは、その意思と持ち前の
気転の良さで、ハリウッドの中で頭角を現していく。
彼の純粋さは、この映画の中の「光」になっていて
彼の眼を通してなら、ブラッド・ピット演じる
ジャック・コンラッドの時代遅れも、マーゴット・ロビー
演じるネリーの醜態も、見ていくことができた。

トビー・マグワイアが、残り5分の2くらいのところで
少しだけ登場するが、えーこんな彼観たことない、という
狂気を帯びた役、見ごたえあったな。



映画ではないのだけれど、配信で演劇を観ました。
清原果耶さん主演の『ジャンヌ・ダルク

舞台は初だったらしいけど、まったくそうは思えなかったし、
何より、ジャンヌダルクのイメージに果耶さんはぴったりで
彼女のための書下ろしなのでは?と思ったほど。
音楽のライブとも、映画とも違う、舞台ならではの演出に
いちいち感心し、一つの空間(場所)が、城の中にも、
戦場にも、裁判や留置場にもなるんだー舞台って面白いかも、
ととても新鮮な気持ちで思いました。






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おなかのかわ にているね⁉

2024-02-19 17:44:55 | ひらきよみ(読み聞かせ)

先週の金曜日16日は、2年生のクラスでの
読み聞かせ当番でした。

昨年も同じ頃に読んだこの絵本


「知ってる?読んだことある??」の問いに
手を挙げたのはひとりかふたりだったような。
「じゃあ、おなかのかわってなんだか知ってる?
触ってみて」と言ってみると、ほとんどの2年生は
自分のおなかあたりを指したり、シャツをめくったり。
こういうなんでもない問いかけで、教室の空気が
和んだりします(笑)。

表紙絵で、しゃれた帽子をかぶっているねこですが
食いしん坊で気が短くて、友だちのおうむをぺろりと
飲み込むという乱暴者。出会った人々や動物を次々と
飲み込んでいき、さて、最後は‥と、2年生と一緒に
話を成り行きを見守るような気持ちで読みました。
(真剣に聴いてくれている様子がとてもかわいかった)


少しだけ時間があったので、家にあったこの絵本を
久しぶりに読んでみました。

以前にも3,4回読んだことがあったみたいです)

椅子が、馬と自分との共通点をひとつづづ挙げていく
うちに、最初は全然似てないよーと否定していた馬が、

‥ほんとうだ ほんとうにそうなんだね
ぼくときみは おんなじだ


と、共感しまくってしまうと、椅子はあっさりと

いや おなじじゃない
にているっていうことさ

と言い放つところがとても面白いし、奥深い絵本だな
と読むたびに思います。





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ゆきむすめ おかしなゆきふしぎなこおり

2024-02-15 16:27:30 | ひらきよみ(読み聞かせ)

先週の金曜日(2月9日)は今年はじめての
読み聞かせ当番、4年生のクラスでした。

5日月曜日に雪が降り、校庭の、陽があまりあたらない
ところにはまだ雪が残っていたので、今日の選書は
とてもタイムリーなものになったね、と仲間と話しながら
お教室へ行きました。


最初に読んのはこちら。


内田莉紗子再和 佐藤忠良絵

昨年もこの季節に教室で読んだなあと思い探してみたら
2020年だったので、びっくり。

子どものいないおじいさんとおばさんが、外で雪遊びを
している子供たちをみているうちに、自分たちも「ゆきむすめ」を
作ってみたくなるのですが‥(表紙の場面です)
出来上がりの完成度の高さに、教室の4年生から思わず声が
もれていました。

終わり方はかなしい話ですが、じっくりとよく聴いてくれました。


もう1冊はこちら。

ああこの絵本も、前に教室で読んだ読んだと思ったら。
なんと2013年!もう9年も前でした。
(いやになるくらい時間の感覚なくなってます)

雪を見たばかりのせいか、とても熱心に本を見てくれて
いた気がしました。

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SPITZイヤーだった2023

2024-02-01 16:57:31 | 好きなもの・SPITZ

振り返ってみると、2023年は、嬉しくて楽しい
スピッツ三昧の年だった気がする。
忘れないように、順を追って記しておくと‥

2月1日 ツアーの日程発表(この時は新アルバムの
タイトル決まってないので、ツアー名も正式には
決まってなかった)
2月15日 【優しいスピッツ】の劇場版公開決定
2月16日 NEWアルバム5月17日発売決定

3月7日 ツアー先行申し込み完了
(3月29日当落発表 ベルゲン先行全落ち(´;ω;`)

4月10日 新曲【美しい鰭】解禁
4月15日 【名探偵コナン黒鉄の魚影】鑑賞

5月3日 再度 【名探偵コナン黒鉄の魚影】鑑賞
5月17日 【ひみつスタジオ】発売
5月18日 【ひみつストレンジャー】到着

6月4日 【優しいスピッツ】鑑賞
6月7日 ひみスタホールツアー@大宮ソニックシティ
6月10日 【水は海に向かって流れる】鑑賞
(ときめきpart1が主題歌)

9月16日 ロックロック@大阪城ホール

11月12日 ひみスタアリーナツアー@横浜Kアリーナ
11月25日 ひみスタアリーナツアー@マリンメッセ福岡


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