夫の実家が三重県四日市市にあるので、年2回は「帰って」いたのに、メリーゴーランドという子どもの本の専門店があることを、娘が生まれてからもずっと知らずにいました。
この夏の帰省目的(?)のひとつは、その「メリーゴーランド」へ行ってみること。8月11日の午後2時頃名古屋へ着き、その日のうちにまず1回、そして帰る前の16日の夕方にも行くことができました。
雑誌MOE2006年7月号で、入口や店内の様子は見ていたものの、ウインドウディスプレイにまず目を奪われました。長新太さんの本が、そこを飾っていたものですから。
7月には四日市文化会館で、「長新太・チョウシンタの世界」展を開催していたとのことです。それに伴うレクチャーの内容も、ゲストの顔ぶれも、凄いのひとことです。ひとつのお店の主催で(しかも東京から離れている場所で)、こんな【濃い】ことが行われていたなんて、それだけでも、店主のひげのおっさんこと増田さんが、ただものではないことと、30年の、お店の歴史を感じます。
9月のLECTUREも凄いですよ~ 9月24日日曜日。
谷川俊太郎さんと谷川賢作さんがお二人でお見えになります。(午後2時~午後4時半)そして、その後夕方6時からは小室等さんのLive。そこにも谷川親子はゲスト出演するようです。こんな豪華プログラムで、レクチャーとライブ両方を前売りで買えば、6,000円です。あ~、四日市に住もうかなあ。
10月22日には神沢利子さんが、11月19日にはいしいしんじさんが来ると、「メリーゴーランドしんぶん」に書いてありました。
話を絵本のことに戻します。
私、メリーゴーランドへ行けば 『ムニャムニャゆきのバス』買えるのでは、と期待していたのです。7月に長さんの特集をしていたし、ウインドウディスプレイだって、長さんの本のままだったから。
しかし、いくら探しても、やはりムニャムニャは見つかりませんでした。ちょっとがっかりしましたが、気落ちしている暇ももったいないほど、見たい、読みたい、開きたい絵本が店内には満載でした。
11日には、オリジナルのエコバッグを買って、絵本を2冊買いました。あんなに長さんモードで、お店に入ったのに、買ったのは、 『きんのことり』と『父さんのたこはせかいいち』 どっちも、あまんきみこ&荒井良二、です。『きんの~』は前から読んでみたいと思っていた本で、『父さんの~』は初めて見た絵本だったので、自分の中の法則に逆らえませんでした(笑)。
それでも、やっぱり気になる長さんの絵本があって‥。それをもう一度見るために、16日にも行きました。行ったお陰で、11日には気が着かなかった素敵なものを見ることもできました。
カウンターの後ろに絵がかけてあって、額に中に荒井良二さんとあべ弘士さんの絵が半々になっているんです。聞いてみたところ「今年の春にケニアに行った時、一緒に行ったお客さまが、後から作ってくれたんですよ」とのこと。ケニアって!? アフリカのケニアに行くそういうツアーがあったんだあ、と親子で感心して見ていたら‥。
「荒井さん、すっかり有名になりましたよね。でもうちにも年に1度は来てくれるんですよ。裏の駐車場へ続く出口、使われました?そこから外へ出たところの壁に、荒井さんが絵を描いてくれたんですよ」 とお店の方。
出てみてびっくり。こんなふうに↓なってました。
一部拡大は、こんな感じです。
いいもの見せてもらったなあと、清々しい気持ちでメリーゴーランドを後にしました。
あ。16日に買った絵本は『そよそよとかぜがふいている』長新太作と、 『NO IDEA』 です。後者の本は、安西水丸・和田誠・村上春樹好きにはたまりません。
こんな楽しい絵本の存在、みなさんご存知でしたか?
