my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

よるのにおい、そして10年

2015-06-27 12:19:48 | 好きな絵本

頭で考えてから、好きになったり欲しくなったりする本が多い昨今、
この絵本は、三蔵さんが開いてページを見せてくれている間に、
両腕あたりがぞわっとしてきて、好きだなと思いました。



たくさん遊んで眠たくなってしまったうさぎのぼうやが
お母さんにだっこされて、夜の街を、帰ります。
途中でお父さんも迎えにきてくれて、眠たいぼんやりとした頭で、
店じまいをする本屋さんや、窓の向こうで電話をする人を見たり、
漂ってくる夕ご飯の匂いや、ひっそりとした道に、昼間とはまるで違う
夜の街を感じます。

 よるって とても しずかだな
 いつもと ちがって だあれも いない

 ・・・・・


 いつもの よる
 とくべつな よる
 みんな いえに かえって
 ねむりに つく

 おやすみなさい

最後は、ぼうやが自分のベッドで眠りにつくところで終わります。

安らかで、静かで‥眠りにつく前に読んだらとてもよい本ですが、
紹介してもらっている時に、最初に私の頭に浮かんできたのは、
なぜか、『オーケストラの105人』という絵本でした。※
(オーケストラの団員が、夜の演奏会のために、出かける支度をする場面が
丁寧に描かれているお話です)

何年か前に、「絵本の栞」の中で、夜の街へ出ていく人と、その人を
見送り、家に残る人たちの間にある1枚のドアのことを書いたので、それが
自分の中に残っていたからかもしれません。


見送る側にとって、扉の向こうに広がる夜の街はとても特別。
開け放たれたドアからは夜の匂いが入り込み、いってらっしゃい、気を付けてね、
と見送られた方の人は、一歩二歩とドアから遠ざかるほどに、「外の人」の顔に
なっていきます。

夕暮れ時が過ぎ、夜のカーテンで空が覆われていくのを、たいていの場合
私は家の窓から眺める側なので、お店をしめる準備をしている店主さんも、
これから仕事に行こうとしている人の足音も知りません。
「こちら側」から眺める「向こう側」は、未知の場所で、窓から入る空気の匂いが
それは特別であることを教えてくれるのです。

懐かしいのは、どちらなのかなと思います。
そのむかしの残業や遅番‥で夜の街を知っていたことなのか、
閉じまりする前に仰いだ空、肺を満たした空気の匂いにびくっとしたことかー。


いずれにしても、いまこのときに、よい絵本に巡り合えたなあと思っています。


※『オーケストラの105人』は、『105人のすてきなしごと』と題名と訳者が
 変わって販売されています。




   :::     :::     :::



すっかり忘れていましたが、本日6月27日はこのブログの誕生日でした。
2005年に始めたので、ちょうど10年!です。びっくり。

この10年、ありがとうございました。
また新たな気持ちで、細々とでも綴っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。 





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まんじゅうこわい

2015-06-22 16:55:08 | ひらきよみ(読み聞かせ)

先週の金曜日は、読み聞かせのお当番の日。
ペアで、5年生のクラスへ行きました。

私が所属しているグループは、娘が通っていた(かつて私も通っていた)
小学校の図書ボランティアで、当時の、図書司書資格を持つ先生が立ち上げた
ものです。だから、何よりも優先されるのは、その小学校の先生からの希望になります。
曜日や時間帯が決まっているだけで、それ以外に先生方からの細かいリクエストとか、
制約とかは一切なしで今までやってきたのですが、今年度は、食育に関する研究校?
みたいなものに指定されたそうで、初めて、「なんでもよいので食べ物が出てくる絵本を、
どの学年でも少なくとも1冊は入れてほしい」という要望が届きました。
食育、食べ物、といっても広くゆるくとらえていいそうで、たとえば、それは
『おおきなかぶ』でもよいということでした。

というわけで、私が選んだのは‥


ペアになった方が、最初『しょうたとなっとう』という写真絵本を読むつもりと
連絡してきたので、だったらいいかなーと思いまして。

川端誠さんの落語絵本、いろいろ出ていますが、教室で読むのも、声に出して
読むのも、今回が初めてでした。
練習しているうちに、だんだん楽しくなってきて、少し前に観ていた「ちりとてちん」を
頭の中で、思い出している自分が居たりして。

