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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ブラック・クランズマン@TOHOシネマズシャンテ

2019-03-30 16:37:40 | 好きなもの・映画やDVD

先週の日曜日、またまた渡辺佑(たすく)さん、お薦めの映画を
観てきました。

ブラック・クランズマン



画像左側が、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事と
して採用されたロンを演じるジョン・デヴィッド・ワシントン。
そう、あのデンゼル・ワシントンの息子さんです。
(俳優になる前は、アメリカンフットボールの選手だったんですって!)

右側がロンと一緒にKKKの潜入捜査を担当するフィリップ役のアダム・ドライバー。
アダム・ドライバーは、「スターウォーズシリーズの」と言われてますが、
うちでは、もちろん、「パターソンさん」です(笑)

この二人の役柄を知っただけでも、面白そうな映画の気配十分ですが、
監督がスパイク・リーとなれば、100%映画館へ行く価値あり、となります、
わたしの中では。
(スパイク・リー映画がどうとか、語られるほど映画通なわけでななくて、
スパイク・リー監督が、大のNBAニューヨークニックスのファンだからなのです。
その共通項を持つものとして、勝手にとても親しい気持ちを持っています笑)


時代は1972年。先日の『グリーン・ブック』より10年くらいあとの設定です。
こちらも、ほんとうにあった話の映画化で、オリジナルは70年代終盤だったようです。

黒人と白人のコンビ、根強い差別、ユーモア、音楽‥と共通点はいくつもあり、
どちらもとても面白い映画でしたが、決定的に違うのは、クランズマンの方は
潜入捜査を行っているので、正体がばれてしまう可能性があるということと、
人の生き死にが絡んでくるということ。
そのため、最後まで肩に力が入ってしまい、とても緊張しながら観てました。

『グリーン・ブック』が、クリスマスのシーンで終わることもあり、最後には
温かい気持ちに満たされましたが、クランズマンは、決して終わりは訪れない
というか、これが現実なのだと思い知らされます。
だからこそ、観てよかったと強く思います。


それにしても、アダム・ドライバー、いいですねえ。
ローガン・ラッキーの中でも、イラクに二度行き、腕を失ったという設定でしたが、
このたびも、ベトナムに(たぶん)二回行ったと言ってました。
そういうのがすごくはまるんですよねー。


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ル・コルビュジエ展@国立西洋美術館

2019-03-19 16:48:47 | 好きなもの・美術館や展覧会

3月10日日曜日、久しぶりに国立西洋美術館へ出かけました。

ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代 というのを
観るために、です。






そもそもコルビュジエに興味を持ったのは、私の場合この本からで、



せっかくご本人が設計した美術館で展覧会があるのだから観ておこう
程度の気持ちだったのですが‥これがなかなかよい展示でした。
行ってから気が付いたのですが、コルビュジエがコルビュジエと
名乗るようになる前の10年間くらいの、絵がメインだったころの、
展覧会です。


まず、何がよかったかって、適度な混み具合というか、フツーな感じの
ところ(笑)。入場制限もないし、係員の方が誘導のために大きな声を常に
出していることもないし。
入ってすぐの場所に、コルビュジエ設計の10分の1?モデルみたいなのが
いくつもあったのですが、それを「建築勉強している学生さんなのかな?」と
思われる若い方々が熱心に見ていて、なんかとっても好感が持てました。

その場所‥19世紀ホールというのだそうですが‥吹き抜けになっていて。


脇にある緩いスロープを登って2階の展示室へと動線が繋がっているのですが、
展示とは、ただ広い空間に絵が並べてあればよいというものではないなあと
こういう建物で絵を観ると、つくづく思うのでした。
(なんか、うまく言えませんが、広い部屋が次から次へと繋がっているだけの
場所は面白みがないというか、絵を観るのに飽きてしまうというか‥そんな
気になったことが過去に何度かあったから、です。)


肝心の内容はどうなのかと言えば‥。
ピュリスムというものを、このたびの展覧会で、(わたし)初めて知りました。

キュビズムは知っていたのですが、そのキュビズム(立体派)が第二隆盛期を
迎えた1920年代に、正確には1918年末、ピュリスム(純粋主義)の運動は
シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(のちのコルビュジエです)と
画家アメデ・オザンファンが共同で開いた絵画展によって始まったのだそうです。