私は以前、percyさんのblog「バンザイ」で紹介されていたので、知ってはいたのですが、
実物を見たのは京都の恵文社一乗寺店さんに行った時でした。
恵文社一乗寺店は、ほんとうに魅力的なお店でした。もし生まれ変わったら、京都の
美大に進学して、毎日のように自転車で通いたいくらいです(笑)。
絵本のためのスペースは、生活館の方もあわせると、1/6ぐらいでしょうか‥。
他にもアート、写真、音楽、リビング、料理、小説などなど、どれをとっても好みのラインナップで、
どっから見ていいのか、頭の中がくらくらしたほど。絵本を見て、別の棚に移って、雑貨を
見て、また絵本に戻って、写真集を見て、絵本に戻って‥の繰り返しの中で、(やっと
しぼって)3冊の本を買いました。そのうちの1冊がこの本です。
『にせニセことわざずかん』
荒井良二 作
もともとは、福音館書店の「おおきなポケット」に連載していたようです。(連載時は
「似せニセことわざ図鑑」1998年4月号から2000年3月号)加筆修正、再構成されて、
のら書店より2004年に発行されました。写真だと、わかりませんが、縦13cm、横19cmの
小振りの絵本です。
見開きに右側に、ほんとのことわざが一つか、二つ。
左側には、にせニセのことわざと、それにちなんだイラストが描かれています。
お気に入りはたくさんありますが‥。
「とどのつまり」と「団栗(どんぐり)の背比べ」→
トドのまつり と どんぐり乗せくらべ
っていうのが、かなり好きです。
トドの村(?)でのお祭りで、どれくらいの数のどんぐりを、参加者のトドたちが、手の平
(前足)に乗せることができるかを競う「どんぐりのせ大会」。その様子が、とてもリアルに
荒井良二さんのイラストで、再現されています。
毎晩寝る前に、「ことわざずかん」で学んでいたのことが、影響したのでしょうか‥。
娘が先日、こんな「にせニセ題名ずかん」を作っていました。
「フラダンスの犬」
「はがズキンちゃん」
他にも、顔がうなぎの白焼きになっている「しらやきひめ」や、裏側だけが縞柄になって
いる服を着ている「うら・シマたろう」というのもありました。
この夏の娘のお気に入りの本、『ジュディ・モードはごきげんななめ』のジュディ・モードを
もじった「ジュディ・モードー(盲導)」は、盲導犬に思いっきり引っ張られている、ジュディの
絵が描かれていました。
夏休みの間、娘が一番熱心にしていたことは「お絵描き」だったようです。
※あの‥よくよく聞いてみたら、この「にせニセ題名ずかん」、タイトルは
ほとんど夫が考えたのだそうです。すいません。なんかすべて娘が一人で
やったみたいなこと書いてしまいました。でも、絵はすべて娘rのオリジナルだそうです。
夏休みも残すところ3日となりました。過ぎてみれば、あっという間ですね。
先週末、やっと「親子で挑戦」した親子うさぎが完成しました。
「こんにちは。わたしはうさぎのリリィです。」
「はじめまして。かあさんうさぎのミミィと申します。
耳が柔らかい、耳くた・うさぎです。」
困難も多々ありましたが、出来上がってみるとかわいいです。娘はこれにメイキング・ブック「うさぎの作り方」をつけるために、今せっせと書いています。
かあさんうさぎは、「娘の10歳記念&私の母親10周年記念」ですね。
真ん中がお手本です。おんなじ型紙を使っているのに、出来上がった顔はこうもちがうのですね。
電球顔(母うさぎ)と丸顔(子うさぎ)になってしまいました~。
帰省旅行から戻って1週間、京都への旅行からは10日以上もたってしまいましたが、やっと8月13日のことを書く時間ができました。
今回の京都旅行は、帰省中の楽しみとして義母&義妹が計画してくれたのですが、私にとっては願ってもない嬉しい旅行でした。前々からの、修学旅行以来の京都の街を歩いてみたいという漠然した思いに加えて、ブログを通して知り合った京都の方と、もしかしたら、いつの日か京都で会えるかも、という気持ちが膨らんでいたからなのでした。
図々しいなあと思いつつも、今回を逃したら、いつ行かれるかわからないので、思いきってその方、「このはなみ★録」このはなさん に連絡をとってみたところ、なんとも嬉しいお返事を頂いて‥。13日の昼過ぎに宿泊先のホテルまで迎えに来てくださることにもなったのです。
13日の、約束した時間までのワクワクとどきどきは、なんと言ったらいいのでしょう。ずっとずっと昔のデート前夜のようでした(笑)。
このはなさんとは、私がブログを始めてすぐの頃にコメントのやり取りをさせて頂いて‥たしか、その最初は、谷川俊太郎文、長新太絵の『わたし』だったと思うですが‥しだいに、年齢が近いことなども知ったし、昨年9月の夫の写真展の際、その記事を載せようかどうか迷っていて、結局は実行した私にとても暖かい言葉をくれたのもこのはなさんで‥ブログを通して、このはなさんの存在を知ったことで、京都という街に親しみを覚えはじめた自分を感じてました(天気予報さえも、なんだか気になったりして‥)。