松つぁんをこわがらせようと、みんなが手分けしていろんなまんじゅうを買いに行く
場面があるのですが、上用まんじゅう 唐まんじゅう 酒まんじゅう などたくさんの
饅頭の種類が羅列されているところで、だんだん早口で読んでみたら、一緒に入った
ペアさんが、まんじゅうがどんどん積み重なっていく様子に重なっていくようで、
聞いていてそこがおもしろかった、とコメントしてくれました。

5年生にオチがわかったかどうかは定かではありませんが(笑)、いつかどこかで
耳にしたり目にしたときに、ああそういうことだったのか、と思ってくれたらいいなあと
思います。

※「しょうたとなっとう」は10分くらいかかるのでやめにして、ペアさんは下記の
2冊を私のあとに読んでくれました。

  

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ラズベリーだより

2015-06-18 18:11:36 | 好きな絵本

木曜日は娘の休講日なので、たいてい3人で昼食を食べています。
今日も、うどんを食べた後、ヨーグルトを食べようとしていたら、
今朝採ってきて洗ったあったラズベリーを、ヨーグルトに入れて食べようかなと
夫が言いだしました。

それはチャレンジャー過ぎるでしょ、と私。
美味しくないよね、と娘。

うちのほったらかしのラズベリーの木、毎年律儀にこの時期に実をつけて
くれるのですが、生で食べるのはどうかなーという感じなのです。
せっせと毎日採って、洗って、冷凍して、貯めておいたものを、ジャムにして
から食べるとおいしいのですが。

そこからなぜかヘビイチゴの話になって、それからこの絵本が家にあった
ことを思い出しました。



なんだかとても懐かしいです。
ことり便で届いた絵本ですね、きっと。
開いてみたら、なんと「ベランダ木いちご農園のこうめ」さんからの
お便りが入っていました。




絵本の本文も、りすのりすえさんから、くまのくまたくん宛ての手紙とか、
うさよさんへの、めえこさんからの手紙とか。
サンタクロースむらとなりに住んでいるトナカイのヤンソンさんからの
カードとか‥それぞれ動物たちが自分の身近な場所にあるきいちごを
おたよりで教えてくれる構成になっています。とっても楽しい。



うちのラズベリーは10年以上も前に、寄居に住む友人宅から貰い受けた
ものなんですが‥調べてみたらこれに似ているので、インディアンレッドという
種類のラズベリーなんだと思います。



『きいちごだより』の中にある、ありたろうくんが作った表で調べていくと、
「えびがらいちご」が近いかなーって感じなんですが、実が上を向いて
つくところと、花の色がピンクというのが違っていました。

 

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はじめましての絵本たちin Kawaguchi 8回目(その2)

2015-06-18 11:22:24 | 好きなもの・講座やワークショップ

その1の続きです。

‥の前に、ミシマ社にリンク貼ろうと思って調べたら、この本が載ってました。
先週末だったかな?ラジオで紹介されていて、へえおもしろうって思ってたんです。




では、新刊絵本の紹介続けます。

 副題はパキスタンのゆうかんな子どもたち。
私は、マララさんのことは知っていましたが、イクバルくんのことは知りませんでした。
マララさん表紙の方からめくるとマララさんのお話になっていて、
くるりと反対にしてイクバルくんを表紙にすると、イクバルくんのお話が
読めるようになっています。
作者は、ジャネット・ウインターさん。『ワンガリの平和の木』とか、『バスラの図書館員』とか
9月のバラ』とか、『私、ジョージア』とかの、です。




 ごはん料理がジャンルごとに描かれて
紹介されているだけなのに、とても魅力的な絵本になっています。
極楽寺の絵本屋さんの店主さんは、ごはんのお供にはずせないのは松前漬けと
書いてましたが、私はいくらのしょうゆ漬けと、とりそぼろですねえ(笑)。




 クルドのおはなしの副題通り、独自国家を
持たないクルド民族に伝わるむかし話です。
ある晩、王様の肩から蛇が生えてくる!というものすごーい始まりです。
さっと流して読んだだけなので、今度じっくり読んでみようと思います。
おぼまことさんの絵がとても合ってるなあと感じました。




ロシアの民話をベースにイギリス人の作者が
書いたおはなし。絵はエロール・ル・カイン。
兄弟のどちらもイワンという名前なんですが‥なんであえておんなじ??と
思いながら聞いてました。しかも兄弟仲がとても悪いんですよ。




