my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

3びきねこさん

2012-01-19 15:51:42 | 思い出の絵本

今月号の、こどものとも年中向きは『3びきねこさんのそりあそび』。
「こどものとも」2000年1月号の再版です。



柳生まち子さん作の、この、3びきねこさんはシリーズもので‥
『3びきねこさんとおひるねまくら』 (1997年年中向き11月号)
『3びきねこさんとさくらんぼさん』(2001年6月号)があるのですが、
この『~そりあそび』だけ、こどものともセレクションとして単行本化されたことも
あるようです。

3びきのねこの名前は、きい とら ごろ。誰がどの名前かすぐわかりますよね?

『~とおひるねまくら』は、この3びきが、ねむねむじいちゃんにたのまれて、
がちょうのおばさんに注文しておいたおひるね用のでっかいまくらを受取り、
それをねむねむじいちゃんの家まで持っていく、というお話です。

誰が枕を持つかをじゃんけんで決めたり、不意になくなってしまった枕を
きつねやカメレオンやリスから取りかえしたり‥の様子がとても楽しい絵本です。

当時保育園生だったrの、寝る前に読んでもらいたい絵本のベスト3に入って
いたのではないかというくらい、ほんとうによく読みました(読まされました)。

裏表紙の見返しに、簡単な地図が載っているのですが、それを最後にたどるのが
またおもしろかったみたいですね。
(私はこの絵本を読んでいると、なぜか毎回とても眠くなり、ねむねむじいちゃんの
魔法?呪い?がかかっているからではないかと、秘かに思っていました・笑)



『~そりあそび』は、村の掲示板に、ふるいそりさしあげます の貼紙を見つけた
3びきが、喜び勇んでもらいに行くのですが、いたちくんに先を越されてしまい‥
でも、最後には、ぶたさんやりすくんたちも一緒に楽しく遊べるというお話です。

やっぱり見返しには地図が載っていて、そりをくれたうさぎのおばさんは
おひるねまくらの時に、3びきに道を訊いてきたおばさんだという繋がりもあるし、
2つの地図を並べてみると、さらに楽しめる趣向になっています。



そうして3作目の『~さくらんぼさん』は、さくらんぼ という名前の、
とても魅力的な、靴屋さんをやっている女の子のねこが登場するお話です。

さくらんぼさんは靴屋さんといっても、お店を持っているわけではなく、
大きなかばんにぎっしり靴をつめて町から町への行商スタイル。
かっこいいです。

  「さあ、はるの くつやの かいてんよ」
  さくらんぼさんは
  おおきな カバンの ふたを あけました。
  くつを だしながら うたいます。

  ♪ はるの くつやが やってきた
    すてきな くつ くつ
    100そく あるよ ♪


最後には、お約束の地図が、ちゃんと載っています。  




ゆうべ、この3冊を見くらべたくなり本棚から探していたら、rがやってきて
「このねこたちって、よくみたらおしゃれー」と笑いながら言いました。

そう。
柳生まち子さんの絵は、ディテールが凝っていて、色使いもきれいです。




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どこまでもつづく‥

2010-08-06 16:25:10 | 思い出の絵本
がたん ごとん 
がたん ごとん

のせてくださーい


最初に乗るのは哺乳瓶。


がたん ごとん
がたん ごとん

のせてくださーい


赤いカップとスプーンが続きます。


がたんごとんと走っていくのは、凛々しい眉の、黒い機関車。その後も
りんごとバナナを乗せ、ねことねずみを乗せて、子どもが待つ食卓へ走ります。


 安西水丸 作

あかちゃん絵本としてとっても人気があるこの絵本。
私も、小さかった娘のためと、水丸ファンの自分のために(笑)、12年前くらいに
買いました。

初めて読んで聞かせたのは、新幹線の中だったと記憶しています。
四日市からの帰りで、名古屋から乗った新幹線はとても空いていたのですが、
なぜか、私たちの席と、その前だけは「混んでいて」、rは座席に立ちあがって
前をのぞきこんだり、シートを叩いたり‥
気を紛らわせるために、四日市の書店で見つけた(残念ながらこのときはまだ
メリーゴーランドを知りませんでした)この絵本をバッグから取り出して、読んだのでした。

それから、がたん、ごとん、がたん、ごとん と何回いや何十回(何百回?)
この機関車を走らせたでしょうー。

貨物は3つしか連結していないので、最初に哺乳瓶が乗り、次にカップたち、
リンゴたちで、もういっぱいになり、ねことねずみが乗るところはないのです。

ページがそこへ行くたびに、rは、ねこさんとねずみさんはどこに乗るの?
と訊き、次ページで、ちゃんと乗れたことがわかると「乗れたね」と笑顔を見せたものでした。
(懐かしい思い出です)



がたん、ごとん、がたん、ごとん‥

機関車は、今どのあたりを進んでいるのでしょう‥


2歳にのときには、2歳の悩み。
7歳になれば、7歳用の悩みがちゃんと用意されているのだということを
知りながら、私もママと呼ばれるようになってからもうじき14年になろうとしています。
14歳になる中2女子の、r限定の悩み‥ちゃんと用意されていましたよ。

人間誰にも、弱いところ苦手なところ、わかっていてもちゃんとできないところが
あります、よね?
彼女はとてもとても心配症というか、余計なことまで考え過ぎてしまうのです。
本日から3泊4日で、林間学校へ出かけたのですが、一番の悩みというか課題は
夜、緊張しないで(大勢の中で)眠ることができるか、なんです。
なんだ、そんなこと!と、お思いの方もたくさんいるでしょう‥でもそれが
彼女の「弱点」なのです。




朝方、その不安で起きてしまったrの背中をさすりながら、しっかりとした
骨に守られたのびやかな体に、いつの間に育ったのだろうと思いました。
あんなにふくふくで、あんなに頼りなくて、ぽわぽわの赤ちゃんだったのに、です。


がたん、ごとん、がたん、ごとん。

いろんなことやものや気持ちを運び、

がたん、ごとん、がたん、ごとん。

乗り越えていかなければ、その先へと進んでいくことはできません。


それはもちろん、私自身にも言えることです。




*がたん ごとん がたん ごとん には、この夏、続きができました。

  波打ち際を機関車は走ります。

 見比べると、機関車の顔‥微妙にちがうんですよー



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かん!かん!!

