my favorite things

絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

のぞく

2011-02-25 16:00:10 | ひらきよみ(読み聞かせ)
今日は、今年最初の、小学校での読み聞かせの当番でした。
行ったのは、4年生のクラス。

クラスにはペアで入ることがほとんどで、自分の子どもがいるクラスには
年に1~2回ぐらい、入ることができるようになっています。
本日のクラスも、私のペアさんのお子さんが居るクラスで、しかも担任の先生は
rが6年の時にお世話になった先生です。

ペアさんが選んだ絵本はこちら。


そう!
rの卒業式の数日後に結婚した先生に、この秋、赤ちゃんが生まれるのです。

子どもたちももう全員そのことは承知しているので、ペアさんがこの絵本を出したら
みんなにやにや、にこにこして、先生の方を振り向いていました。

おっぱいが出るまで3日間くらいかかることや、初めてお風呂へ入れたときの
赤ちゃんの肌の様子や、手足の感じなど、とても丁寧に綴られていて‥
私も、しみじみと懐かしい気持ちになりました。

よいひとときを共有させてもらったなあと、思います。


そんな絵本の後に、私が読んだのは、『のぞく』 です。


だいぶ前から持っていたのですが、小学校で読んだことは一度もありませんでした。
ストーリーはなくって、いろんな「のぞいている」写真と、短い文章、そしてイラストで
構成されている絵本です。

ページにはところどころ穴も開いていて、ちょっとしかけ絵本?みたいな感じにも
なっています。

文を書いているのは、天野祐吉さんだけあって、短くても読みごたえがあります。

たとえば、高層ビルをバックにした公園で、段ボールの家の窓から顔を
出している子どもがいる写真には、こんな文章。

   まどは せかいを のぞく あなだ。
   たかい ビルの まどから のぞくと、
   ひとは むしのように みえる。
   ひくい いえの まどから のぞくと、
   むしが ひとのように みえる。

捨てられた瓶や缶になって、捨てられた瓶や缶の中から、
人間の世界を覗いてみよう、というのもありました。

4年生も、ほぉーという感じでしたね。

最後の文章だけは、ページにぎっしりと、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイの
ことが書いてあります。

望遠鏡をのぞいて、木星の4つの衛生を発見し、それが地動説の正しさを
証明することに繋がったという話です。

終わりの5行にとてもよいことが書いてあって‥
ここを、4年生=10歳にぜひとも聞いてもらいたくて、この本を選んだのでした。

 「のぞく」ことは、知らない世界に足をふみ入れることです。
 むかしから人間は、なにかをのぞくことで、自分たちの世界を
 ひろげてきました。知らないものを知りたいとのぞむこころ。
 好奇心。それをもつことで、人間は想像力というふしぎな翼を
 もつ動物になったのです。




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空色のヒナタノオト

2011-02-22 10:00:01 | 日々のこと
日本橋浜町から小舟町へ。

新しい場所へ移ったヒナタノオトさん、本日オープンです。※

おめでとうございます。

新しいイメージカラーは、きれいなブルー。
水色ではなく、空色でいきましょうと記してありました。


今日の空のように、そこを思うだけで、心浮きたつ空間なんですよ、ヒナタノオト
行ってみると、そのヒミツ、わかると思います。



※浜町のお店も5月までは個展やワークショップの際、開かれるそうです。




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雪の朝

2011-02-15 15:36:51 | ふと思ったこと
2日くらい前だったでしょうかー。
お風呂のドア越しに、rが私に訊きました。

「ママって、センスいい?」

‥そんな、唐突に言われてもねぇ。

センスって言っても、何のセンスかに因るんじゃない、と言って、ひとまず時間稼ぎ。

何って?

