my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

はじめましての絵本たち in Kawaguchi 15回目(その1)

2019-11-28 16:33:55 | 好きなもの・講座やワークショップ

11月19日火曜日は、とことこペンギン隊の三蔵さんによる
「はじめましての絵本たち」でした。
昨年、今年と諸般の事情により11月の1度きりだったので、
いつもよりもさらに、当日を楽しみにしていました。
※記憶が、すでにあやふやな本もありますが、後から見返した時に
楽しいし、三蔵さんも役に立つと言ってくれたので(笑)、今回も
がんばって記録しておこうと思います。


 なぞなぞはじまるよ2


すでにがあるそうで、昨年9月発売ですが、面白かったので、
2を持ってきてくれたそうです。
いくつか出題されても、わたし頭がかちかちで笑、ちっとも答えられず、
ちょっと悔しかったです。仲間のFさんの回答率が秀でていました。





 どこどここけし


絵の中に紛れてしまった、こけしを探すだけなんですけど、
どの絵も微妙に可愛くって、けっこう好きなタイプの絵本でした。
ちょっと欲しかったな。





 へいわとせんそう


シンプルな絵と、平易でとてもわかりやすい言葉がとても
よくあっています。大切なことこそ、こういう言葉で語られるべきだと
思いました。平和万歳。





   


2冊セットで紹介してくれました。
たとえば、「どれにしようかな、かみさまのいうとおり、なのなのな」とかを、
『あそびうた』と定義するようです。そして、場所や年代によって、微妙に異なったり、
あるいは、まったく知らなかったり、で、何気に大人の方が盛り上がるような。






 おなかがすいたよジョーンズさん!


ジョーンズさんは農場主。おなかがすいたよ~とそれぞれの鳴き声で
訴える動物たちに、次々と夕ご飯を用意していきます。





 おーい、こちら灯台


灯台守の暮らしぶりが丁寧に描かれています。絵がとてもいいです。
ちょっと(本が)縦長の感じも好き。2016年に続き、二度目の
コールデコット賞受賞だそうです。すごーい。(最初の受賞作は
プーさんとであった日』)『とびきりおいしいデザート』の絵も
描いてましたね。




 ぞうのヘンリエッタさん


ぞうのヘンリエッタさんは、ひとりで静かに過ごすのが好きだけど、
「子育て」を終えたあとでは、なにやら感じ方が変わってきていることに
気づきます‥描かれているのは、「ぞうのヘンリエッタさん」だけど、
すこし先の自分?と思わされひとり胸の内で苦笑。




 カタツムリ小笠原へ


たくさんのふしぎ傑作集です。
小笠原諸島で120種類以上のカタツムリを取材したとのこと。
読み応え十二分。





 エジソン


リンドバーグ』、『アームストロング』に続く、本当にあったこと
みたいなネズミの話です。





 ドラゴンのお医者さん


ジョーンさんは、コモドドラゴンの研究と展示をした方で、
もちろん実在の人物です。「世界をみちびいた知られざる女性たち」
というシリーズのようで、もすでに発売されていました。

   

ジェーンさんはシカゴのスラム街に貧困者のための社会福祉センターのような
「ハルハウス」を作り、のちに平和主義運動で強力なリーダーシップを発揮し、
アメリカ人女性としては初のノーベル平和賞に輝いた方だそうです。

一方、グレースさんは、誰もがコンピューターを使えるように、人間のことばを
読み取るプログラムを作った方だそうです。


余談というか、今回の紹介本とは関係ないのですが、今年5月に「メリーゴーランド」で
みて、ちょっと欲しいと思いながら、その後タイトルが思い出せなくなっていた
本をみつけたので、ここに貼っておきます。

世界を変えた100人の女の子の物語

フリーダ・カーロとか、オノ・ヨーコとか、ヴァージニア・ウルフとか
クレオパトラとか、ココ・シャネルとか、アウンサンスーチーに、ミッシェル・オバマに
ヒラリー・クリントンとか、マララさんとか、新旧のすごい「女子」勢ぞろいですねー。



はじめましての絵本たち 第15回目は、(その2)に続きます。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水面を渡る風

