my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

旅立ち

2005-06-29 17:22:48 | 好きな絵本

 絵本作家の長新太さんがお亡くなりになりました。
私が一番好きな作品は、つきよのキャベツくんです。    

          

           トンカツを たべた つきは    
          まるくなりました    
          トンカツを くちの なかに いれて、    
          しずかに のぼっていきます。    
          ブタヤマさんは    
          なきそうになりました。
           
 
 三日月が空から降りてきて、トンカツをぱくっと食べてしまい、
それで丸くなるなんて、なんともめちゃくちゃなストーリーですが、
まるくなったお月様の、やさしい顔を見ていると、
とてもしあわせな気持ちになります。

 同じく長新太さんの作品で
世界のあいさつという本があります。
 長新太さんご自身と思われるようなおじさんと猫が、世界各地をまわり、
いろんな国や地域の人にその方たちの挨拶を教えてもらうという、楽しい本です。

 本の中のおじさんは家に帰り、奥様らしき人に「ただいまかえりました」と
日本式の挨拶をしますが、本物の長新太さんは、もう旅からは戻っては来ません。

 ご冥福をお祈りします。

 

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続きの1冊

2005-06-28 14:42:21 | 好きな絵本



おやすみなさいのほん 福音館書店 
マーガレット・ワイズ・ブラウン作  ジャン・シャロー絵 
いしいももこ訳



生きているものも、生きていないものも、この本の中では
夜が来るとみんな眠くなります。
好きなところはこんなところ‥。

     

     ちいさい ほかけぶねは
     よるに なると
     ほを たたみ
     くいに つながれて
     やすみます。

     しずかなほかけぶね。


     じどうしゃや とらっくや
     ひこうきも
     おうちに はいります。
     じどうしゃの おうちは がれーじです。
     ひこうきの おうちは かくのうこです。
     どの えんじんも とまります。

     しずかな えんじん。



‥ねむたい うさぎたち。 ねむたい はちたち。 
ねむたい りすたち。と続き、最後に「ねむたい こどもたち」でおわります。

読んでいる「母」の私はここまで来ると眠くてしかたがないのに、
娘はなかなか寝てくれませんでした。

一番最後に、かみさまがでてくる場面は、
なんか神様に召されてしまった子供たちのように見えて
(いらぬ心配をかきたてられ)、いつも飛ばして、
おしまいにしてました。

 

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最初の1冊

2005-06-27 15:08:37 | 好きな絵本

 1ページ目に記すならば、数ある絵本のうち、何の絵本かなあ?と幾日も悩んだ末に、
敬愛する谷川俊太郎さん訳のこの1冊を選びました。

   

 あかいひかり みどりのひかり 童話館出版
  マーガレット・ワイズ・ブラウン作  
  レナード・ワイスガード絵  谷川俊太郎訳

 この本は、小さい子に、信号機の色が意味することー「赤は止まれ」「緑は進め」ーを
教えることが一番の目的で書かれた本なのだと思います。
でも、交通ルールを教える本というよりも、私は人生そのもの?を教えてくれているように
受け取りました。こんなところから‥。    

      あかい ひかりで とまれ    
     みどりの ひかりで すすめ     

     そして みんな    
     じぶんの みちを いく   
     トラックと くるまと じてんしゃと   
     うまの みち   
     のはらを よこぎる ジープの みち



「そして みんな じぶんの みちを いく」というそのフレーズに胸を打たれ、
お話全体の中で、その箇所に深い意味はないと知っていても、ついそこを読む時には
意識してました。当時3歳くらいだった娘にも、自分の道を見つけて、その道を、
歩いて行ってほしいなあって。 

 マーガレット・ワイズ・ブラウンの作品のすごいところは、生きているもの(子供や動物)も、
生きていないもの(車や飛行機や車庫なんか)もまったく同列に並べているところ。
そういうものたちすべてが、「おはよう」と起きるところから始まり、「おやすみ」と
それぞれの家で眠りについても、赤い光と緑の光は交互に闇を照らし続ける‥。

 本の装丁も凝っていて、表紙の見返しは赤一色。裏の見返しは明るい緑一色です。

コメント (4)
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