たとえば、写真を撮るセンスとか、お笑いのセンスとか‥と、また私。

「そうかそうか。
写真だったらさあ、rの方がママより上手いよね? お笑いのセンスも上じゃない?」

あーそうですか、そうですか、と思いつつ 「ふーん。そうかもね。
で、何が訊きたかったわけ?」

別に、それだけだよ、と、言われて会話は終わりました。
真意のほどは、まったくわかりません・笑。


・・・・・


今日は2月15日。
明日は埼玉県内の公立高校の入試(前期)の日です。来年からは制度が変わり、
前期・後期がなくなって、3月の始めに1回だけの入試に変りますが‥

それにしても早いです。
卒業式は市内の中学は3月15日なので、あと1年+1カ月で、娘の義務教育終了です。

どんな15歳になって、どんな高校を選んで、どんな顔で卒業式を迎えるのでしょうね。


深夜に降り積もった雪が、ローズマリーやラベンダーの枝の上に
重くのしかかっていたので、朝、シャベルで雪を除けました。
ひ弱そうに見えるけど、ラベンダーの葉の中には、すっと伸びる準備をしている
茎があって、その先端には、固くしまった蕾がついています。

この時期にちゃんと用意しているから、あったかくなったらちゃんと花が咲くんだねと思ったり、
心配してもしなくても、自然の営みには元々力が備わっているのだと思ったり。


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絵本の栞

2011-02-10 19:41:03 | 想うこと
光の本

本日、絵本の栞 更新されました。7回目=7冊目の絵本の紹介です。

昨年の4月から始まりましたので、ちょうどここでぐるっと一回りしたのだなあと
思っています。

だいたい2カ月に1度くらいの割合で‥と始まる前にきいていたので、
1年に6冊になるかな、大丈夫かな? と、思っていました。
もちろんその時は、年間計画なんかなくって‥今もありませんが‥
ただ、いいなあと思うタイトルだけを書きだしておきました。

不思議だなと思うのは、この本にしようかなと、「ふと」思う瞬間が、やってきて
まあそれは好きな絵本であったり、気になって書きだしておいた題名のものだったり
するのですが‥でも、その後に、多少の行き詰まりのようなものに
遭ってしまうこともあるわけで‥。
けれど、そういう時に、また「ふと」した文章が目に留まるのです。

不思議なんです、ほんとうに。

そういう時はいつもそのことばかり思っているから、気持ちの針が吸い寄せられて
いくのかなあと思っていますが、何度も、いろんな方の、「ふと」した文に
助けられました。

最近のは、こんな一文でした。

  この時期だけは唯一自分に花を買います。
  忘れてはいけないことのために。

ぴぴっときました、この文章に。ありがとうございました。


絵本の栞は、「大人のための絵本の開き方」と説明されています。
日頃、絵本に親しむ機会がない方にも、絵本の魅力を知ってもらえたらなあと
(一応)思っていますが、でも、普及活動みたいにはまるで思っていません(笑)。

この本の、ここのところがすごくいいんだよね。
ここを読むとね、いつもこんなふうに思うんだ。と、
私が絵本に栞をはさんだ箇所を、知ってもらいたくて、話したくて‥。

そしてそんな気持ちでいつもいるうちに、バケツを逆さにして中味をすっかりテーブルに
あけるみたいに、心の中も、ひっくり返されて、「中味」を見直すことになっているから
不思議なんです。


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続きを教えて

2011-02-09 14:50:10 | 好きな本
卒業してから一度も会ったことがない人とか、喧嘩別れしたままの人とか、
いつかまた会えるよね、と思いながらも、その「いつか」がいつやってくるのか
わからない人とか‥ここまでの人生の間に、「つづき」が知りたい人はたくさんいます。

同じように、1冊の本を読み終え、作者が出した結論や結末はあっても、
それだけじゃあもの足りなくて、もっともっと登場人物の「つづき」が知りたくなり
物語がどこまでもどこまでも続いてくれたらなあと思うこともしばしばです。

題名をみたときに、この本もそういう話なのかと思っていましたが、そうではなく、
童話や物語の中の人物が、自分の話を読んでくれていた子どもの「つづき」が
知りたくてたまらず、本の中から抜け出てくるという話なのでした。

つづきの図書館
     柏葉幸子 作  山本容子 絵

お話全体の主人公は、図書館司書の山神桃さん。児童書には珍しく(?)
40代でバツイチです。

ある時、ひとり暮らしの桃さんのところへ、小学6年まで住んでいた郷里の町から
手紙が届きます。桃さんのお父さんの姉である杏おばさんの具合が悪いという知らせです。

お見舞いだけのつもりで病院を訪ねたのに、おばさんの家に住むことになり
(そこは幼い時の自分の家でもあったのですが)、預けておいた履歴書のおかげで
図書館司書の仕事まで見つかり、桃さんは、引っ越してくることになったのでした。

そんな桃さんの前にー

 「すまんが。」
 と、書架のむこうで声がした。
 「はい。」
 桃さんは声のほうをむいた。姿は書架でみえない。
 「つづきが知りたくてたまらん。」
 えらそうな男の人の声だ。
   (中略)
 「本をさがすんですよね。」
 「いやいや。本をさがしてもらいたいのではない。青田早苗ちゃんの
  つづきが知りたいんじゃ。」

そうして、姿を現したのは、金色の王冠に、白いパンツだけの
「はだかの王様」だったのです。


厄介なことに巻き込まれてしまった桃さんですが、本からやってきた人たちと
暮らすようになり、朗らかにもなってきて、仲良しだった友達とも再会し、
ひとりぼっちではなくなりました。

本からやってきた人(動物)のお話は全部で4つあり、その途中で、桃さんが
誰か大切な人に宛てて書いた手紙が出てきます。
全部読み終わる頃に、その手紙がだれ宛のものであったのか、わかる
しくみになっていて、予想していなかったその展開に、私は最後、涙が
ぼろぼろこぼれました。

桃さんが、子どもたち全般に向ける視線は優しいなあと思って読み進めていましたが
こういうわけがあったんだ、としみじみしましたよ。


この話は、青い鳥文庫のサイトで連載されていたものが、1冊の本となったそうです。
今もサイトでお話は読めますが、この赤い表紙の、山本容子さんの挿絵が
あってこそというか、挿絵が物語をさらにおもしろくしてくれました。



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嘘つきアニェラ

2011-02-08 12:00:33 | 好きな本
ムシェロビィチ本の4冊目↓を、読み終わりました。
嘘つき娘‥って、かなりインパクトのあるタイトルですよね?

嘘つき娘


ポーランドのポズナンの町を舞台に、今回の主人公はアニェラ(15歳)です。
主な登場人物の欄の2行目、アニェラの横に、フラニャという「お手伝い」の少女の
名前があって、最初のうち何度もここを見返して、フラニャという子はどこで
出てくるのだろうと思っていました。

主人公のアニェラはすごい行動力の持ち主で、頭の回転がとても良いのです。
そしてお芝居が(読むのも演じるのも)大好き。

ひと目惚れになった男子のあとを追いかけて、その子と同じ町の、すぐ近くの家へ
住む方法を考え出し、その後、多少の成り行きもありますが、名前を変えて
その男子の家の「お手伝い」に「変身」してしまったり‥。

決断したら、実行するのみ、です。

誰かをすこし傷つけることになるかもしれないとか、誰かがその結果
寂しくなるかもしれないとか、それがほんとに正しいことなのかとか、
そういう自問自答は、どこかの棚に預けてあるのでしょう‥おもしろいように
アニェラの口からは、本当のことも、そうでもないことも、同じようにどんどん
出てきます。

でも、読んでいて、アニェラのことを嫌な子だなあとちっとも思わなかったのは、
親友のカーシャへの手紙に、アニェラの気持ちが表われていたからかなと思います。
手紙のやりとり、とてもよい効果を出していると思いました。