遠くて近い存在のブログ友だちと会う、というのは、なんとも不思議な気持ちです。なにしろ、この1年間のこと、実際に顔を合わせている人たちよりも、ずっと詳しく知っているのに、互いの顔は知らないのですから。
このはなさんは、想像していた通りの京美人でした。柔らかい話し言葉とこころつかい、同年代として見習わなくては‥です。ただひとつ意外な気がしたのは、自分が勝手にロングヘアだと思い込んでいたところ。以前、着物をお召しになった後ろ姿の写真を見ていたせいか、髪をアップにしている、そんなイメージがあったのですね。
ホテルに迎えに来てもらった上に、なんとお休みのご主人が、「ペンネンネネム」まで、車で送ってくれたのです。ほんとに何から何までお世話になってるくせに、車に乗ってるときの私、ほとんど緊張してなかったんです。図々しいなあと思いながらも、結構リラックスしている自分がなんだかおかしかった‥。
絵本ブログで知り合った絵本好きの友(しかも京美人)。ペンネンネネムに居る状況で、これほど完璧な設定はないなあと、お店の中で思ってました。
お昼ごはんを食べおわった頃、気がついたら雨が降ってきたのです。お店の縁側から小さいお庭が見えるのですが、そこから仰ぎ見た空はたしかにグレーで、さらさらと雨が落ちてきているのですが、ひょっとしたら、このお店ならではの演出なのでは?と思ってみたくなるくらい、その場に雨が似合っていました。
思わぬ足どめとなってしまった雨ですが、濡れるのを覚悟で外に出てみたら、いつ間にか上がっていて‥確かにお店を出るまでは降っていたはずなのに、あの路地を歩いている間に雲が流れていったのでしょうか。そんな不思議と、思わぬ長居となってしまったお店の中でのおしゃべりは、ほんとに楽しい時間でした。その後の観光を忘れて、ずっとずっとお話していたいという気持ちでいっぱいでした。(でも観光ももちろんしたい)
その後タクシーに乗って向かったのは、八坂神社。このはなさんは、そこでお宮参りをしたそうです。生粋の京都の女(ひと)なんだなあと、そんなところでも、感激していた私でした。
途中、雨が入ってしまったせいで、ホテルに帰る約束の時間が近づき、清水寺へのお参りは、お店にも入らず、お茶もカキ氷も食べず、ひたすら歩いていました。(今思えば、あんなにがんばらず、どこかで休んでもよかったのにと苦笑がでるほど‥)
大抵の人が修学旅行では行っていると思われる清水寺。中学、高校の2度の旅行で行ったにもかかわらず、そこへは行ったことがありませんでした。ひたすらゆるい石段をのぼって、蒸し暑い空気に包まれて‥でも、あの大舞台へ着いたときは、清々しい感動を味わいました。来てよかった、と思いました。緑の輝きが違ってみえましたね‥。
ペンネンネネムの店内の様子、京都市内の写真、ぜひ撮って何枚か載せたかったのですが、愛用のデジ君を、別行動の娘に貸してしまったのです。しかたないから、ないよりましと、フィルム付きカメラを買って歩いてうちに、その写真をプリントして、13日の分だけのアルバムを作ることを思いつきました。そしたら、急にデジカメがないことが気にならなくなってきて、うきうき気分倍増でした。(ただアルバムがいつできあがるかはわかりませんが)
そんなアルバム作りまで思い立って、うきうきして。昔から知っていた友のように、このはなさんとおしゃべりして、街を歩いて、お寺に行って。姿かたちは無理があるとは思いますが(笑)、気持ちはまるで女学生でした、13日に京都にいたわたし。
このはなさん、ほんとに、どうもありがとう。また遊びに行きますね。
今日8月22日は、娘の10歳の誕生日です。
自分の年齢が一桁から二桁になったことが、娘はとても嬉しい様子。
保育園の修了式の時に「rちゃんは何をするのにも決して諦めず、最後までがんばって
いましたね」と、先生から言われたように、頑張り屋さんだなあと、私も思っています
(少々融通が効かないところがありますが)。すくすくとのびのびと育ってくれただけで、
本当に身に余る幸せを感じているのですが、こういう言葉を聞けたとき、私の
「しあわせ度数」が最高点をマークします。
「あのね、ママ。晴れてるときの青い空も好きだけど、雨があがって、まだ晴れてなくて、
雲がすうっと流れていくときの空も大好きなの」
10歳の誕生日の記念に、何か「思い出の絵本」のことを書いておきたいなあと
思った時に、この絵本のことが頭に浮かびました。
『しずかで にぎやかな ほん』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 作
レナード・ワイスガード 絵
谷川俊太郎 訳
娘が3歳くらいの時に、私が本屋さんで見つけて買った絵本です。作者と訳者の