2019-11-22 17:53:37 | 好きな本

原田マハさんが書いた、絵や美術に関する小説はおおかた読んでしまったので、
新刊が出る(出た)と知ると、わくわくしながら待って‥この本も、わくわく
しながら読みました。
   
  


今年の春に、コルビジェ展を観に行ったところだったし、その時も
常設の「松方コレクション」を観て、常設展示だけでもこれだけのものが
観られるので、それがコレクション展となり、海外からも作品が来ると
なったらどれほど素晴らしいのだろうと、思っていました。
が、結果から言うと、コレクション展には行きそびれ、その目玉であった
「アルルの寝室」も、デジタルで蘇った睡蓮・柳の反映も、観ることは
できませんでした。(後日テレビ放映でその修復の経緯や様子を観ることは
できました)

ようやく、図書館の順番が回ってきて、読み終えて、ああそういうこと
だったのか、と思い‥もう一度、場面を繋ぐようにしながら、ページを繰っていき、
2度目のラストを読み終えたところで、ようやく胸が熱くなってきました。
(最初に読み終えたときは、とにかく先に先に進みたくって、特に後半は
はらはらもしたので、早く結末が知りたくて、感動するどころではなかったの
だと思います。)



小説は、壮大な物語でした。
松方幸次郎という、松方コレクションを築きあげた人物を軸に、日本の近代史から
二つの大戦を経て、戦後の日本に至るまで、まさに教科書で学んだことの中に、
歴史に名を残した画家や、芸術家や、画廊主や、コレクターや、華族や軍人や、
パリに住む普通の人々が描きこまれ、とても興味深く読みましたし、色々なことが
わかってすっきりもしました。(国立西洋美術館になぜロダンの彫刻があんなに
あるのか、等々)



ほんものの絵を見たことがない日本の若者たちのために、ほんものの絵が
見られる美術館を創る。それがわしの夢なんだ。

松方幸次郎は、絵を買い集める手伝いをしてほしいと頼んだ美術評論家の
田代雄一にこう語ります。松方の御伴として、パリの画廊を来る日も来る日も訪ね
歩いた田代。そしてある日、松方が親しい間柄であったモネのアトリエへ出かけます。

風が水面を渡り、さざ波がきらめいてその通り道を示していた。睡蓮の花々は
やわらかに揺らめいて、いっせいに笑みをこぼしているかのようだ。その光景は
いかなる言葉にも換えられぬ美しさであった。

後年、田代はモネの描いた「睡蓮」を前にして、ふと風が蘇ってくるのを
感じる場面がありました。風とともに、その時の匂いや一緒に居た人も思い出した
ことでしょう。そしてしみじみと幸せを感じたに違いないと思います。


自分の掲げた理想のために、あるいは尊敬する人物のために、はたまた日本の
将来のためにー大きな目標を掲げた男たちは大層立派でしたが、私は、田代が
ひとりで「睡蓮」の前に立つこの場面にいちばんココロが動きました。

人の幸せは、目に見える何かなのではなく、なんでもない、ふとした瞬間に
感じるものなのでしょう。
絵を観ることも、音楽を聴くことも、本を読むことも、そういう瞬間を
重ねたい(あるいは思い出したい)からなのかもしれないなと、思います。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かちかちやま スノーウィとウッディ

2019-11-15 18:21:55 | ひらきよみ(読み聞かせ)

本日は3年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
ひとりで、2冊読みました。

最初は、今回の「届ける絵本」『かちかちやま


昔話なので、いろんな方の組合せの絵本が出ていますね。
読み比べをしたことがないのですが、おざわとしおさん再話のこちらは
かなり辛口というか、残酷?ヴァージョンでしょうか?
赤羽末吉さんの描くたぬきの表情は、今日の3年生には「受けた」ようで、
前の方も男子たちはいちいち反応してました。

ま、最初に、豆をまいているおじいさんにちょっかいを出してきたのは
たぬきだし、うまいこと言って縄をほどかせたおばあさんを、杵で
うち殺し、しかもばあ汁にして食べてしまう!(おじいさんにも食べさせた!)
なんて極悪非道なたぬきですから、うさぎに敵討ちにあっても当然なんですが‥。
後半は、知恵のあるうさぎに比べて、たぬきの(よく言えば)純朴さ、愚鈍さが
目立ちますね。