キュビズムがいくつもの視点からみた対象物を1枚のキャンバスに表したものに
対して、ピュリスムは、正面からと、上からの、二つの視点からの静物を
ひとつのキャンバスで再構成したものだという会場内のビデオの説明が、わたしには
一番わかりやすいものでしたが、サイト内の見どころで詳しく説明されているので、
ぜひ読んでみてください。

絵画と建築見本の他に、コルビュジエデザインの家具もあり、ああいう家に住むのなら
家具だって、それにふさわしいものを置きたくなるよねえ?と、つい思ってしまう、
シンプルで機能的な、そして美しいものでした。


会場は、自然な動線で、常設展へと続いていて‥これがまたなかなかの見応えでして。
次の企画展の「松方コレクション展」のことも思いながら、原田マハ著の印象派に
ついての本も思いだしながら、楽しみました。





そしてそして、原田マハさんの『たゆたえども沈まず』で知った、林忠正さんに
ついての展示
ももれなく観ることができて、なんとも濃い時間でした。







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いっすんぼうし メアリー・スミス

2019-03-15 17:25:02 | ひらきよみ(読み聞かせ)

本日は今年度最後の読み聞かせ当番でした。
3年生のクラスで2冊読んできました。

最初に、今回の「届ける絵本」『いっすんぼうし



先日原画を観てきたばかりで、なんか親近感‥ふふ。


こどもが欲しいと思ったおじいさんとおばあさんが、「おてんとうさま」に
お願いをするところから、お話が始まるのがとてもいいなあと思います。
冒頭を端折ることもできると思うのですが(こどものいないおじいさん、
おばあさんのところに小さな男の子が生まれました‥とか)、やはり願わなくては
何事も叶わないなあというか‥。そしてそのお願いを「おてんとうさま」に
するというのもとても自然に思えます。

都へのぼるまでも、とても丁寧に描かれています。
途中、ありに尋ねると、ありは、「たんぽぽよこちょう、つくしのはずれ」
応えます。いいですよね~この感じ笑。そして、そのとおり歩いていくと

おおきなかわが、まんまんと ながれていました。


みやこへのぼってからのいっすんぼうし、実に堂々していて凛々しいです。
姫をさらっていこうとする鬼が現れた時も、
「そうは させぬぞ。いっすんぼうし ここにあり!」とさけびました。

うちでのこづち
で大きくなり、最後は姫と結婚してしあわせに暮らした
いっすんぼうし。なによりのエンディングです。



むかし話っていいなあと思いながら、読みました。
聞いている3年生も、時折笑いながら、物語の成り行きを楽しんでいる
ようでした。



もう1冊は、東京こども図書館編『よみきかえのきほん』に載っていた
こちらを読んでみました。

メアリー・スミス



今回初めてこの絵本も、絵本に描かれているような「職業」があったことも
知りました。

労働者階級の家々に、まだ目覚まし時計が普及がしていなかった頃、イギリスで、
一軒一軒訪ねては、起こしてまわるというお仕事をしている方々がいたそうで‥
表紙に描かれているメアリー・スミスは、ストローに豆を詰めて、それを勢いよく
吹いて、窓ガラスに当てて起こしていました。
(ご本人の写真がとっても説得力ありますねー)


読み始める前に、「私たちの周りには今はこういう職業の人はいないと思うのですが、
その昔、イギリスで本当にあった職業のおはなしです」と言って、写真を見せると
「おおっ」と軽くどよめきが笑。
読み終わったあとに、何のお仕事か訊くので、よくお話聴いててね、と言ってから
読み始めました。

英語では ノッカー・アップ というそうで‥日本語では「めざまし屋」と
訳されています。
「起こし屋さん」とか、「早起きさせるしごと」とか口々に言う子たちの中で
ひとりだけ正解者が居ました。



昨年の5月から始まった今年度の活動も、本日で終了です。
私は32冊の絵本を読みました。
自分の娘はとうに小学校を卒業しているので、学校行事とともに
1年間を過ごしている感覚は年々薄れていき、気が付くと季節が変わり、
3学期も終わろうとしているといった感じですが、絵本に接し、声を出して
読む練習をし、クラスで読み、読み終わったあとに、仲間と話し合ったり
情報を交換したり、共有したり‥といった時間は自分にとっては
なくてはならない大切なものだと、あらためて思う次第です。
新しい絵本は次々と出てくるし、知らない絵本はまだまだあるし、
どの学年の子供たちの瞳も、いつのときも輝いているし。
楽しみは尽きません。

 