名前にひかれて、手にとったのをとてもよく覚えています。
主人公は、子犬のマッフィン。耳がいいのです。とてもとても静かな音でも目を覚まします。
本文は、そのマッフィンが聞いた「静かな音」とは何の音だったのかを、気の効いた
ユーモラスな比喩で、尋ねていきます。
かいだんを
ぞうが
つまさきだちで
おりて
くるのかな? とか
めうしが
ペティコートを
きてるのかな? とか‥。
その「静かな音」はこんなふうにも言い表されています。
とってもしずかなおと。
ほんとにしずかなおと。
しずけさそのものみたいな。
しずかな しずかなおと。
からっぽのいすのような。
くうきの ような。
あかちゃんに ひみつを ささやく ような。
ため息がでるほど、素晴らしい表現です。「からっぽのいすのような」を読んだ時、
ここだけでも、この絵本を購入した価値がある、と思ったものでした。
幼かった娘が、どれくらいこの本の内容に興味を持ってくれたかは、正直言ってわかりません。
でも、読み手である私が、とても気に入っていたことは伝わっていたかもしれないなと思います。
今回読み返して、この絵本が1996年9月生まれであることを知りました。娘と同じ年
生まれで、誕生日も近いじゃないですか。そのことがなんだか妙に嬉しいです。
旅行の話、書きたいなあ。忘れないうちに残しておかないと‥と思いながら、昨日の日曜日に、
家族3人で見に行った、国立博物館の展覧会の話を先に書くことにしました。
(京都等の話は、1回きりでは終わりそうもないので)
伊藤若冲の作品に惹かれていたのは、私ではなく夫の方で、この展覧会を知った時も、
どれくらい若冲の作品があるのかなあとしきりに気にしていたのです。夫が決めかねているうちに、
私が、まつかぜさんがお出掛けになった記事と、そのコメント欄で「散歩な生活」のmiyacoさんちも
見にいった話を読み、miyacoさんからは「絶対に好きだと思いますよ」と力強いお言葉まで頂いて‥
それならばと、気合を入れて出かけてきました。
この展覧会を見ながら思ったこと‥大きく分けると2つにまとまりました。
ひとつは、屏風って日本家屋にふさわしい、なくてはならない装飾品であり、家具だったのだなあということ。
会場に足を踏み入れて、最初に思ったのは、「暗い」ということでした。陽の下の明るさだけでなく、
夜が暗くならない生活にも慣れているせいか、照明をかなり抑えてある会場内は、とても暗く感じました。
その中でガラスケースの中の掛け軸や屏風を見ていくうちに、ほとんどの場合、家の中は暗かったのだということに
気がつき、薄暗い座敷の中に置かれた屏風は、だからこそ、その美しさを存分に発揮できたのだと、自分の中で
納得がいきました。正面から向き合うもよし、斜から見るもし。朝の光の中のそれと、蝋燭(行灯?)の灯りの下とでは、
同じ絵が違って見えるであろうということも、今回の展示の中の「光と絵画の表情」のコーナーで体験し実感しました。
それにしても、ただ「しきる」ためや「目隠し」のためなら、1枚の板状のものでよかったはずなのに、
それをじぐざぐに折れるようにした(畳んでしまうこともできるし)のは、とても素晴らしいと思います。
一つ角度が付くごとに、そこに表情が生まれます。
もうひとつは、若冲の絵を見て思ったことなのですが。
その前に、朝10時半にもかかわらず、なんでこんなに、この会場に、若冲という江戸時代の人の絵を見るために
大勢の人間が居るのだろうと、思ってしまいました。幼い子を連れたママやら、若いカップルやら、
私たちのような親子連れ、老夫婦。和服をお召しになった方、バックパックを背負った方‥
とにかく電車の車両にたまたま乗り合わせたというふうな‥特定の傾向が見られないということなんですが‥
人が皆一様に、若冲の絵を見ているんです。
しばし、考えてしまいました。ゴッホとかモネとかルノワールなど日本で人気がある、印象派の展覧会も
こんな風なのかあと。
それとも、若冲や、他の江戸絵画の作家によって描かれた掛け軸や、屏風だからこそ、なのでしょうか。
後者だとしたら、「やっぱり新しい畳の匂いはいいね」や、「おしょうゆがちょっと焦げた香ばしさがたまらない」という、
私たち誰でもが持つ「日本人としてのDNA」が、この絵画展に人々を向かわせているのではないか、
なんて思ってしまいました。
話をもとに戻します。
若冲の絵を見て思ったこと‥それは、バランスのよさということでした。
構図のバランスが取れているとか、色のバランスが素晴らしいとか、そういうのとはちょっと
違った意味合いになるかもしれませんが。1枚の絵の中でも、部分によっては、ひどく大雑把に、筆の勢いだけで
描いていたかと思うと、鋭く観察し、とても丹念に仕上げたところもあって。
全体としてみた時にそこのあたりがとても見る側に「おもしろみ」を与えているのだと思うのです。