「きのふね ぽんこらしょ」
「つちぶね ざっくらしょ」
「きのふね ぽんこらしょ」
「つちぶね ざっくらしょ」

土の船に乗って、うさぎと調子合わせてる場合じゃないのになあーと
哀れみのような気持ちさえ、最後には湧いてきました。

いろんな見方、感じ方ができますが(深読みしないで)、昔話なので
絵とお話の面白さをただ楽しむ、というのが一番かなーと思い、そういう
点からいくと、教室で読むのなら3年生が適している絵本だなと感じました。



2冊目は、先日、三蔵さんの「リアルシトロン」で買ったこの絵本を
読みました。『スノーウィとウッディ


今年の8月でたばかりの、デュボワザンの新刊です。

余談ですが、この絵本、本の大きさといい、紙の感じといい、
絵の雰囲気といい、フォントといい、とっても私好み♡なんです(笑)。
(しかも翻訳は石津ちひろさんだし)


シロクマの名前はスノーウィ、ヒグマはウッディ
二匹は別々の場所に住んで居たのですが、カモメのキティから
野原に花がいっぱい咲いている、しぜんゆたかな くに の話を
聞いたスノーウィはそこへ行ってみたくなり、泳いでいくことに。
初めてみる、花や野原の美しさにうっとりみとれましたが、
そこに居ると、真っ白な自分は目立ち過ぎてしまうことに気が付きます。
ハンターたちに空から狙われてしまいますからね。

キティの機転で、難を逃れたスノーウィ。最初は険悪な感じだった
ウッディとも仲良くなり、楽しい夏を過ごします。そして季節は
秋から、あっと言う間に雪降る冬に‥。
雪の中では、今度はウッディが目立ってしまい、空にはハンターが
乗った飛行機が!

ウッディは すぐに、ゆきの うえに うつぶせに なり、
スノーウィが そのうえに おおいかぶさりました。そして ひこうきが
おかの むこうに きえるまで、そのまま じっと していたのです。

スノーウィは、「ぼくも ウッディの やくに たてて、よかった!」と
こころから おもいました。


再会を約束してそれぞれの場所へ旅立つさんにん。

「また げんきで あえますように‥」と ねがいながら、
それぞれの みちへと さっていきました。

終わり方もよい感じです。


スノーウィとウッディの「友情」が、子供たちそのものに私には思えましたが、
3年生はどんなふうに感じたでしょうかー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

YESTERDAY@ユナイテッドシネマ浦和

2019-11-12 14:23:57 | 好きなもの・映画やDVD

日曜日、家族三人で映画を観てきました。

最初は、歩いて行かれるMOVIXで『永遠の門』という、ヴァン・ゴッホを
ウィレム・デフォーが演じている映画を観ようと思っていたのですが、
微妙に合う時間がなく、浦和か、さいたま新都心では何時始まりかな?と探し
はじめたら、そうだ、『イエスタデイ』を観たいと思っていたんだということを
思い出したのでした。



主人公は↑の真ん中を歩いているジャック。ミュージシャンへの夢を
追い続けています。少し前を歩いているのは幼馴染のエリー。
数学の教師をする傍ら、ジャックのマネージャーもしています。

ジャックは大物になる、とひたすら信じるエリーの願いもむなしく、
いつも観客はまばら。もうあきらめようと、思ったその日の夜、
世界中が一斉に12秒間だけ停電!!という珍事が起こり、ジャックは
その最中に事故に合ってしまうのです。

意識がなくなっていた間、世界で何が起こっていたか、知る由もない
ジャック。お見舞いに貰ったギターで、ふと「イエスタデイ」を弾いてみると、
エリーも友達も、初めて聴く名曲にびっくり。当のジャックは悪い冗談で
からかわれているに違いないと怒ります。
だって、そうですよね? ビートルズのイエスタデイを知らない人なんて
世の中に居るでしょうか?