2010-01-07 16:38:26 | 思い出の絵本
秋から冬のくだものの中で、一番好きなのはりんごですが、時々、みかんも
買ってきます。

そのむかし、私がまだ子どもだったころ、みかんは必ず「箱買い」で、季節になると
北側の寒い方の廊下に隅に、箱のまま置かれていました。
親戚に八百屋さんがいたので、おばあちゃんが電話して、持ってきて
もらっていたのです。



今年の春には中2になるrは、離乳食の頃から、くだものが大好きで‥
(それは、瓶詰め離乳食のプルーンから始まっています)
1歳前後には、みかんを食べていたような気がします。
まだうまく言葉をあやつれないのに、目ざとく見つけたみかんを指して
すごく大きい声で「かん! かん!」と言っていましたもの。

だから、トムズボックスで、この絵本を見つけたときは、にやりとしてしまいました。
みかんちゃん
   かわかみたかこ 作

表紙の女の子みこも、みかんが大好きで、

「みこちゃん、そんなに みかんばっかり
たべてると、みかんに なっちゃうわよ。」 と

おかあさんに言われても、もう いっこだけ。
ううん、あと もう いっこだけ。

と食べ続けていたら‥ほんとにみかんになってしまったのです。



かわかみたかこさんの絵本、初めてだったのですが、
すごくかわいいんですねーところどころに使ってあるコラージュも
とっても好きな感じです。

ところで、「かん、かん」と騒ぐrは、毎日3個ぐらい、みかんを食べていたことがあって‥
ちょうどそのころに健診があったのです。
みかんの季節で、かんかん言ってる頃だから、1歳半健診の時でしょうか‥
紙おむつだけになって、5人ぐらいづつ、診察室で先生とお話するときに、
どうみても、rだけ、肌が黄色?なんです。
思いきって、先生に、「これはみかんのせいでしょうか?」と聴いてみたところ
「そうですね、そうだと思いますよ」の返事、でした‥。

手のひらが黄色くなってしまうのは、聞いたことがあったけど、体中が黄色く
なる子がいるって(うちの子ですけど)初めて知りました。


「思い出の絵本」カテゴリーは、娘が小さかった頃の
思い出の絵本をいれとくところなんですが、
絵本によって、思いだしたエピソードが入っていても、いいですよね・笑。


余談ですが、みかんのことを「かん」と言っていた頃、ぞうのことを「いーしゃん」
おとうさんのことも「いーしゃん」と言っていましたっけ。
ぞーさん、おとーさん、おんなじに聞こえたのですね。

本をもう一回読んでほしいときに「かい、かいっ」と迫られた時は、すごく
感動しました。
「もう1回読むの?」と聞いたら、うんと頷いたのです。
まだ喋れないときだったけど、絵本を介して、話をすることができることを知った瞬間でした。


rは、今でもみかんをはじめ、くだものが大好きで、食事のはじめにはミニトマトを、
食後には、その日のくだものを、とても楽しみにしています。



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メリークリスマス♪

2009-12-25 12:08:26 | 思い出の絵本
13歳で、中学1年生の子のところに、サンタさんはもう来てくれないのかな。
サンタさんにやっぱり来てほしい。

ゆうべ、寝る1時間くらい前になってから、突然、rが言いだしました。

昨年のクリスマス終了後、ヒミツの一端を知ってしまったことが
悔しくてたまらないというか、残念でしかたがなく‥
「何年か前に、たしかにベルの音が聞こえたのに」と言い、まるで、
私が悪いような(?)感じさえ漂ったりしていました。なんか恨みがましい
目で見るんです。

でもね、今朝。
めでたく今年も、rの元にサンタさんは来てくれていました。
去年までと違っていたのは、本がきちんと包まれていたこと。
rもよく知っていて、一目でそこだとわかる、梅丘の本屋さんのリボンが
ついていました。
(そろそろサンタさんが、どこを経由して来るかくらいは、知っておかなければ
ならない年齢ですから・笑)
そして、絵本は、(なんと偶然にも)私がずっと欲しかったこの本でしたよ。

クリスマス人形のねがい

rが保育園に通っているころに、図書館で借りてきたことがあるのですが、
お話はかなり長くて、とても読み聞かせできないと早々にあきらめ、
自分ひとりで堪能して返却してしまったところ、自分だって読みたかった、
ママが読んだお話を、自分が知らないのはおかしい、と後から泣かれた
思い出つきなのです。
もっと大きくなったら一緒に読もうねと、言ったきりそのままになっていたことが
私自身は気になっていました。(当の本人はもちろんまるで覚えていませんが)
やっとこれで、「もやっ」がひとつ解決しました。


話は今朝に戻りますが‥
サブバッグをごそごそやっていたrは、そこでもまたプレゼントを見つけました。
クリスマスのてんし

この絵本が入っていたのですって。それと一緒に、数日前に探していた
おもちゃの小さな食器を入れたポーチ(ガチャガチャで出した、ドレミちゃんの
陶器?の食器なんです)もあったのです。

ねえ、どこにあったの??とシツコク訊かれましたが、私がどこを探しても
本当に見つけられなかったのです。(っていうか、なんで今頃それを探して、
それで遊ぶわけ?!って感じなのですが‥なんでも勝手に捨てちゃうんだから
と、いつになくなじられました‥)