力強いところ、穏やかなところ、丁寧な部分、省いた部分‥そういう力加減というか、匙加減というか、
バランス感覚のとても優れた人だったのではないでしょうか。
絵でも写真でも、そして文章においても、バランスがとれている、バランスがよいということは、
とっても大切なことだと、しみじみ思ったしだいです。
巧く描けている(書けている)だけでは、人は感動しないのです。
今日も素晴らしく暑い1日ですね。
きのうの夕方、夏休み帰省旅行から戻りました。
8月11日 四日市メリーゴーランド
8月12日 義父17回忌法要(家族だけで)
8月13日 京都・半日ワクワク観光(八坂神社・円山公園・清水寺)
8月14日 京都・家族レンタカー観光(恵文社一乗寺店・三千院・銀閣寺)
8月15日 午後より長島ジャンボ海水プール
8月16日 菰野町あさけにてバーベキュー&再びメリーゴーランド
上記のようなハードスケジュールでしたが、13日の京都半日観光で、お昼ご飯を食べたこのお店、 ※
ぜひ、クリックしてご覧になってください。トップページの写真から、ひとときの涼が得られるかなと思ったのですがいかがでしょう。(あの路地を入った奥には、絵本好きの方ならみんな、わあっ~と思う不思議な空間が待っているのですよ。お店の名前は「ペンネンネネム」です。)
このお店に行ったこと、とっても久しぶりに歩いた京都の街のこと。メリーゴーランドと恵文社、2つのお店で買った本のこと、思ったことなど、書いて残しておきたいこと満載の旅行でした。
また、来週より、すこしづつ記事にしていかれたらなあと思っています。
いつもblogを楽しませていただいている、 『絵本はサプリ』のはらぺーにょさん より、管理人の輪を広げよう!バトンを受け取りました。
先日、ちひろ美術館で開催されていた『長新太展』でニアミスでした。同じ日に 同じ時間、同じ場所にいらしたというのも不思議なご縁を感じています。
rucaさんの文章は感性がキラリで、いつも勉強させて頂いています。小学校で読み聞かせのボランティアもされていらっしゃる方です。
こんなふうに、ご紹介いただいたら、受け取らないわけにはいきませんよね(笑)。はらぺーにょさん、ほんとにありがとうございます。私の方こそ、はらぺーにょさんはじめ、絵本ブログのみなさまには、いつもいつも楽しみを分けてもらっています。
さて、ここからが「始まり」です。
バトンを受け取った方は下記にHNの記載をお願い致します。
┗新空ちはら→佐和コウイチ→藤ちょこ→日原玲→虎津
→狸狗子→絢→ 佐佑→ルク→三笠麻都→愛水麻彩
→十一花ぱぴら→采乎ロゼ→市松ぐりこ→すみ→あゆっきぃ
→Kou→miyuki→マロン→みなみ→美波→そのみ
→バイアリー・ターク→jasumin→新歌→はらぺーにょ→ruca
1.貴方のHNを教えて下さい
rucaと申します。読み方は、「るか」です。このブログを始めるときに、一番迷ったのがHNでした。花の名前にしようかなあと思い、一時は、アネモネもいいのでは?と思ったのですが、急に恥ずかしくなりやめました。じゃあ、何故「ruca」なのか? 漢字の「留花」もいいかなと思い、そのあたりからローマ字の「ruca」に落ち着きました。
2.貴方のサイト名を教えてください
my favorite things です。名づけたいきさつは、1周年の時に書きましたのでそちらを読んでみてください。
3.いつからこのサイトを始めましたか?
2005年6月27日です。どんなふうに始めたらいいのかよくわからず、「最初の1冊」と題して『あかいひかり みどりのひかり』のことを書きました。
4.管理人歴はどれくらいですか?
1年ともうすぐ2ヶ月です。
5.サイトのジャンルや属性について割と詳しく説明してください
そうですね~。簡単に言えば「絵本ブログ」ですが、絵本のよさを多くの人に知ってもらいたいというよりも、もっと個人的な感じでしょうか‥。私はこの絵本を読んで、こんなことを感じたり想ったりしましたが‥というような。それと、絶対に「絵本だけ」と限定せず、ぼちぼちとやっている別のことを書いたりしているのも、よかったのかなと思っています。
6.訪問者に是非行くべきだ!!と貴方がオススメできるサイト様を 5つ必ず書いて下さい
(できれば簡単にジャンルの説明もお願いします)
「まつかぜ日記」のまつかぜさん。沖縄への想いやその旅の様子を記された「散歩の途中」のカテゴリーも楽しいし、どこへも行かない普通の毎日でも、ちょっと見方を変えれば、こんなところに楽しみは落ちているのだということを、教えてくれるブログです。まつかぜさん、ぜひ受け取ってくださいね。
「m*comforts」のまみいごさん。札幌での暮らしの話や、エコクラフトの素敵な作品がたくさんUPされています。まみいごさん、いかがですか~?