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マイ・ブックショップ@恵比寿ガーデンシネマ

2019-03-13 17:05:22 | 好きなもの・映画やDVD

えーと。
この映画も、土曜日の朝の、渡辺祐さんのご紹介で
知りました。


 マイ・ブックショップ


出だし、というか、前半部分を聞き逃してしまい、なんとなく
理解していたのは、主人公の女性がとある街で本屋さんを開いたの
だけれど、街の有力者でそれをよく思わない人がいて、苦労するはなし‥。

「本が好きな人はもちろんですが、これから起業しようと思っている
方にもお薦めの映画です」と、祐(たすく)さん。
それならば、ぜひ観に行ってみなくては‥とわたし。


というわけで、
公開初日に、夫とともに、久しぶりに恵比寿へ出かけました。

結論から言うと、地味によい映画でした。
最後のさいごのシーンで、「あ、そういうことだったのか!」と
気が付き、邦題に付けられた「マイ」の意味が生きてくるなあと思いました。
(オリジナルタイトルは『BOOK SHOP』。たいていの場合、オリジナルの
方が断然よくて、なんで邦題だと余計なものまで付けてしまうのかなーと
思っていますが‥)


ストーリー以外の「見どころ」として、イングランドの海辺の風景や、
1950年代終わり頃の衣装や、小物がステキ、と書いてありましたが、
ほんとその通りで‥特に女の子の服がとてもかわいらしかったです。

帰ろうとしたら、ぴあのスタッフ(バイト?)の若い子が、
「点数をつけるとしたら何点ですか?」と訊いてきたので、私思わず
「78点かな」と、辛口でつけてしまいましたが(笑)、今思うと、88点は
行くかなー。
(その時は、たすくさんのコメントとちょっと違ったなー
フローレンスがちょっと可哀相と思ってしまったのでした)




ビールを一杯だけ飲んで、外へ出たら、とっても好きな薄い三日月が
出ていました。(この画像では見えませんね笑)



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そらいろのたね まめつぶこぞうパトゥフェ 

2019-03-08 16:16:10 | ひらきよみ(読み聞かせ)

今日は、2年生のクラスでの読み聞かせの当番日でした。
ひとりで2冊と「おまけ」を読んできました。

最初に読んだのは今回の「届ける絵本」、『そらいろのたね』。
もう何度読んだでしょうねえ‥



ゆうじときつねがそれぞれの「たからもの」を交換したところから
お話は始まり、ゆうじがきつねから貰った「そらいろのたね」を
まくと、小さな家が生えてきます。
ゆうじがじょうろでお水をあげると、家はどんどん大きくなっていき、
子供が100人、動物が100匹、鳥が100羽入れるほどに。
そこへきつねが現れ、自分が持っていた種がそんなふうに発展して
いったことを聞かされると、飛行機は返すので、家も返して欲しいと
言い始めます。

どんどん大きくなる家を面白がっていた2年生も、きつねの再登場場面では
シーンと固まってしまい、そのあとの展開を見守ります。
それまでの元気のよさが一転し、心配そうな顔になっていくのが、
読み手としては、かわいいやら、面白いやら、と思ってしまいますね(笑)。

あっけらんからとした終わり方も含め、大好きなお話です。





2冊目に選んだのは、先日の「はじめましての絵本たち」で購入した
この絵本。
  『まめつぶこぞうパトゥフェ

長さがちょうどよいのと、内容的にも低学年向きかなーと思い、
初めて読んでみましたが、こちらも、物語の終わり方は、『そらいろのたね』に
負けず劣らず、あっさりと!で、2年生よりも、担任の若い男の先生に受けた
感じでした(笑)。