    *       *      *


来年の今頃は、どんなふうに、彼女が変わってきているかわかりませんが、
まだまだ欲しいクリスマスの絵本があるので、たとえ、ふーんとされても
全然めげずに続けるつもりです。


ちなみに、早々、堂々と、自分のために買った今年の本はこれでした。
クリスマスのまえのばん
ツヴェルガーの絵のが、欲しかったのです。







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水の音・風の音

2009-06-16 20:00:03 | 思い出の絵本
なんかこの頃、
ブログに書くことが思いつかない、という
ごく軽いスランプみたいなものを感じていました。
家のPCが修理中のせいかもしれないし、
長い小説を読み始めたからかもしれません。

日に2度は訪れる、ことり文庫さんの日誌を開いたら、
駒形克己さんのワンストローク絵本フェアが開かれて
いるというお知らせが載ってました。

駒形克己さんといえば、うちではこの絵本です。

ごぶごぶ ごぼごぼ

リンクしているのは、ハードカバー版ですが、家にあるのは
こどものとも0,1,2の1997年7月号。

rが生まれたのが、1996年8月だから、購入したのは
1歳になる前ですね。(定期購読してましたから)

絵本のついての思い出を語る時、もう何度も書いているので
同じことを、別のところで読んだ方が、いらっしゃると思いますが‥

私、自分自身の絵本の思い出の始まりは、幼稚園で見たと
思われる数冊の絵本からなんです。
(たぶん「ぐりとぐら」と「ふしぎなえ」だったと思うのです)
家にも何冊かはあったと思うのですが、今、自分が持っている
ような絵本は全然なくって、本の思い出は、挿絵つきの
アンデルセン童話とかグリム童話とかのシリーズものです。

なので、娘が生まれ、書店の絵本のコーナーに足を踏み入れる
ようになったとき、懐かしいというよりも、驚きのような気持ちに
包まれました。

そして、こどものとも0,1,2の存在を知り、パンフレットに書いて
あるように、赤ちゃんが8か月になったときから定期購読を始め(笑)
毎月の絵本が届くのが、大きな楽しみになりました。
そんな絵本ビギナーの新米ママに、ある時(97年の7月号ですが)、
ごぶごぶ ごぼごぼ』がやってきたわけです。

その色の美しさ、洗練されたデザインに驚き、また
コトバの少なさにも驚きました。そして、すぐに夫にも見せたことを
覚えています。

絵本ってすごいんだと、最初に思わされた1冊かもしれません。


ぷく    ぷく ぷく ぷくん

と、生まれてくるのは泡なのかな と思い、


ど ど        どぉーん  

のところでは、声を大きくし、


ざぶ ざぶ ざぶん

と 読んでいる自分の声を聞きながら、頭の中で打ち寄せる波を思い‥


さわ さわ    さわ

と風を思い浮かべながら、私が読めば、娘は決まって
くすぐったそうに笑いました。


そうして、おしまいは「しーーーーー」と、ちいさなちいさな声で
読んで、本を閉じましたっけ。




rの頭の中に、この本のテキストは残ってないと思いますが
体のどこかには、声や音や息遣いや、その時々の匂いが残っていて
それが彼女の一部になって、今を作っているのかな、
そうだったらいいなと、思います。



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明快ってきもちいい

2009-01-21 19:28:44 | 思い出の絵本
図書館へ予約本を受けとりに行き、なにげなく絵本のコーナーに
立ち寄ったところ、新着図書の棚に、この絵本を見つけました。

すごーく、懐かしくって思わす手にとり、読みました・笑

ありのあちち
    つちはし としこ 作

図書館にあったのは、ハードカバー版ですが、家にあるのは
1996年に出た、こどのとも0.1.2の17号です。

発売月に買ったのではなくて、バックナンバーを扱っている書店で
見つけて買ったことや、最初に(当時赤ちゃんだった)娘に見せたのは、
スーパーマーケットの中で騒ぎはじめたから、大人しくしていてもらおうと
思って、ベビーカーの中でその手に持たせたことまで、よーく覚えています。


赤ちゃん絵本だから、話はとってもシンプル。

好奇心のかたまりのアリが、テーブルの上のバナナを見つけて滑り台にしたり、
おせんべいを舐めてみるのだけれど、お口にあわず、げーげーしたり。

クライマックスは、台所でしゅうしゅういっているものはなんだろう?と近づいていき、

あっちっちー   です。

それだけなんですけどね‥
危ないからさわらないでねーとか、触るとどうなるかなー
じゃないところと、ちゃんと裏表紙で、アリの行動をフォローしている
ところがとても新鮮でした。
(そのころの私は、こういう絵本もあるんだあ、と感心していたと思います)

とっても久しぶりに、今日この絵本を開いてみて‥
やっぱり、好きだなと思いました。


『ありのあわわ』っていうのも、2002年の0.1.2であったみたいですが、
土橋さんのほかの絵本で、うちにあるのは、年少版1997年7月号の
『めちゃくちゃるすばん』です。
この絵本も、お出かけに一緒に連れていってもらえなかった寂しさが
やがて腹立たしさに変わり、
留守番の間に、いろいろいたずらするのが楽しくなってきたときに、
ツッチーさん(飼い主であり、お母さんみたいな存在)が帰宅して
めちゃくちゃ叱られるっていう、「明快」な話です。