以上のお二方にバトンを受け取っていただけたらと思います。
以前に、画家のジョージア・オキーフのことを書いた『私、ジョージア』という絵本を紹介しましたが、その本がとってもよかったので、同じ作者の、別の作品を探してみました。
それで見つかったのが、この絵本。図書館にリクエストを出して3ヶ月、ようやく手にすることができました。縦17cm、横15㎝という、小振りの、詩集のような絵本です。
『9月のバラ』
ジャネット・ウィンター 作
福本友美子 訳
右下に、2つの背の高いビルと、それにむかっていく2機の飛行機が見えますか?自由の女神も描かれていますね。‥‥そう、この本は、2001年9月11日のニューヨークを記した絵本なんです。
前書きで、作者のジャネット・ウィンターさんは、この絵本が出来上がるきっかけをこう記しています。
数日後、わたしは、くずれ落ちたビルのすぐそばのユニオン広場へ行ってみました‥‥町じゅうの苦しみがあふれる場所へ。そこに、たくさんのバラの花がありました。いったいどこからきたのでしょう。そこで聞いた話をもとにして、わたしは翌年の春、この『9月のバラ』をつくりました。
本文は、どのページも簡潔な文章で、テンポよく進んでいきます。
わたしがバラをじっと見ていると、
わかい男の人がそばにきて、
バラがどこからきたのかおしえてくれました。
はるか海のかなたの国
南アフリカの、
山また山をこえ、
砂漠をこえたところに、
姉さんと妹が住んでいて、
バラをつくっていました。
‥こんな具合に。
「何も起こらなければ」決して出会うことがなかった人たちが、偶然の糸で結びついて生まれたこの話は、とてもスケールが大きいようで、一方では、すごく身近な誰かのエピソードを、聞いているような気持ちになったりもします。
とても不思議な縁と、とびきり素敵なクライマックスは、ぜひ、本を手にとって読んでみてください。
そして、本を閉じたあとに、ユニオン広場に居た作者ジャネット・ウィンターさんを思い浮かべ、ジャネットの隣に立っていた誰かと、そのまた隣の誰かが手に持っていた写真を思い浮かべ、写真の中では、きっと笑っているにちがいない、まったく知らない誰かを思い浮かべましょう。
世界の各地で起こっている悲惨な出来事を、画面や画像を通して目にするとき、それはひとつの「情報」として伝わってきて、受け取ったのは確かに自分自身なのに、ただ「通過」していったり、ただ「知識」として頭の中に残ったり。けれど、世界各地のその「地」では、確実に誰かが愛する人、大切な人を失って泣いているのです。
非力な自分にせめてできるはじめの一歩は、思い浮かべる事、想像してみること。痛みや傷みを、自分にもしもおこったらと考えてみること、だと思うのです。
タイトルは『9月のバラ』ですが、8月の、今の時期に想像してみることが、とても大切なことに思えます。
最近気が着いたのですが。
どんなときに、本(特に絵本)を衝動買いするかといえば、「ずっと自分が気にしていた
作家さんなのに、その作品は一度も目にしたことがなかった」、という時がほとんどです。
新作の場合は、まあ知らなかったとしてもしかたないかと思え、すこし心の余裕も生まれる
のですが、ずっとずっと前からあった本なのに、初めて目にしたときは、なんとなくショックを
覚え、手にとり、見入り、そのまま放さず‥がパターン化してきているようです。
先日トムズボックスへ行った時も、お店に入ったら絶対に何か買いたくなってしまうに
決っている→そのときの絵本は荒井良二作品にしよう→ 『ルフランルフラン』はサイン会の
予約本なので、別の本→そうだ!!今まで買うチャンスを逃していた『きっとみずのそば』にしよう‥。
そこまで、気持ちは固まっていたのに、私の目は、初めて見たこの絵本に、最初から
釘付けになってしまいました。
『ハナちゃんとバンビさん』
石津ちひろ 文 荒井良二 絵
声にはもちろん出しませんでしたが、心の中では叫んでいましたよ、「キャーかわいい」って。
シマシマ好キと書きましたが、水玉も、実は大好きなんです。(最近買ったご飯茶碗も
気が着けば水玉模様でした。)
しかも、この絵本のテキストは石津ちひろさんです。石津・荒井コンビの絵本で、この表紙
だったら、中味を見なくても絶対に買って帰りたくなりますよね?この画像には帯がありませんが、
平積みになっていた実物絵本には、同じ水玉模様の帯がついていて、「また、あえたよ!」
と書いてあるんです。キュートさ100倍です‥。
それに、このハナちゃんが乗っているバンビさん、見ているとなんだかとっても懐かしい気持ち
になってきて。なんだろうこの懐かしさは‥とたどっていくと、遠い昔の幼稚園の頃、B4