副題は、空飛ぶネズミの大冒険。
ほんとうにあったお話なんじゃないの!とちょっと錯覚してしまうくらい
よくできた絵本でした。
大西洋横断飛行に成功したリンドバークより、なんと15年も前に、
大西洋を横断してニューヨークに来ていたネズミが居たんですっていう
驚きの話です。ネズミの方が先なんですよー笑。




 鉛筆の細かいタッチとやさしい黒色が
特徴的なみやこしあきこさんの絵。
なんともしっとりした夜の街の様子がとてもよかったです。
三蔵さんのレジメの紹介文には「子どもの頃を思い出します」って書いて
あって、たしかに、表紙のうさぎの親子のように、背負われて夜の街を
帰った記憶がある方もたくさん居るだろうなあと思いました。
でも、私自身は、ずいぶん大きくなって自分が親になってからの
「夜」を、なぜか思いました。




 こどものとも年少版のハードカバー本。
プラスチック板に描かれている絵が効果的、と三蔵さん情報です。
単純な話だけど、絵も文もリズミカルでおもしろかったです。
「いしゃがよい」ってことば、子供にはわからないんじゃないかな?と
思っていたら、こひつじ文庫さんでのやりとりが載っていました。




 ちいさなかがくのとものハードカバー本。
「あー」と声に出して言うだけなんですが、ちょっと工夫をするだけで、
いろんな遊び方ができるという内容。おもしろいです。




 アンジェラ・パレットさんの絵、とても
雰囲気あってステキです。
お婿さん探しのおはなしらしいのですが、さらっと絵を見ただけなので
よくわかりません。いつかまた。




 絵は高畠那生さんだったのですね。
気づかず見てました。画像だとわかりませんが、小さ目の絵本です。
「す」を落としてしまったからスイカはイカになってしまった‥という
始まりの、言葉遊び的な感じの絵本かな。




 以前紹介してもらった『ジャーニー』の続編です。
ジャーニーは女の子とまほうのマーカーというサブタイトルが付いていましたが、
今回はにじいろの地図のなぞ、となっています。
引き続きマーカーが活躍します。文字はないのですが、男女の動きが、
アニメーションの中の主人公たちに見えてきて、そのままアニメ映画になって
動き出しそうな感じです。




 小川未明作の童話に高橋和枝さんが
絵をつけています。ぼんやりした春の夜の感じがとてもよく出ています。




 こどものとものハードカバー本。
かとりせんこうの煙で蚊がぽとんぽとんと落ちていき、それから
いろんなものが、ぽとんと落ち始めるナンセンス絵本。


以上で絵本、29冊は終了です。

そして、おまけの3冊。

ポーランドのミジェリンスカご夫妻が、まる3年
かけて調べ上げて、世界中の国の中から42の国を選んでイラストを描いて
仕上げた世界図絵です。大きいです、そして読み応え見応え半端ないです。
巻末には198か国の国旗も載ってるそうです。
書いているうちに欲しくなってきました~(笑)。
余談ですが、この大きくて重い本を、三蔵さん2冊持ってきてくれたのです。
2冊ともめでたく買われていきましたが、スーツケースにしまわれていくのを
見ていたら、あーやっぱりこれ欲しい、これ私の、って思ってしまったと、
購入者のお一人が言ってました。




アリスとキャロルのパズルランド
ー不思議の国の謎解きブックー

アリスの世界をモチーフにしたなぞなぞ絵本。装丁も中の絵もとても
ステキです。表紙なんかふかふかしてますから。




22人の著名人が、どんな提案をしているのか
とても興味がありましたが、先に帰るメンバーのひとりが購入したため、
中身見ませんでした。いずれ読んでみようと思います。



今回もとても楽しい時間でしたが、三蔵さんに時間の制約があったため、
一緒にお茶の時間を持てませんでした。残念。

次回はたぶん秋ですが、またよろしくお願いします。






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はじめましての絵本たちin Kawaguchi 8回目(その1)

2015-06-17 16:33:46 | 好きなもの・講座やワークショップ

今週の月曜、6月15日は、三蔵さんによる出張講座
「はじめましての絵本たち」の日でした。

なんと今回が8回目!ということなので、もう4年も川口に来てくれている
ということになります。
私が所属している小学校の図書ボランティアのメンバーともすっかり
おなじみになって‥(わたしも)とても嬉しいです。