おるすばんは さびしくて たのしくて
そして こわいです。

留守番の心理を、みごとに言い表している名文だと思います。


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星のかんむり

2008-04-03 11:23:26 | 思い出の絵本

さっき、訃報を知りました。

石井桃子さんが、お亡くなりになったそうです。101歳。
老衰とあったので、眠るように、眠っているうちに、次の世に
旅立たれたのでしょうか。

2月の新聞に、朝日賞贈呈式での、石井桃子さんのスピーチが
載っていました。

 
朝日賞をいただいた人間ですといってこの世をさるよりも、
 六つ 七つの星に美しく頭の上を飾られて
 次の世の中に行きたい


この部分だけ、手帳に記して残してありました。
ご冥福をお祈りします‥



石井桃子さんの本‥たくさんあるので、どれがいちばんとか
どれが好きとか、決めるのは難しいです。

娘が小さいとき、ほんとうによく読んだのは、やはりこのシリーズ。

うさこちゃんのたんじょうび (子どもがはじめてであう絵本)  うさこちゃんとゆうえんち (子どもがはじめてであう絵本)  うさこちゃんのにゅういん (子どもがはじめてであう絵本) うさこちゃんひこうきにのる (子どもがはじめてであう絵本)

子どもがはじめてであう絵本 第2集 4冊セット

なぜか「第2集」の4冊だけを、持っています。あとは、図書館で繰り返し
借りて読みました。

「うさこちゃんのたんじょうび」の中の、ここを読むのが好きでした。


 くまでした。ぬいぐるみの くまでした。
 とても かわいい やわらかいくま。
 「あたし きょうから くまさんとねる」
 と うさこちゃんは いいました。

 それから よるの ごちそうです。
 うさこちゃんのせきは おじいさんのわき。
 くまさんは うさこちゃんの ひざのうえ。
 くまさんは そこがいい というのです。




それと、思いで深いこの本も、石井桃子さんが訳されたものでした。

おやすみなさいのほん


  ※過去記事あり 



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12月

2007-12-01 22:16:03 | 思い出の絵本
今日、アドベントカレンダーが届きました。

1日が、1枚目の扉だったので、間に合ってよかったです。
(こうめさん、ありがとう。)

一昨日の夜、ことり文庫日誌で、やまわきゆりこさんのを見つけたら
どうしても欲しくなってしまいました。
やまわきさんの絵は、ぐりとぐらが出てこなくても、大好き。
見ていると、すごく安心できるのです。


カレンダーの中のクリスマスツリーの横に居る女の子。
どこかで見たことあるなあと思って…思い出したのがこの本です。

このゆきだるまだーれ? (日本傑作絵本シリーズ)
  『このゆきだるま だーれ?』
  岸田衿子 文 山脇百合子 絵



女の子の名前を忘れていたけど…もみちゃん でした。
なんてかわいい名前でしょう。

アドベントカレンダーに描かれているのと同じ、うさぎさんや
くまさんやりすさんやぶたさんたちと、もみちゃんがそり遊びをする
お話です。

懐かしくなって、声に出して読んでみたら、娘が寄ってきて
「かわいいっー」を連発。本の中に入ってしまいたい! そうです。



「1日」の扉は木にあって、開けたらそこには、クリスマスのリースが
ありました。明日からの毎日が楽しみ。

まだ飾っていない、うちのリースとツリー。明日は必ず出してこなければ。



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シンプルはねちゃん

2007-06-03 18:15:27 | 思い出の絵本
 日曜日の午後、久しぶりに娘と駅近くの本屋さんへ行きました。彼女のお目当ては、
児童書のコーナーにあるのですが、ふたりで、絵本の「特集」のコーナーから、順に見ていきます。

 そこでの特集その1は、リサとガスパール。いつか絵本展でストラップを買ったことはあるけれど、
本は1冊も持っていません。流行り始めた頃と娘の成長が、ちょっと合わなかったみたいです。

 特集その2は、いしいももこさんの本。特集その3は、雨降りの絵本でした。


 
 そんな中、私が気になったのは、赤ちゃん絵本のコーナーにあったこの本です。

   はねはねはねちゃん(福音館書店)
  『はねはね はねちゃん』
 なかがわりえこ 文 やまわきゆりこ 絵


 表紙の子、はねちゃんが着ているオーバーオールの水色がなんとも涼しげで、
今の季節にぴったり、と思いながら、あえて手に取らず、眺めるだけで帰ってきました。
「こどものとも0,1,2」版のものを持っているからなんです。
 
 本棚の奥からひっぱり出してみたら、1995年12月号、0,1,2の通巻9号と裏表紙に
記されていました。
 娘は1996年の8月生まれで、0,1,2の購読を始めたのが97年の4月号からだったので、
毎月の号の間に、バックナンバーを見つけて買ったもののうちの1冊だということを、
発行年月を見て、思い出しました。


 ぐりぐらコンビの作品が、赤ちゃん絵本でも出ていることに、当時の私が驚いたことは
言うまでもありません。

 
 はねちゃんという名の子が、登場してくる動物と一緒に、体操(らしきもの)をするという
お話なのですが。

 はねちゃんは男の子かなあと思った後に、でもやっぱり女の子にも見える、というところが
とっても良いところです。
 山脇百合子さんは、どちらにでも見える子どもを、最初から意識して描いてくれたんだろうなあ
と思います。名前も「はねちゃん」と決まってはいますが、もちろん、そこにはそのおうちの
赤ちゃんの名前が入りますよね。

 今日、とっても久しぶりにこの絵本を開いてみて、もうひとつ思ったのは、色がとっても抑えて
使われている点です。はねちゃんが来ている服は水色ですが、それ以外は、ほとんど茶系の
色なんです。

 キリンの茶色、くまの茶色、がちょうの羽の茶色、カメの甲羅の茶色。

 あと色といえば、うさぎの白に、うさぎの鼻の頭と耳の中の薄いピンクと、はねちゃんの
ほっぺの赤味だけ。バックもすべて白色…。

 きれいな色が画面からあふれんばかりの絵本も楽しいですが、これだけシンプルな絵本
(しかも赤ちゃん向け)があるって、とってもいいなあと思います。


   うさぎが ぴょんと とんできて
   うさぎの たいそう
   ぴょん ぴょん ぴょん

   はねちゃんも ぴょん
   はね はね はねて

   しりもち ついて
   はい おわり


 テキストだって、こんな口馴染みがよくって、楽しいし。


 読んでもらっていたことを、当の赤ちゃんは、「覚えているよ、知ってる知ってる」とは
言ってくれないけれど、一緒に楽しんだ思い出を、周りの大人たちは赤ちゃんから
貰っていたので、それで十分なのかなあと思っています。