サイズで、はめ込むタイプのピクチャーパズルの模様が、バンビだったというところに行き着きました。
ディズニーの「バンビ」だったのかもしれませんが、それと、 「リボンの騎士」の2つが、当時
私の家にあったパズルだったんです。
お話を絵本に戻しますと‥。
ハナちゃんはなかよしのバンビさんに乗っておさんぽに出かけます。しばらくいくと、
ちいさな男の子に出会い、そのおかあさんに頼まれて、バンビさんを貸してあげました。
すると、男の子はものすごいスピードで、どこかへ消えてしまったのです。
でも、男の子のおかあさんは、ぜんぜんしんぱいそうじゃありません。
はずんだこえで、うれしそうにいいました。
「バンビさんをかしてくださって、ほんとうにありがとう。ほんの、おれいのきもち
なんだけど‥このビワの木になっているビワの実、すきなだけたべていいわよ。
ただし、おなかをこわさないようにきをつけてね!」
男の子のおかあさん、こんなことを言うのです。
まあ、ここからが、石津【ことば】マジックの始まりであったことに、読み終わった時に
気が着くのですが。
ほんとうに出会いたいもの、ほんとうに再会したい人とは、こんなふうに、めぐりめぐって
最後には「また会えたよ」となるのかもしれない。そうだったらいいなあ、とバンビさんに
会えて嬉し涙を流すハナちゃんを見ながら、思うのでした。
アランジアロンゾのかわいいものをつくろう!
『ジャージーぬいぐるみ』
表紙の、「しろうさぎ」のぬいぐるみを、どうしても作ってみたいと言うのです。
返し縫いがなんたるかも、玉止めのしかたさえ、まだ知らない小4なので、どこまでできるのか、ほんとうに縫えるのか、疑問マーク大ですが、本人は、やる気と自信に満ちているので、とりあえず応援(っていうか手順を教える)することにしました。
ついでに、私も、型紙を150%に拡大コピーして、ママしろうさぎを作ってみようと思います。
7月最後の日曜日、「納涼大会お手伝い疲れ」から立ち直れないまま、それでも気持ちはいそいそと、東京駅へと向いました。この日は、とってもとっても楽しみにしていた 「荒井良二さんサイン会」@丸善丸の内本店 の日だったのです。運良く、まつかぜ日記のまつかぜさんが一緒に行ってくださることになり、お昼に待ち合わせしました。
まつかぜさんが来てくれて、とっても助かったのです。というのは、この日ほんとは私の娘も「行きたい」と言っていたのですが、K市のワークショップで「Tシャツを作ろう」というのと重なってしまい、家族協議の結果、夫とともにそっちへ参加することに決め‥。(夫は自分でもTシャツ作りに申し込み済みでした)でも、行かれない代わりに、サインをしているところがどうしても見たい、なんてお願いされちゃって‥。まつかぜさんがデジカメ役を引き受けてくれなければ、一人であたふたしていたところでした。
さてさて、本題のサイン会ですが。
丸善さんに7月の始め頃問い合わせた時に、予約可能ということを聞き、1冊分(サイン会整理券1枚分)をすでに頼んであったのです。なので、気持ち的には余裕があり、開始時間の20分くらい前から、整理券と絵本を抱えて列に並んで待っていました。
どんな方がサイン会に来ているのかな、どんな人たちが荒井良二ファンなのかな?そんなことを思いながら、なにげにあたりを見回したりして‥。
この日、私は最初から3番目だったのですが、列の先頭の方も、次の方も、男の人ひとりで来ている方でした(ちょっと意外‥かな)。私の後は、カップルで、お二人とも大ファンという感じでしたね。サイン対象本の『ルフランルフラン』と『ルフランルフラン2』以外の本も数冊抱えていました(荒井さんのご好意で、対象本でなくとも、その日丸善で荒井さんの本を買えばサインしてくださることに、急遽決ったそうです)。
開始時間の午後2時を15分くらい過ぎた頃、突然、という感じで荒井さんが登場しました。お店の方に促されてご挨拶。ぱらぱら、パチパチと拍手。
徹夜だったんだよね、と言いながら荒井さんご着席。
なんだか「お疲れモード」が漂っていたのはそのせいだったんだあ、と私は思いながら、最初の人が係りの方に本を渡すのを見てました。
荒井さんがマジックペンをとり、一番目の男性の宛名書きを確かめながら、さらさらと描き始めたのは、おうちからのぼるおひさまの絵でした。その速さと、会話の調子からは、さっきの「お疲れモード」は跡形もなく消えていました。お仕事モードのスイッチが入った音が聞こえてくるようでした。カチリ。
そうこうしているうちに私の番。