今回も、昨年11月の講座以降に出た新刊絵本を29冊と、その他3冊の
計32冊を2回に分けて、載せておきたいと思います。



仕掛絵本図鑑 と副題がついている通り
「図鑑」なので大きくて、見応えがありました。
表紙の絵でもわかりますが、人間が見ているセカイが、動物たちの
眼にはどんなふうに見えているのか、が目のところの紙をめくると
描かれているという形式です。
猫やチンパンジーなどの哺乳類だけでなく、鳥や爬虫類、昆虫など
も載っていて、いちいち、へえーとなりました。




文、写真ともに森枝卓士さんで、とても
説得力がある力強い絵本だなと思いました。
生きているものの命をいただいて、私たちは生きているわけですが、
言葉を尽くして説明するよりも、実感として伝わってくるものがある
内容でした。
植物も含めて、「生きていない」食べ物って、塩だけなんですって。




ネコリンピックする必要ないんじゃない(笑)って
思う、ものすごーくゆるい猫たちの大会です。
だって、よーいどん、で走らなくたっていいし、全員金メダルもらえるし。

装丁は祖父江さんが担当されているようで、ちょっとおもしろい作りに
なっていたのも、だからだったのでしょうか。
表紙裏表紙以外の、中の前頁があきらかに小さく作られていて、
表紙裏表紙の内側の上の部分に、「応援席」が描かれているんです。

この本を作っているミシマ社というのは、取次店を通さずに、じかに
書店とやり取りをする形式をとってるそうで、あと一度出版した本は
絶版にしないんですって。
(余談ですが、先日「川口一箱古本市」に、このミシマ社の営業の方が
出店していたことが後からサイト掲載の情報でわかりました。とっても
良心的な価格で文庫本売ってもらったので、よーく覚えてたのです)



 ルラルさんシリーズの最新作。ことし25周年で、
もう7冊目だそうです。
望遠鏡を覗いたら、宇宙人が見えて大騒ぎ、の展開なんですが、「宇宙人」の
正体がなるほど~見えるかも、と妙に納得してしまいました。




いくつかのブログで紹介されていたので、
新刊だという意識が薄まっていました。
ジョン・クラッセンさんの絵って、いいですよね~いつかどれか1冊
欲しいなあと思っています。
すごいものを掘り当てられそうで、なかなかうまくいかない二人の様子が
ページをめくる私たちには、断面図でわかるので、ゲーム感覚で進んでいくと、
最後の最後で、あれ?どうなってるの?どうなってたの?となんか
だまされたような、どこかで大事なものを見落としていたような気持ちに
なります。ふしぎ、不思議。



 トヤというのはモンゴルに住む主人公の女の子の名前。
家族でゲルで暮らす様子が丁寧に、美しい絵で描かれています。
作者はモンゴル人のご夫妻で、埼玉にお住まいのよう。訳者の津田紀子さんは
モンゴル在住と書いてありました。



 谷戸というのは谷あいのこと。
そこで遊ぶ子供たちの様子が生き生きと描かれています。
(こういう絵本をみると、自分の子供時代はさておき、娘の子供時代を
こんなふうに過ごさせていなかったなあと、すこしだけ胸が痛みます。)




 宮沢賢治が樺太へ向かう旅の途中で立ち寄った
旭川で、一遍の詩を残したそうで。その詩を元に、あべ弘士さんが文と絵の
両方を書いています。巻末には、賢治直筆の詩が載っています。
(講座終了後にみんなで本を見ているとき、この詩はカタカナだけじゃなくて
漢字もひらがなも使われているのね、と友達が「発見」しました)




 小さい子と、遊びを楽しむ感覚で
読むには楽しいだろうなあという絵本。
すべりだいなんて、チョー身近なものだし、もっと前からあっても
よさそうなアイデアなのに、と思い、絵本ってまだまだいろんな可能性を
秘めているのだなと思いました。




 かがくのとものハードカバー本。
花も、はっぱの形もかわいいですが、どんどんどこにでも生えてくるので
わりと目の敵にしている雑草で‥でも今回他のメンバーも同じように
思っていることがわかりちょっとほっとしました(笑)。
葉っぱ、すっぱい味がするそうです。