でも、ほんとうに、あの12秒間の世界大停電の前と後とでは、セカイは
変わってしまったのでした。
そして、ジャックは、ビートルズの存在していない世界に存在することに‥。

思い出せる限りの曲を思い出し、歌って聴かせてみるジャック。
素晴らしい曲の数々に誰もが魅了されてしまいます。
実はこれは僕の作ったものではないのです、と口元まで出てきても、
誰もジョンやポールを知らないし、なんと本物のエド・シーラン(ご本人が
演じています)から、ライブのオープニング・アクトを任されることになり、
夢だった人気ミュージシャンへの階段をいっきに駆け上っていくジャック。
そんな彼を、誰が責めることができるでしょうか。


物語は、ジャックが有名になるにつれて、疎遠になっていったエリーとの
ストーリーも、同時進行していきます。
イギリスの彼らが育った町、ライブ演奏で行ったモスクワ、新たな契約を
結ぶために訪れたロサンジェルス‥場面はくるくると変わりますし、気になるのは
ジャックが自分の良心に従えるのか否か、はたまた天才として世界デビューを
成し遂げてしまうのか等々。
コメディをみるようなわりと軽い気持ちで楽しんでいたのですが、終盤へと
さしかかったところで、思いがけない人物が出てきました。
ネタバレを避けるために、ここではそれがどなたかは控えますが‥私はその
不意打ちとも言える「彼」の登場にじんわりとやられてしまい、そこから先は、
涙が出てきて困りました。

パラレルワールド‥並行世界、この現実とは別のもう一つの現実が存在する世界 

「彼」が、私たちの知っている「彼」として存在していない世界。
海のそばに住み、若い時は船乗りをしていたのだと「彼」は静かに、ジャックに話します。
本当に、そういうセカイが存在しているのだとしたら、今ここに居る私たちは、
今ほど幸せだったのかー。でもそっちのセカイなら「彼」は生きていくことができたよね、
とココロが揺れて揺れて仕方ありませんでした。

映画は、「オブラディオブラダ」でエンディングを迎えます。
またひとつ、ココロの引き出しにしまうことができる映画が増えました。



帰り路、ビートルズの曲を意識して聴いたことがない(はずの)娘に訊いてみました。
「映画の中の曲どう思った?」

どの歌もみんなよかった、と娘は応えます。そして聴こうと思って聴いたことは
なくても、どこかしらで聴いたかも?というのは何曲もあった、とも言ってました。

私たち、ビートルズの存在している世界に居て、幸せです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うさぎのみみはなぜながい 詩2編

2019-11-08 17:31:23 | ひらきよみ(読み聞かせ)

今日は6年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
「届ける絵本」は、『うさぎのみみななぜながい』です。


13分くらいかかる長いお話の絵本なので、知ってはいたものの、
小学校の教室で読むのは初めてでした。

表紙をあけて、すぐに書かれているのは、これはメキシコがまだ
ナオワの国といった時代の、おおむかしの物語であること。
そのころすんでいたメキシコ人は、みな、わたしくしたち日本人に
そっくりの人たちで、高度なアステカ文化を持っていたことです。
(でも、本文には出てくるのは神様以外みな動物なんですけどね)


あるとき、やまの うさぎが かみさまの ところへ でかけていきました。

うさぎは、体が小さいせいで、いつも仲間のけものにいじめられてばかり
いるので、自分を大きくしてください、と頼みに来たのです。

かみさまは しばらく かんがえておられましたが、
「よし。では、おまえが とらと、わにと、さるとを、じぶんの てで
ころして、その かわを もってきたら、おまえの ねがいを かなえてやろう」
と いわれました。

うさぎは、それを聞いてがっかりしましたが、(とらは一番強く、わには
一番むごく、さるは一番ちえのある動物ですから)かみさまの おことばには、
だれも そむくことが できません。


ここからが、うさぎの腕の見せどころ。知恵をしぼり、体を使い、もちろん
嘘八百もすらすら並べ‥とら、わに、さる、の皮を手に入れるべく頑張る様が
読み応えがあります。
そして、最後に、再び神様に会いにいくうさぎと神様のご決断により、
「うさぎの耳がなぜ長くなったのか???」が、私たちの前で明らかになる
ということです。


6年生は、咳をしたり、足をもぞもぞ動かしたりすることもなく、真剣に
とても集中して、聴いてくれました。その集中度合いが私にも伝わってきて、
自分が物語の中に入りこんでいくのがよくわかりました。

それにしても、うさぎって、こんなに「賢い」動物だったのですね。




絵本が長かったので、残りの2分くらいでこの詩集の中から、『たましい』と
『秋の夜』という2つの詩を読みました。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする