カズオ・イシグロの、ノーベル文学賞受賞後の
第一作ということで、話題になっていたので
図書館に予約してました。どれくらい待ったでしょう。
表紙を飾る福田利之さんのイラストは可愛らしく、
タイトルだって絵本チックで‥AIロボットと少女との
友情を描く感動作と謳われていましが。。。
AI(見た目はまったく人間‥のアンドロイド)のクララは
仲間と一緒に「お店」で、子供が親と一緒にやってくるのを
待つ毎日。子供に気に入られるのはもちろんのこと、購入
してもよいと決断するのはその子の親なので、大人にも
もちろん好感を与えなければなりません。
外のセカイを観察するのが大好きなクララ。
店の中のどのAIよりも周りの「空気」を察知する
ことができます。
クララたちの「栄養源」は太陽の光なので、クララに
とってお日さまは特別なもの。日の出から日の入りまで、
お日さまの動向はクララにとってのすべて、です。
彼女が賢く、無垢であればあるほど、読み手の私の
気持ちに陰りが現れるという、不思議な反比例を経験しました。
お日さまは限りなく輝き、その存在は唯一無二であるのに、
私の中に次々と影を落とし、気持ちを鈍らせていくのは、
曇天と強い風に翻弄されている丈の高い草、草、草。
話の中は、すこし先の未来であると思われるのに、納屋に
向かって必死に歩いていくクララの姿や通りやビルは、
訪れたことはないけれど、すこし前の、イギリスはこんな
感じだったのではないかーと思いながら読みました。
読後の印象は『わたしを離さないで』に近似していて‥
こんな未来が来ないことを祈るばかりです。
「感動」とは違う種類のココロの揺れがあり、クララのことを
どうしても思い出してしまうので、ここに書き残して
おくことにしました。
8月12日木曜日の午後から「夏休み」。
特に予定もなく、天気も思わしくなく。
でも休みになったら、と楽しみにしていたのは映画。
3月からWOWOWに加入して、でもそんなに「活用」
してなかったのですが、この映画に気がついて録画して
おいたのをTVで観ました。
想像していたよりも、長く、そして面白かったです。
引き込まれてしまい、夫にも勧め、原作も読んでみようと
思っているところ。
星野源さんは、役者としてもすごくいいですねー。
突然背負わされた重圧に耐える姿に、涙しました。
少し前に公開されて、娘がとてもよかった!と言ってた
映画は、二度目の娘と一緒に、近所の映画館へ。
大変豪華な声優陣を、帰ってきてから家にあったパンフで
知りました。
「美女と野獣」へのオマージュとなっているのですね〜。
どちらの映画も、親は子へ、何も「かけて」はいけないと
強く思わされました。もちろん、負担になるもの、とか。
自分自身の思いとか、期待も。
すごく難しいことですが、子どもが一人の「人」として、
生きやすく(自分自身を素直に生きていけるように)することが、
親にできる唯一のことなのではないかな。
そして、3日目の今日は、再びWOWOWの録画で
こちらを観ました。
食べることは全てにおいて基本中の基本ですね。
息子役の道枝くん。好演でした。ジャニーズの人なんですね。
いのっちも良かったです。
そして、本日のうちの夕ご飯には卵焼きがリクエスト
されました。笑。