 PCの横に置いてあるこの本を見て、うちの娘が、なにこれ?こんなのあったっけ?と
たとえ言ったとしても…です。




 
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はらぺこあおむしとの出会い

2006-10-12 15:47:42 | 思い出の絵本

 今日も素晴らしい青空が広がっています。良い天気の下に居るだけで、なんだか誰かに誉められているような気がしてきます。

 さて。

 すこし前に、miyacoさんのお店『THE HI-IAY ISLANDS Book Store』 にこの本が並びました。

  はらぺこあおむし
  『はらぺこあおむし』
   エリック・カール 作
    もりひさし 訳

 その紹介を読んでいたら、私たち家族が、初めてこの本に出会った時のことが鮮明に思い出されてきて、コメント欄に書くには長くなりそうだったので(笑)、これぞ「思い出の絵本」のカテゴリーに相応しいと思い、自分でも書き残しておくことにしました。(miyacoさんの記事はから)

 
 それは、1998年の6月で、娘が1歳10ヶ月の時でした。とてもはっきり覚えている理由は、それが娘を連れての初めての海外旅行先での事だったから。ニューヨークに居る友だちの家に(正確には夫の友だちで、私から見ると大学の先輩)、10日間程お世話になった時のことでした。
 その友だちは、1986年くらいに渡米し、現地で知り合った日本人女性と結婚して、めでたくグリーンカードと、お子様2人と、マンハッタンのダウンタウンにアパートメントを借りていたのでした。奥様とお子たちは、ちょうど日本に帰国していて入れ違いになってしまったのですが、そのおかげで、とても伸び伸びリビングルームなどを使わせて頂き、その家のおもちゃで遊ばせてもらい、そして、そこの本棚に『はらぺこおむし』があったのです。

 帰国する人から子どもの本を譲ってもらっている、と聞いてはいたのですが、2人の子どものための本棚は、立派なものでした。英語を話せるようになるのも大切だけど、きちんとした日本語を教えて行くことも大切であり、大変なことだなと、その本棚を見て思ったのを覚えています。

 だから、原書版ではなく、日本語訳の『はらぺこあおむし』があったわけですが、2人の子の“ダディ”になったその友だち(先輩)は、すっと本棚からこの本を抜いてきて、娘rに手渡してくれました。

 あ~まだ早いと思いますよ。

 私がそう言うのを、1秒半躊躇している間に、rは絵本を開いていて、私の顔を見上げました。乞われれば、もちろん読みます。

 『こどものとも0.1.2』の3倍は長そうなおはなしを、最後まで聞いていてくれるかな?

 他者が見ているだけに(笑)、なんか自分が祈るような気持ちになってきたのは思い出せるのに、肝心のrの「最初の反応」は思い出すことができません。ちょっと残念。

 
 旅行後、もちろんすぐに『はらぺこあおむし』を買いに行きました。友だち宅にあったのがどういう大きさだったのか、覚えていないのですが、私は「ボードブック」を選びました。小さいので持ち運びに便利だし、例の穴に、何度指を入れても破れることがありませんから。
 
 そうそう、あおむしのことは「ニャッキ」って、長いこと呼んでましたねえ。もうあのアニメやってないのかな。


 その後、娘が保育所の年少組になった時のことですが。
 『はらぺこあおむし』の歌、というものが存在しているのを知りました。だいぶ前、『ぐりとぐらのいちねんかん』の時に書いた「ますみせんせい」が、家からそのCDを持ってきて教えてくれていました。他に何冊もエリック・カールの絵本があったので、CDとセットで、歌もいろいろあったのかもしれません。
 もっとよく見て、話を聞いておけばよかった、と今になって思っています。

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ゆたかで あわただしい じかん

2006-08-22 15:00:49 | 思い出の絵本

 今日8月22日は、娘の10歳の誕生日です。 
 自分の年齢が一桁から二桁になったことが、娘はとても嬉しい様子。

 保育園の修了式の時に「rちゃんは何をするのにも決して諦めず、最後までがんばって
いましたね」と、先生から言われたように、頑張り屋さんだなあと、私も思っています
(少々融通が効かないところがありますが)。すくすくとのびのびと育ってくれただけで、
本当に身に余る幸せを感じているのですが、こういう言葉を聞けたとき、私の
「しあわせ度数」が最高点をマークします。

「あのね、ママ。晴れてるときの青い空も好きだけど、雨があがって、まだ晴れてなくて、
雲がすうっと流れていくときの空も大好きなの」


 
 10歳の誕生日の記念に、何か「思い出の絵本」のことを書いておきたいなあと
思った時に、この絵本のことが頭に浮かびました。


しずかで にぎやかな ほん

 『しずかで にぎやかな ほん』
   マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
   レナード・ワイスガード 絵
   谷川俊太郎 訳

 娘が3歳くらいの時に、私が本屋さんで見つけて買った絵本です。作者と訳者の
名前にひかれて、手にとったのをとてもよく覚えています。

 主人公は、子犬のマッフィン。耳がいいのです。とてもとても静かな音でも目を覚まします。
本文は、そのマッフィンが聞いた「静かな音」とは何の音だったのかを、気の効いた
ユーモラスな比喩で、尋ねていきます。

 かいだんを
 ぞうが
 つまさきだちで
 おりて 
 くるのかな?
    とか

 めうしが
 ペティコートを
 きてるのかな?
  とか‥。

 その「静かな音」はこんなふうにも言い表されています。

 とってもしずかなおと。
 ほんとにしずかなおと。
 しずけさそのものみたいな。
 しずかな しずかなおと。

 からっぽのいすのような。

 くうきの ような。

 あかちゃんに ひみつを ささやく ような。

 
 ため息がでるほど、素晴らしい表現です。「からっぽのいすのような」を読んだ時、
ここだけでも、この絵本を購入した価値がある、と思ったものでした。

 幼かった娘が、どれくらいこの本の内容に興味を持ってくれたかは、正直言ってわかりません。
でも、読み手である私が、とても気に入っていたことは伝わっていたかもしれないなと思います。

 今回読み返して、この絵本が1996年9月生まれであることを知りました。娘と同じ年
生まれで、誕生日も近いじゃないですか。そのことがなんだか妙に嬉しいです。



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「こどものとも」のさらなる楽しみ・3

2006-06-22 15:00:40 | 思い出の絵本
 「こどものとも」からの楽しみの3つ目は‥「あなたたち、そんなところにも居たの?!」
です。

 あなたたちとは、↓の表紙の女の子と犬。本の中でも「おんなのこ」と「いぬ」って
呼ばれていますね。
まじょのかんづめ
『まじょのかんづめ』

 佐々木マキ 作



 今はハードカバーが出ていますが、最初は「こどものとも」1994年1月号でした。
 その後に、続編が2冊。

 『まじょのすいぞくかん』 「こどものとも」2000年8月号
 『まじょのふるどうぐや』 「こどものとも」2003年5月号

 この3冊は、登場人物も設定もほぼ同じで、悪い魔女の魔法によって姿を変えられて
しまった郵便屋さんとぞうとくまとぶたを、「おんなのこ」と「いぬ」が発見し、助けてあげる
というお話です。

 「ありがたい、たすかった!」

 
毎回、助けられたみんなが言うせりふまでおんなじなんです。これだけ似ていると、
どうしても並べてみて、どれくらいおんなじか、どこかちがっているところはあるのかと
探してみたくなりますね。
 うちには、「かんづめ」はなくって、「すいぞくかん」と「ふるどうぐや」を持っているのですが、
どちらかが読みたくなると、必ずもう1冊も探してきて、合わせて読むという暗黙の約束が
出来上がっていました。

 ところで、2冊目の「すいぞくかん」と3冊目の「ふるどうぐや」には決定的な違いがあるのです。
 それは「おんなのこ」と「いぬ」だった2人に名前がついたこと。女の子の名前はきのこ、
犬の名前はイワンです。

 「3冊目から名前がついた」ということは、もうだいぶ前から知っていたのですが、
ついこの間までこの絵本の存在は知りませんでした。図書館の棚で偶然見つけて、
「あれっ、あなたたちはきのことイワンじゃないの?!」の思い、ページをめくったら、
やっぱりそうでした。
そらとぶテーブル

『そらとぶテーブル』 

 
佐々木マキ 作   



 
  あつい あつい なつの ひ、
 きのこと いぬの イワンが
 そとを あるいていたら、
 あきちに ふるい テーブルが あった。

 
こっちのお話は、魔法のじゅうたんのようにテーブルが空を飛び、望んだ場所まで
連れて行ってくれるというもの。きのこが手に持っているマヨネーズが、最後の方で
生きてくる、とっても夏向きなお話です。
 
 2002年9月発行とあるので、『すいぞくかん』と『ふるどうぐや』の間で、名前が
ついたのだということがはっきりとわかります。どうでもいいような「発見」ではありますが、
それでも、きらっと光る嬉しさが、私の胸の中に灯りました。

「ねえ、ねえ、イワンときのこ、この本にも出てきているんだよ」
「へえー、そうなんだあ‥」

 得意になって教える母と、ちょっと冷めている娘との会話です。「母」は、佐々木マキさんの
描く絵には思い入れがありますからねえ。何しろきのこよりイワンより、ぶたよりおおかみより先に、
羊男を見ていますから。


 今朝になって、そういえば折込ふろくには何て書いてあったかなあと、『まじょのふるどうぐや』の
「絵本のたのしみ」を探してみたら‥そこにしっかり、名前がついたいきさつが書いてありました。
 
 「今度の本は、ぜひ主人公に名前をつけてくださいね。そのほうが、ぜったい
読者に親切なんですから」
 編集者にそう念を押されて作ったのが、02年秋に出た『そらとぶテーブル』という
絵本で、主人公の名を「きのこ」相棒の犬に名を「イワン」としました。

 
なんだあ、ここにちゃんと『そらとぶテーブル』のことも書いてあるじゃない。と
少々気落ちした私ですが(何しろ自分の中ではきらっと輝く発見でしたから)、佐々木マキ
さんの次のような文章を再読できて、よかったと思っています。

 どうしてあなたのお話には、主人公に名前のついていないものがあるのですか、
と訊かれることがあります。ー中略ーすてきな名を思いついたら喜んで使うのだけど。
 もうひとつは、具体的に固有名詞をつけることが、必ずしもプラスに働かないような
種類のお話(作品世界)もあるのじゃないか、ということです。ただし、私のお話が
いつもそれに相当する、ということではありません。

 これを読んでいたら、佐々木マキさんが表紙を描いた、「僕」と羊男の物語をまた読みたくなってきました。

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「こどものとも」のさらなる楽しみ・2

2006-06-21 15:40:35 | 思い出の絵本

 バックナンバーからの、さらなる楽しみ・2番目は、「え、この犬ってもしかして?」です。

 この犬とは、子犬の時はペンタ。大きくなってからは、ラスチョという名前です。

 
 私がペンタを知ったのは、「こどものとも年少版」2000年3月号(276号)、本の題名は
『ペンタとぼく』 長谷川摂子さんの文章に、アンヴィル奈宝子さんの絵です。その頃は
毎月「年少版」を購読していたので、そのうちの1冊、というわけです。

