my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

古くなるものならぬもの

2013-01-29 15:56:19 | 好きな本

今年最初の読書は、この本からになりました。



フィリップ・マーロウ、レイモンド・チャンドラー、そしてハードボイルド。
どれも、聞いたことはあるけれど、語ることはとてもできません。

春樹氏が、敬愛するチャンドラーの作品の新訳を数年前から出し始めたことも
知っていましたが、いつかは読むかもしれないけど、今ではないなという気が
いつもしていて‥でも、昨年12月に出たこの本が、マーロウシリーズの1作目
なのだと知り、読み始めるならやっぱり最初から、と思ったのでした。


この作品が発表されたのは1939年で、日本では1956年に双葉十三郎訳で
出版され、その後1959年に文庫版が出たことで広く流通してきたそうです。

読んでいて、さすがにこんなことは今はしないよね、という場面もありますが‥
車の中で、激怒した女性が、持っていたハンカチを噛みちぎり、窓の外に
投げ捨てる‥ヒステリックになった女性がハンカチを噛んでいる絵は
みたことありますが、噛みちぎってばらばらにしてしまうなんて!です。
(本当にそんなことしている人を私は見たことありませが、小説の中で
書かれているくらいだから、怒りのはけ口の手段の一つとして存在していた
行いなのでしょうか‥。)

でもそれとは逆に、いくら時間がたっても、全然古びた感じがしないどころか
春樹氏はこういう描写に影響を受けたのではないかな、と思ったところも
ありました。

 私はそれを気にはしなかった。彼女がどうのように罵ろうが、誰が私を
どうように罵ろうが、知ったことではない。しかしそこは私がこれからも
住んでいかなければならない部屋だ。私にとって我が家(ホーム)と呼べる
ものは、ここの他にはない。その中にあるものはすべて私のものだ。私と
何かしらの関わりを持ち、何かしらの過去を持ち、家族の代わりをつとめる
ものたちだ。たいしたものはない。何冊かの本、写真、ラジオ、チェスの駒、
古い手紙、その程度のものだ、とくに価値はない。でもそこには私の思い出
のすべてがしみ込んでいる。


そして、フィリップ・マーロウの魅力は、半世紀以上の時間がたっても、色褪せる
ことはないのかなーと思います。
あとがきで、春樹氏はこんなふうに書いています。

 しかしマーロウには、今彼が送っている以外の生き方を選ぶことはできない。
それがどのような過酷さをもたらすことになるにせよ、自由であること、組織や
規則に縛り付けられないこと、自分の決めた原則を守り抜くこと、相手よりも
少しでも速く銃を抜くこと、それらがマーロウという人間の骨にまで染み込んだ
ネイチャーになっているのだ。


ふう、かっこいいですね~。
マーロウシリーズの続きを、ぼちぼち読んでいくことにしようと思います。





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蓋のずれる音

2013-01-28 17:20:29 | ふと思ったこと

こういう気持ちには、どんな名前をつけたらいいんでしょうね。

やっぱり、懐かしさ、かな。

6月にひらかれる高校の同窓会の、案内状発送などの手伝いをすることになり、
6月ではなくて、来月に、その係をしている同級生何人かに会うことになりそうなんです。

30年来のつきあいを続けている友も何人も居て、互いの夫や子どもの成長ぶりを
よく知っていますが、そうじゃない人たちに会うのはやっぱりすごく緊張します。

そんなことをゆうべから(ゆうべ依頼のメールがきたのです)つらつら考えていて‥
懐かしさだけではない、フクザツな気持ちがゆらゆらと、心の中の「蓋」を押し上げて
いるみたいです。

蓋があいたら、何がでてくるんでしょう。

高1の娘を持っている自分が、自分の高校1年生の時を振り返って色々思い出してる、
なんて、高校1年だったかつての自分にそういう時を想像することなんてとても
できなかったな。

とりあえず、懐かしい本、2冊、あげておこう。




限りなく透明に近いブルー。
クラスの中で、回し読みしたけれど、この本を「共有」するなんて、今のうちのrには
考えられないんですが‥。

中沢けいさんの『楽隊のうさぎ』はrも読んでいて‥高校のときにね、なんて話をちょっと
しようかなーなんて思ったら、あああの新聞に載ってたおばさんでしょ、(吹奏楽コンクール
関係の新聞記事で著者ともに紹介されていたのです)と言われ、それで終わってしまったの
でした。

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あこがれを育んでくれたひと

2013-01-23 18:00:14 | 想うこと

今朝 作家の常盤新平さんの訃報を知りました。
81歳と書いてありました。

常盤さんの著作をそんなにたくさん読んでいたわけではないのですが、
『夏服を着た女たち』や、『ニューヨークは闇につつまれて』というタイトルを
懐かしい気持ちで思い出しました。



ニューヨークへ行ってみたいという気持ちが先だったのか、
それとも、常盤さんが訳したアーウィン・ショーの小説を読んでいるうちに
憧れる気持ちが増していったのかー今となっては思いだすことが難しい
25年くらい前のことです。

本の中のマンハッタンは、1980年代半ばよりも、さらに前の「時」が
描かれていたけれど、でも、流れている空気は期待を高めてくれる
ものだったような気がします。

1987年に初めて旅行で訪れて、1992年4月から1年余り暮らしてみて‥
帰国後はまたただの旅行者に戻ってしまったけれど、グリニッチビレッジに
ぎりぎり入る14丁目で暮らしたその時間は、私もニューヨーカーだったと
言ってもいいのかなーと、時々胸の中でつぶやきます。