パトゥフェは、とても小さいけれど、よくうごき、なんでもやりたがり、
どこにでもいきたがりました。

ある日、おかあさんのおつかいに成功したことに気をよくし、畑に居る
おとうさんにお弁当を届けに行くのですが、途中で雨が降ってきてしまい、

おべんんとうがぬれてはたいへんと、
キャベツのはっぱの下にもぐりこみました。

ちょうどそこへ、牛がやってきて、キャベツのはっぱといっしょに、
パトゥフェをのみこんでしまいました。

懸命に探す両親の声を聞いて、パトゥフェは牛のおなかの中から精一杯
歌いますが、両親には聞こえません。

ぼくは 牛の おなかのなかさ
ここなら 雨に ぬれないよ
牛が ブーッと おならをすれば
ぼくは 外に とびだすよ


そして最後はパトゥフェの歌の通り、牛のおならとともに飛び出して
めでたし、めでたしです。

キャベツの葉の下に隠れたところからの展開が急なので、子供たちは
え?これでもう終わりという感じでした。



少しだけ時間があったので「おまけ」として、『ことばのこばこ』から
⑤の、ひとつ、ふたつ、と数えていくページを紹介して、終わりにしました。






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絵本にみる日本画@佐藤美術館

2019-03-07 16:49:28 | 好きなもの・美術館や展覧会

会期は終わったしまったのですが、覚書として残して
おきたいと思いました。




佐藤美術館
今回FBで情報を知り、初めて訪れました。
千駄ヶ谷駅から5分ほどのところのマンションの2階が、受付とショップで、
3階から5階が展示室でした。

ポスターにもあるように、秋野不矩さんの『きんいろのしか』の原画が
観たくて出かけましたが、秋野さんの絵本の作品はその他に『いっすんぼうし
があり、他は、朝倉摂さん、岡村桂三郎さん、福居江太郎さんの原画がありました。

浜松にある秋野不矩美術館に行ってみたいと思い始めてから、何年が
たつでしょう。。。。

『きんいろのしか』の絵本は今は発売されていないようなので、再販される頃には
私も訪れることができるでしょうか。


それにしても、日本画はとてもゴージャスですね。
印刷で表すことが難しいキラキラが、随所に見られ、堪能致しました。

『いっすんぼうし』も、ストーリーを追ってから絵をみたときよりも、
原画とともに、文を追ったほうが、ココロにすとんと入ってくるようでした。

  




それとこちらの『たつのこたろう』の原画も見応えがありました。





日曜日の夕方にひとりで行ったのですが、どのフロアも
ほぼ貸し切り状態で‥とても贅沢な時間でした。


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グリーンブック@MOVIX川口

2019-03-05 17:20:43 | 好きなもの・映画やDVD

このチラシができたときには「大本命」でしたが、
見事、「作品賞」含む三冠に輝きましたねー。



グリーンブック

公開されるのを待ちのぞんでいたので、早速3日の日曜日に
夫と一緒に観に行ってきました。


ほんと前評判通りの、(J-waveの土曜日朝の番組内で、たすくさんが
毎週お薦めの映画を紹介するコーナーがあるのですが、そこでも
『全員が観た方がいいです』ときっぱりおっしゃっていました笑)
観てよかったなあと、ココロから思う映画でした。


タイトルの「グリーンブック」とは、有色人種がアメリカの南部を
旅するときのガイドブックのことで、映画の中でも、もしも黒人が
旅行することなんかがあればね、と平気で言っていたように、時は
1962年、まだまだ根強い差別が横行していた頃の話です。

主役は、チラシの中の左側のドライヴァー、トニー。
運転だけではなく、マネージメントと用心棒も兼ねています。
どなたかおわかりになりますか?
あの、リングスのアラゴルンさまなんですよーーーー!
ここまで太って、ここまで品のないセリフを言うなんて、演技とはいえ、
大変だっただろうなあと思いました(笑)。

後ろに乗ってる高貴な印象が漂いまくりなのが、ドクター・シャーリー。
(演じているのは『ムーンライト』に出ていたマハーシャラ・アリ。
こちらは逆に、痩せて研ぎ澄まされた感じになっていますねえ)
天才ピアニストにして、いくつもの博士号も持ち(なのでドクター
呼ばれています)、なんと、あのカーネーギーホールの上に住んでいます。

演奏旅行で南部に出かけるドクター・シャーリーに、その腕っぷしの強さを
見込まれて雇われたのがトニー。
生まれも育ちも、文化的背景もなにもかも違う二人のロード・ムービーに
して、実話です。


よかった場面、よかったセリフ、いくつもありましたが。
シャーリーの演奏シーンはどれも素晴らしく、なかでも、最初のトリオでの
演奏シーンではぐっときました。その曲をもう一度聴くためにもう一度
観に行きたいくらいです。

ココロにずっと留まっているセリフはこちら。
すぐに暴力をふるってしまうトニーに対して、シャーリーが言うのですが。


威厳を保ったときにだけ勝てる、
いちばん大切なのは、品位を保つことだ、と訳されていたように思います。

You only win when you maintain your dignity.




日々の中で納得のいかない場面、思わず腹をたててしまうような言動を
前にしたとき、ドクター・シャーリーのこの言葉と彼の振る舞いを思い起こし、
しゃんと背筋を伸ばし、正しく美しい言葉で対処したいなあと思いました。

『グリーンブック』、ぜひぜひ。


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