 ヨシタケシンスケさんの人気シリーズ第三弾
ですが、前二作とは、出版社が違うだそうです。
やっちゃだめ、と指摘されると、どんなことにも理由があるんだよ、と
奇抜な思い付きを次々披露してくれるところがおもしろいですね。
そして、最後には、お母さんの方も癖を指摘されてしまい、苦し紛れで
答えていますよ。




 アルミ板に絵を描いてそれを切って
貼って、作っているから面白い感じの絵になっているのかなーと
思いました。
たしかお弁当箱が本についていて、食べ物もついていて、それを
切り取って、自分たちでお弁当を作れるようになっていたと思います。
(余談ですが、作者のおなまえ‥あずみ虫っておもしろいですね)




前にこわい絵本シリーズで「怪談」がありましたが、
今度は「妖怪」だそうです。
あずきとぎ。研いでいるときの音がこわいです。しょきしょき しょきしょき。
京極さんの控えめな文章がこわさを誘うのですが、町田尚子さんの絵がね、
なんともこわいです。
三蔵さんが全文読んでくれましたが、淡々した感じで、こわさ倍増でした。




 ご夫婦ユニットだそうですが、この方たちの
お名前もおもしろいです。はらぺこめがね。
本は仕掛け絵本になっていて、さんかく、まる、しかくの組み合わせが
どんどん変わっていきます。ちょっとハライチの漫才みたい???
「ぜんぜん関係なくなってきちゃった」




 なんかかわいい絵本でした。
「ちゃんと見えてる?」って訊かれて、「見えてるもん」って答えるけれど、
ちぐはぐなことばかりしてしまう主人公。でも、見えてるか見えてないかで
言えば、見えてるんだからねえ。問題は「ちゃんと」の部分だけど、
ちゃんとしてるってどういうことかわからないのだから、自分がそう思えば
それが「ちゃんと」だよねー。これってもしかして、めがねが必要かどうかの
問題だけじゃなくて、ほかのことにもあてはまるかも、と思いながら
見てました。




1989年に出版された『ぼくの庭ができたよ』の
改訂版で、再刊されたそうです。
ちょうど1年前のこの講座で、同じ作者の『ソフィーのやさいばたけ』を
紹介してもらいました。



ここまでで、16冊です。
その2に続きます。








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候補

2015-06-11 17:19:19 | 日々のこと

なんか周りがつまらないなあと感じたら、それは自分自身が
つまらない人だから。おもしろい人の周りには自然におもしろい人が
集まるものです。

ブログをはじめたばかりのころ、知ったことば、です。

これとはすこしちがうのですが、なんか毎日がつまらなく感じたら、
それはきっと自分のせいで、自分が自分から動こうとしないからだと
思うようにしています。まるで生活パターンや暮らし向きが違う人の
ことを、羨んだりしていてはだめですよね。

というわけで。(とてもささやかな行動ではありますが)

来週金曜日の図書ボランティア当番に向けて、教室で読んだことないものや、
初めて知った絵本を、図書館で予約して借りてきました。
こひつじ文庫さんのログを参考にさせていただきました)

まず自分が読んでみて楽しんで、そのあとに、声に出したり、当番で行く
クラスのことを考え合わせてみたり‥。さてどの絵本に決まるかな。











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モノの値段ってなんだろう

2015-06-10 16:27:39 | ふと思ったこと

どーでもよいようなことなのですが、なんかちょっと驚いたので、
書いておきたい気持ちになりました。

娘が大学に入学するにあたって、この春、スーツ購入のために
初めていわゆる量販店に行ったのです。
(うちの方で、大手は3つ、あおやま・こなか・あおきです)

DM掲載のスーツの感じと、家の近くに新大型店ができたので、
あおやまさんへ行き、まあそこでいろいろセットで購入したのです。
メルマガに登録するとよいとか、専用カードを作ってそれを使うと
さらによいとか、今となっては何がどーいうふうによいのだったかさえ
忘れてしまったのですが‥。 

そして、1週間くらい前。

吹奏楽団の定期演奏会での衣装、女子はフリル付き白ブラウスなんだって、
と娘が言いだしたので、日曜日の午後に自転車で行ける範囲のお店を
まわり(下見ですね)、まあこれでいいのかなーというのが、前述の
あおやまさんにあったので、そこならカードもあるし、またまたDMが
届いたばかりだったので、昨日、買いに行きました。

ブラウスの値段は4800円。
白で長袖、コットン100%(ネットで調べたのはどれもポリエステルだった)
ちゃんとフリルもついてるし、入学式用に買ったものと同じサイズ。
18歳女子のブラウスとして適しているし、適正価格だと思います。

DM持っていくとブラウス小物など20%オフ → ラッキー

カードを持っている人はさらに5%オフになりますって。 → そうなんだ~

あの~お客様、スマホご利用でしたら、当店のアプリ入れてもらって
そこにあるゲームで当たりがでた金額分お引きすることができますよ。と
店員さん。

メルマガきてますけど、それとは違うんですか?

