翌日の日曜日は、丸の内丸善で行われた、ささめやゆきさんの
新作絵本原画展示と、トーク&サイン会に、娘と出かけていきました。
こちらがその新作。
ものがたりはなく、椅子や椅子のある風景、椅子とともに居る人が
短い詩のような文とともに、描かれています。
原画は一枚づつ額におさめられ、タイトルがつけられていました。
私が一番好きだったのはこの絵。
この世〈夜〉の始まり
人はみな、自分の座るべき椅子があってこの世に生まれてくると
いうことでしょうか。
コンサートが始まる前のわくわく感とあいまって、とても好きだなと
思いました。
ささめやゆきさんの絵や絵本は好きで、読んだり買ったりしてきましたが、
原画をみるのも、ご本人にお会いするのもその日が初めて。
おれ、ここに居ていいのかなあと申し訳なさそうに、自信なさそうに
お話する様子にとても好感を持ちました。
「絵は、自分が思って描けるものじゃない。自分はただ手を動かし続けるだけ。
そのうちになんか線が紙の上に現れ出して、それに気が付いて
自分はその線をなぞっているだけだから。」
「この絵は何を表していますか?とよく訊かれるけれど、そんなこと自分にも
わからない。
絵は、絵を見た人が、何かを感じるものだから。」
こんなささめやさんの言葉に、昨日の「白い時間」ここまで続いていた!と思い、
ゆったりと満ちてくるものをこの日曜日も感じたのでした。
もう10日(まだ10日?)前になってしまいましたが、ギャラリーらふとに
クロヌマさんの「白い時間」を観にいきました。
らふとといえば、秋の楽しみ「工房からの風」が行われるコルトンプラザの
お庭にたつ小屋ギャラリー。
「工房からの風」の出展者さんなどの工芸作品展示や、ワークショップが
行われているところです。
クロヌマさんも、2013年の出展者のお一人で、果物や、動物の木彫作品が
とても印象的でしたが、今回は、まったく新しい作品のみで構成されるということと、
いただいたDMの写真がとても印象深かったので、いつもにも増して期待を胸に
出かけました。
その土曜日は、朝の雨が午後には上った薄曇り。
お庭の桜は、6分は散っていたでしょうか。時折の風に吹かれとても美しい光景
でした。
クロヌマさんの作品やそれに対する心持ち、また企画者の想いなどは
どうぞこちらのリンク先で読んでみてください。
★ director's voice
☆ クロヌマさんサイト
・・・私は、土曜の午後の、その空間に居られる喜びと、工芸とアートの
ちょうど中間に位置するような「作品」に触れられる喜びの、両方を
ゆっくりとゆっくりと吸って、吐いて、吸って‥そう呼吸していました。
庭に一歩踏み込んだときから、もうその作品世界に入っているような、
小屋ギャラリー全部まるごとが、そもそも作品なのでは?的な、
今思い出してみると、不思議な感覚に陥りそうです。
「ここまで来るのに10年かかった」と言ったディレクターIさんの言葉に
私も私の10年を重ね、さらに思い出深い日となったのでした。
*4月11日土曜お庭の様子など。