 そして、今回図書館のバックナンバーカゴで見つけたのが、同じく年少版のこの2冊。

 
『わたしのラスチョ』2002年2月号(299号) 
             降矢なな・文 アンヴィル奈宝子・絵
 『ラスチョのひこうせん』2006年2月号(347号) 
                アンヴィル奈宝子・作

 なぜ名前がペンタからラスチョに変わったのか‥という疑問は残りますが、バックナンバーの
カゴでこの2冊を見つけた時は驚きました。かわいがっていた子犬のうちの1匹を手ばなして、
数年後、思ってもいなかった場所で偶然見かけたような、そんな気持ちになりました。

 『ペンタとぼく』は、ふたりの1日の生活を、とても感覚的な文章で綴ったお話です。
「ぼく」がペンタを弟のように思っていることが、その語りかけからよくわかります。たとえば‥

  あさは いつ くると おもう?
  かおが ぬれているときは まだ。
  タオルで ぐるんと ふいたとき、
  あさは かぜと いっしょに
  「あさー」っていって とんでくるんだ。

 
あるいは‥

  ペンタ、だいこん だっこしてごらん。
  ずしっと おもたい だいこん あかちゃん。
  しとっと つめたい だいこん あかちゃん。

 
ふたりが水溜りをのぞきこんでいる場面では‥

 のぞいたら こわい。
 ものすごく ふかい。
 1000まんメートル むこうに
 そらが ある!
 おっこちたら どうしよう。

 
心に直接響く文章と、アンヴィルさんの描く表情豊なペンタと「ぼく」に、母である私のほうが
すっかり魅せられ、お気に入りの年少版でした。

 
 さて、ラスチョのほうですが
 『わたしのラスチョ』
の折込ふろくで、降矢さんの書いた文を読んでいたら、ペンタから
ラスチョへ変わったわけがわかりました。

 この絵本は、降矢ななさんが、絵ではなく、テキストを書いていることに大注目です。
 まだ、アンヴィルさんが、学生だった頃、この黄色い犬(後のラスチョ)はすでに紙の犬小屋、
紙粘土製の体で、台所の片隅のわずかな隙間に居たそうです。「あまりにも存在感があり過ぎて」
お客さんの視線を釘づけ。何人もの人に「この犬のお話、作ったらどう?」と言われたそう。
けれど当時のアンヴィルさんはお話作りよりも、もっと興味ある事があり、「待ちくたびれた」
降矢さんが、「とうとう我慢ができなくなって」短いお話を書いたそうです。
 降矢さんにとっても、他の人の作り出したキャラクターに話をつけるのは初めてで、ジレンマも
感じたそうですが、頭の中では「黄色い犬の映像はどんどん勝手に動き出して」いったとのこと。
 そんなエピソードの最後に、ちゃんとこう記されていました。

 ところで‥実は、この犬、数年前にすでに子役でデビューしているんです。コロコロして
いてかわいかったなぁー。興味ある方は、『なにたべた?』(年少版237号)と『ペンタと
ぼく』(年少版276号)を探して見てくださいね。

 そっか、ペンタは「子役時代」の名前だったのね、とすっかり納得した私は、もう1冊の
『なにたべた?』がとても気になっています。(もしどなたかご存知の方がいたら教えてください)


 「ぼく」と一緒に子犬時代を過ごしたラスチョは、すごい犬に成長しましたよ。

 りょうりは うまいし、
 マラカスを ふりながら うたも うたえるし、
 きかいいじりも すきなんだ。

 「やあ みんな、
  ドライブに いこう」

 すっごい ラスチョ、くるま つくっちゃったんだ!

 

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やっぱりやっぱり

2006-05-12 15:34:30 | 思い出の絵本
 あさっては「母の日」ですね。
 私も母となってこの夏で10年になりますが、気持ちはいつまでも新米で、なかなか
ちゃんとした「おかあさん」にはなりきれていない気がします。

 そんな私にでも、「ママ、大好き」と手放しで、100%の気持ちで、そう言ってくれる人の
存在は大きいです。私自身は、素直に気持ちをぶつけられる子どもではなかったので、
今そう言ってくれる、娘を前にして、戸惑うような身にあまるような、くすぐったい気持ちを
感じています。

 母の日を前にして、私も何か、お母さんが印象的な本を紹介したいなあと思っていました。
幾つか思い浮かんだのですが、結局この本を選びました。
いえでだブヒブヒ

『いえでだ ブヒブヒ』

 柳生まちこ 作






 こぶたの ブウと、トンと、ヤンは、
 タオルを とりっこして、
 おかあさんに おこられました。

 
お話が始まってすぐに、前置きも説明もなしでいきなり、こぶたの3兄弟はタオルを
とりっこして、おかあさんに怒られちゃうんです。にんじんを残し、おもちゃを片付けず、
また小突き合い・・・。
 しまいには、おかあさんの堪忍袋の緒が切れて、どこへでもいきなさい! と一括されます。

 3人揃えば、こわいものなし。しょんぼりしたのも束の間、3人はいそいそといえでを
します。こんな歌を歌いながら。

 ここの うちとは おわかれだ
 よその おうちの こになろう
 いえでだ、ブヒブヒ
 いえでだ、ブヒブヒ

 
うさぎさん親子の家、わにさん夫婦の家、子沢山のカラスさんの家、色々行ってみたけれど、
どうもしっくりいきません。今度は野宿を考えて、勇んで、シーツでテントのうちを作りますが、
楽しかったのは最初だけ。だんだん日が暮れてきて、つまらない気持ちが増してきます。
ヤンがとうとう泣き出してしまったとき、遠くからおかあさんの声が聞こえました。そうして、
こぶたくんたちの「短い家出旅行」も終わります。