はい、全然違います。でも、必ず当たりが出るカードゲームですから
アプリ入れたほうがお得かと思います。

だったら入れましょうか‥。

はい、このカードから1枚タッチしてみてください。あ、500円でました!
500円分お引きします。 → はあ、そうなんだ~

たまっているポイントで支払いしたいのですが、と私。
(スーツ購入後一度も使ってなかったから3000ポイント以上は
あったのです)

はい、かしこまりました。そういたしますと、ポイント適用後の残金は
147円になります。

え、147円でいいんですか?

‥というわけで、4800円のブラウスを147円で買って帰ってきました。


もちろん、安いほうが、高いよりはいいに決まっているし、
どこも何も間違ってませんけど(笑)、なんかね、ポイントマジックというか、
バーチャルでのお買い物?みたいで、ちょっと落ち着かない感じなんです。

今回は、カードマジック的なものが、得するというか、お金使わないほうに
働きましたけど、うかうかしていると、逆もまたアリなので、
(気づかないうちは、あるいは気づかないふりして、身の丈以上の高価な
ものをある日カード払いで買ってしまうとか) 気を付けないといけないなあと
思っています。

スイカとかもそうだけど、お金使って電車に乗ってるって感覚が
ほとんどないですもの。キケンきけん。 




 

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「ロング・グッドバイ」の入口に立つ

2015-06-05 17:33:21 | 好きな本

若いころに読んではみたものの、あまりそのよさがわからず、
一応読みました、となっている本が何冊もあって。
ロング・グッドバイ』もそんな本のうちの1冊でした。



すこしまえに、マーロウシリーズの『大いなる眠り』を読んだことから、
チャンドラーを読み進めていけそうな予感がすこししていたのですが、
それもいつの間にか、忘れていて‥。

NHKでやっていた、設定を戦後の東京に置き換えて、浅野忠信と綾野剛が
演じていたドラマはとてもおもしろかったので、今度(こそ)はそのおもしろさが
わかるような気がしていて‥春樹訳も出ているのだから‥と思っていました。

そして、図書館の棚で見つけて、そうそう読んでみようと思っていたんだと
手にしてから4週間。やっと数日前に読み終えました。

そうか、そういう話だよね、と、ドラマを観たことがよい下敷きになって、
フクザツな人間関係にもこのたびは入っていくことができたし、
読みながら、ドラマの舞台を戦後の東京にしていたこととか、
主人公を演じた浅野忠信と、テリー役を置き換えた原田保を演じた
綾野剛が、自分の中では浮き上がってきて、それに、本家のマーロウと
テリーが重なっていくようで、二つのロング・グッドバイが入り乱れながら、
でも、そのおかげでどんどん進んでいきました。
(ドラマの方は、ラストシーンに向けてちょっと甘めかなーと思いますが)


読み終わってみて、どうして若いころは「わからなかった」のかといえば、
人生経験の浅さかな、と今は思えます。
探偵じゃなくたって、フィリップ・マーロウじゃなくたって、人間ながい年月生きて
いれば、その人なりの人生観や、暮らし方ができていくし、譲れないこだわり
どころだってできてきます。(マーロウの譲れなさは半端じゃないですが・笑)
でも、若いときには男女間のことだって、夫婦のことだって、男同志の友情
だって、実感としてはよくわからなかったのだろうと思います。

そして、今回、春樹氏のあとがきを読んで、そういう読み方があったのか、を
知ったので、もう一度最初から、今度は「その視点」をもって、ふたつの本を
読み比べてみたいなあと思っているところです。
思えば、「その本」も長いあいだそのよさがわからず、でも、春樹訳で読み返してみて
その面白さを確認したのでした。



生きている限り、何度でもいろんな角度から楽しめる、本を読む行為って
ほんとうに素晴らしいなあと思います。



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