「あ、それは娘の名前なんですが‥来月誕生日なので、記念にこの絵本をプレゼントしようと思って。ほんとは今日も来たがっていたんですけど、これなくって。それで、写真撮らせてもらってもいいですか?」
ここまでいっきにしゃべる私。
「写真?かまわないよ。誕生日なの?何歳?」と荒井良二さん。
「10歳です」
「10歳か‥。いいねえ。かわいいでしょう?」
「え?は、はい。かわいいですね、すごく」
「すごくかわいいの?(自分で言うなよ~ってニュアンス有)
いいねえ。この名前もいい名前だね」
「あ、ありがとうございます」
この後に何を話そうかと、頭の中は高速回転。この日のためにあれこれ考えていたこともあったはずなのに、口から出たのは‥。
「あ、先週トムズボックスに行ったんです」
「え?トムズボックス?」
「ポロンちゃんの箱がひとつ残っていて、それ買ったんですけど‥」
「ポロンちゃんってなんだっけ?」
「後ろにカセットテープがついていて‥前にお人形が入っていて‥」
「ああ、ああ、あれね。あれは貴重だよ、3000個しか作ってないから。あれまだトムズボックスにあったんだ」
「最後のひとつだって、お店の方は言ってました」
ここですべてのサインが終わったので、すかさず「あの、一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
前に並んでいた男性が、隣の椅子に座って写真を撮ってもらっていたので、私もおねだりしてみたところ、快諾。ここでも、まつかぜさんに活躍していただきました。
合計何分間くらいの出来事だったのでしょうね。
話はじめる前よりも、話おわったときのほうが、どきどきしていました。デジ担当のまつかぜさんは、しばらくの間指先が冷たいままだと、おっしゃっていました。わあわあ二人でしゃべりながら、なんとなくその場にはいられない気がして、丸善を後にしたのでした。(まつかぜさん、ほんとにありがとうございました)
これが記念のサインです。
『ルフランルフラン』の方にしてもらったので、ちょっと見にくいかなと思いましたが、これはこれでとっても素敵ですよね~。
娘はとってもとっても喜んでくれました。自分の名前が書いてあるし、ルフランの冠にイニシャルも入っているし‥。
Love peace
この2つの言葉がすべてを語っています。のびやかさも、すこやかさも、素直さも、この2つがあればこそです。
そして、再びこのフレーズ。
「荒井良二さんと、同じ頃に生きていて、【ほぼ】同世代で、よかったなあと思うこの頃です。」
『ユックリとジョジョニ』 荒井良二 作
森に住んでいる男の子 なまえはユックリ。
ユックリはアコーディオンを弾きながら、上手に歌をうたいます。
町に住んでいるおさげ髪の女の子 なまえはジョジョニ。
ジョジョニはダンスがとても得意です。
二人の暮らす場所は正反対ですが、それぞれがとっても自分の居場所を楽しんでいることが、
ユックリの森の暮らしからも、町の広場で踊るジョジョニからも伝わってきます。だから、ページを繰る
私たちは、こんな森の中で、動物に音楽を聴いてもらいながら生活するのも悪くないなと思ったり‥。
こんなかわいい家が立ち並ぶ町で暮らしたいと思ったり‥するのではないかしら。
軽く目を閉じたふたりの表情と、そのしなやかな体の動きを見ていると、「のびやか」という言葉が
浮かんできます。
この本を開いていると、とっても気持ちがなごんでくるのは、ユックリとジョジョニが作り出した
のびやかな空気に、すっぽりと包まれてしまうからにちがいありません。
先日書いた「イメージの森」の中の作品で、初版は1991年3月1日となっています。15年も前に、
荒井良二さんはこんな傑作を描いていらしたのですね。今さらながらに驚いています。
K市の図書館で検索したら、この『ユックリとジョジョニ』が、文絵とも荒井作品の最初の絵本でした。
(それ以前にも作品はあると思いますが、図書館で借りることができるものでは、ですね)
私が荒井さんの絵本を意識して手にとるようになってから、まだ1年とすこしですが、どの本が「ちょっと昔」で、
どの本が「わりと最近」の作品なのか、まるで気にしていなかったことに気が着きました。検索結果を
よく見てみると、『バスにのって』は1992年の出版で、『はっぴぃさん』は2003年なんですね。
『ユックリとジョジョニ』の、のびやかさと素直さは、すこしも損なわれることなく、荒井良二さんの
いろんな作品の中に、変わらずに息づいているのだと思います。だから、どの「ちょっと昔」を手にしても
「わりと最近」を開いても、同じテイストの同じ心地よさを、味わうことができるのでしょう。
荒井良二さんと、同じ頃に生きていて、【ほぼ】同世代で、よかったなあと思うこの頃です。