 おかあさんの声が聞こえて、3人が家に帰る場面は、ほんとうにいじらしくてかわいらしいんです。

 こぶんたくんたちは ぱっと とびおきると、
 はしって はしって
 はしって はしって
 おかあさんの まっている うちへ かえりまーす。

 
ただ「走る」んじゃなくって、「はしって×4」のところに、こぶたくんたちのおかあさんへの
気持ちが表われています。うちへ「帰ります」ではなくって、「かえりまーす」の伸ばし棒の
ところに嬉しさがにじみでてますよね。

 
 なにがあっても、やっぱり、やっぱり、みんなおかあさんのそばがいいんです。
 小さい頃は、いっつも、何するのも「見てて」「ママ、見てて」です。取り合いも、好き嫌いも、
けんかも、お母さんが居るところで、見ているのがわかるところでするから、楽しいんですね。
 だから。ああ、うっとおしい、静かにして、たまにはどっかいっちゃって。そう思っている時が、
実は母としてのピーク時なのかも、と思うこの頃です。


 この本は、見開きに地図が描かれています。それを見ると、こぶたくんたちの「家での足跡」が
よくわかります。娘がまだ保育園へ通っていた頃、寝る前にこの本を読むと、読み終わった後、
必ず地図を見ていました。昨日も見たからもういいんじゃない、と言いたいのをこらえて、
毎晩それにつきあって一緒に地図を辿ったこと思い出しました。懐かしいです♪♪♪

 
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くるりくらってなんだ?

2006-03-15 17:34:36 | 思い出の絵本
  陽射しが「春」のものになってきました。ぐりとぐらでなくっても 
「うれしくて、じっとしていられない」気持ちです。
ぐりとぐらとくるりくら
『ぐりとぐらとくるりくら』

 なかがわりえこ・文
 やまわきゆりこ・絵




 数ある、ぐりとぐらシリーズの中で、元祖『ぐりとぐら』をおさえて、私の中での堂々
第1位は、この『ぐりとぐらとくるりくら』なんです。
 理由はいくつかありますが、「出会い」がとても印象に残っています。

 まだ娘がベビーカーでしか外出できなかった頃、『こどものとも0.1.2』を愛読していました。
毎月の分に加え、図書館や書店でバックナンバーもまめに探したりもして。年月がたってみると、
何も正直に、「赤ちゃん絵本」ばかりでなく、3歳ぐらいからとなっている絵本だって、
読んであげてもよかったと思うのですが、何しろ当時は私も母親に成り立てで、0歳、1歳の
赤ちゃんだったら、それにふさわしい絵本でないと、と思っていましたし、『ぐりとぐら』ぐらいの
長さでも、普段0.1.2にばかり接していると、とても長いお話に思えました。
 そんな頃に、書店で初めて『ぐりとぐらとくるりくら』を目にしました。『ぐりとぐら』に
続編があったなんて当時はまるで知らなかったので、とても驚き、そしてその題名にも
驚いたのを、とてもはっきりと覚えています。「くるりくらって、いったい、なんだろう?」

 く る り く ら  く・る・り・く・ら  くーるーりーくーら 

口に中で何度かころがしてみましたが、とても馴染めそうもなく、表紙を開くこともなしに、
その場を立ち去りました。
 その後、いつ、どのようにして、この本を買ったのかは、ほとんど覚えがありません。
思い出そうとしてみても、初めての時の「くるりくらって何?」と思った気持ちが、鮮明に
よみがえってくるだけです。

 絵本によっては、何度も何度も声に出しているうちに、じんわりとそのよさが染み込んでくるものと、
ある時突然に、「あ、いい!」と思うものがあるのですが。くるりくらは、間違いなく後者の方で・・。
 ある晩、娘に読んであげているうちにとっても眠くなってしまい、「ぐりとぐらが~」と
読んでいるつもりでも、「ぐうとぐあがぁ~」となったり「ぐううぐああ~」となったり。そして、
娘に揺り起こされては、ハッとなり続きを読むという繰りかえしの中で、突然わかったのでした。
「くるりくら」っていう言葉は、元は「ぐりとぐら」から来ているに違いない、ということが。
(みなさんは、もしかしてもうお気づきでしたか?それとも、ちゃんとした由来をご存知とか・・・)

ぐりとぐら→ぐうとぐあ→ぐういぐあ→くういくあ→くるりくら

 そうかそうか、くるりくらって、ぐりとぐらから来ているんだ、そう(勝手に)思ってから、
また読むと、なんか不思議。この絵本が今まで以上におもしろく思えます。
ぐりぐらシリーズの中でも、一番文章のリズムが自分に合ってるなと思って、
好きだったのですが、さらにさらに好きになりました。

  きのしたを とおりかかったときです。
  ふいに、だれかが ぐりと ぐらのぼうしを
 ひっぱりました。
 「あっ、なにするんだい、よせよ」と
 おさえたときには、もう ありません。
 「とりかな」
 「かぜかな」
  ぐりと ぐらが みあげると、
 おや、きのうえに、ぼうしをふたつ あたまにのせた
 うさぎがいて、
  「あおいぼうし あかいぼうし くるりくら」と、
 うでをくんで、すましています。

 
お話が始まって、3つ目の場面。くるりくらが登場してくるところです。
ここの「とりかな」「かぜかな」のぐりとぐらは、本当にかわいいです。このあと一緒に
朝ごはん食べて、一緒に木登りして、一緒に〇〇にも乗って(未読の方のために、
素敵な乗り物は伏字にしました)。最後はなわとびで、おうちに帰ります。
もちろん大事な籠も忘れません。

 文章全体にリズムがあって、お話の運びもテンポがあって、全体に心地よい風が
吹き抜けていて。春本番前の、はやる気持ちをおさえきれない、今の時期にピッタリの
本だと思います。
 
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