・・・・・・

時は流れ。

暮らしの手帖の160ページに、毎号「ニューヨーカー・ニューヨーカー」という
コラムを常盤さんが連載しているのを見つけました。
雑誌「NEW YORKER」に掲載された記事の中から、常盤さんが
興味を持ったものについて書いていく、という内容です。

いつ、この連載を知ったのかは忘れてしまいましたが、そうか、こういう目標が
あるじゃない、とその時私は思ったのでした。
いつか雑誌「NEW YORKER」をそのまま英語で読めるくらい、英語の勉強を
続けるということです。会話は相手が必要だけれど、読書だったら、辞書を引く
ことだったら、ひとりでもできるのだから。

2009年の12-1月号には、こんなことが書かれていました。

 けれども、料理や食事の英語が難しい。短い囲み記事なのだが、
 十回以上も辞書を引く。こうして一生を終えるのかもしれない。
 高校英語から一歩を進歩していないようだ。

たくさんの翻訳をなさった常盤さんでさえ、こんなふうに感じることもある、
ということに少し驚き、そして逆に少し励まされたような気持ちにもなりました。
高校英語から、まずおいてきぼりにされないように、そこからがんばろうと。

これは新しい「あこがれ」です。

いつかまた、ニューヨークを訪れる時のために?
頭の中の老化防止のために? いえ、それだけじゃなくて、あの頃の気配のような、
空気のようなものをすぐに思い出すことができるために、です。


常盤新平さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。






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吹奏楽の「お知らせ」です

2013-01-09 14:23:09 | 日々のこと

娘rから、たのまれた「お知らせ」です。

1月12日土曜日、川口駅西口、川口総合文化センター・リリアにて
芸術文化ふれあいフェアという催しが行われます。

   

4階音楽ホールで、11時半~1時間くらい、吹奏楽の演奏とダンスを交えた
ステージがあるのですが、埼玉県吹奏楽連盟として、娘の通っている高校の
吹部が演奏します。

また同日午後からは、1階催し広場で、14時~と15時15分からの2回、
楽器を使ったワークショップも開催されます。

午後の方は、小さなお子様連れの方も参加できる内容なのではないかと
思います。

ただ午後の方は、事前申し込みが必要みたいで、こんなふうに書かれていました。

※下記の電話番号にお電話ください。
<事務局>
  埼玉県教育局市町村支援部生涯学習文化財課内
  芸術文化推進担当 Tel048-830-6925
※事前申込のイベントについては、定員になり次第締め切り
  となります。ただし、当日参加が可能な場合もございます。
  事務局までお問い合わせください。

(催し広場は定員130名という小さな会場なので、申し込み制にしたのかなーと
推察していますが、当日参加大丈夫なんじゃないでしょうか‥)


お時間ございましたら、どうぞよろしくお願いします。



*rの担当はテナーサックスです。
*高校はさいたま市にあって、川口から通っている子は部内に数名なので、なんとなく
 川口市民としても協力しないと、という気持ちになっています(笑)

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最初の1週間

2013-01-07 17:20:27 | 日々のこと

2013年が始まってから1週間が経ちました。

偶数年、偶数月、偶数日生まれのせいか(笑)、奇数年はなんか
しっくりこないというか、身構えてしまうようなところがありますが、
なんとかやっていかないと、と思っています。

まずは、家族と自分が健康が居られることをいちばんとし、あとは
日々の細々をおろそかにしないこと、やろうと思ってぐずぐずしているよりは、
思った時にすぐにやり始めること(昨年からの継続努力課題)を、意識して
いきたいと思います。

そしてできれば、というか、すぐにできなくなってしまうのですが、
毎日の手帳を、きれいな字で書きたいです・笑。


・・・・・


初めの1週間はこんな感じで過ぎました。

1日  毎日早起きして、空が明るくなるところを見ていたのに、大晦日起きていたせいで、
     8時半起床。すっかり外は明るくなり、久しぶりにたくさん眠れて嬉しかった反面、
     なんかとっても損をしたみたいな気持ちでした。
     妹一家とのごはん。高校生3人、大学生ひとりを含む9人で、食卓をぎゅうぎゅうで囲みました。

2日  待ちに待った映画『ホビット』鑑賞。越谷レイクタウンに朝8時半に行ってしまいました。
     もちろん他にも映画館あるんですが、午前映画、午後娘の買い物という超ハードな
     予定をこなすのには最適かと(笑)。私と夫は行ったことがないショッピングセンター
     だったので、それはそれで楽しめました。

3日  運動はじめ。ヨガのレッスンに行きました。

4日  午後から世田谷美術館へ。松本竣介展を観ました。たっぷり2時間半かかりましが
     とてもよかったです。

5日  午前スポーツクラブ、午後テレビドラマ「ダブルフェイス」10月放送分の録画を観る。

6日  午前スポーツクラブ、午後テレビドラマ「ダブルフェイス」5日放送分の録画を観る。


今、頭の中は、ホビットの中で流れたドワーフの歌と、昨日観たダブルフェイスの西島さんが
行ったりきたりしている状況です。
まだ、今年の読書は始まっていないので、何から読もうかと考え中。


・・・・・

 

ことしもどうぞ、おつきあいよろしくお願いいたします。

 

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