そして、この物語も最後はクリスマスの日で終わるのですが‥
アニェラが「ただの嘘つき娘」ではなく、経験したことをちゃんと自分の成長の糧に
したことがわかり、しみじみ嬉しい気持ちがこみあげます。


ハムレットを無事演じ切った彼女が、帰り道にこう思うところがあるのです。

  “シェークスピアってすごい”凍結した歩道にこつこつと靴音を
  響かせながらアニェラは考えた。“みんなに好かれていると実感できると、
  良い人間でいるのが簡単になる”ともアニェラは思った。


なんか、これって人間関係の基本だなと思ってしまいました。




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ウォール・ストリート

2011-02-06 18:00:33 | 好きなもの・映画やDVD
金曜日に公開されたばかりの映画、ウォール・ストリートを観てきました。

金曜の朝のラジオで映画のことを知った店長が、ちょっとおもしろいかもと
言いだすまでは、そういう映画があるんだということは知っていましたが
私的には、そんなに興味もなく‥といった感じでした。

ウォール・ストリートは、23年前にウォール街を撮ったオリバー・ストーンによる
21世紀のマネーゲームを主軸にした映画です。マイケル・ダグラスが、
8年の服役を終えたゴードン・ゲッコーを演じています。

‥といっても、私はウォール街を観ていないし、マイケル・ダグラスにも特に
思い入れはないのですが、23年前っていうところにひっかかってしまいました。
1987年は私が結婚した年なんです。

そして、公式サイトをみていたら、プロダクションノートの音楽のところで、
デヴィッド・バーンの名前を発見。

 ←このアルバムの中から5曲が、
映画に使われていることを知り、突然観たい映画に浮上してきました。

1曲目が「Home」という曲なんですが、冒頭でそれがマンハッタンの高層ビルに
重なって流れてきたときは、気持ちがぐっと動きました。

トーキング・ヘッズデビッド・バーンの曲が好きな人だったら、それだけで
映画を楽しめるかなーと思ったほどです。
(逆にまったく知らない人はどんな風に感じるのかなと思ってしまいますが)

エンドロールで流れてきたのも、トーキング・ヘッズの曲で‥

これはもうオマージュだなあと思いました。ニューヨークという街が好きで
そこに住み続けている人へのー。
自分が愛する場所や、帰る所は、変わることがないというメッセージを
受け取った気さえします。

そして、1987年の結婚披露パーティの新郎新婦入場の際に、
トーキング・ヘッズの曲 road to nowhere を選んだ私たちが、今日一緒に映画を
観たことは決して偶然ではないのですね。
(road to nowhere って‥選曲の話を書いたり話したりするたびに、この題名が
私の結婚後の人生を示唆していたの?!と思ってひとりで笑ってしまいます)


それにしても、デヴィッド・バーンの声って、ほんとにいいですよね。
好きだなー。


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ラインナップ

2011-02-04 14:58:36 | 好きな絵本
福音館の月刊誌を定期購読しなくなってから、もう6年くらい経ちますが、
いまだに、新しい年度のラインナップが公表されると、なんだかそわそわして(笑)
必ずチェックしてしまいます。

私が気になったのは‥

年少版8月号 『ほんやのおじさん』 ねじめ正一・文 南 伸坊・絵 
    11月号 『はぐ』  佐々木 マキ・作

こどものとも9月号 『おじいちゃんのトラのいるもりへ』 乾 千恵・文 あべ弘士・絵
       10月号 『やぎのアシヌーラどこいった?』 渡辺鉄太・文 加藤チャコ・絵

たくさんのふしぎ にも興味深いテーマがたくさんありました。
 9月号『南米の楽器』とか、1月号『琉球という国があった』など‥。
11月号『森の保育園』は、デンマークにある、子どもたちが森の自然の中で過ごす
保育園を紹介してくれるみたいです。



*    *    *    *
  
  

今日みたいに気温も上がり、3月下旬頃の陽気と言われると、春がすぐそこまで
来ているみたいな気持になります。
今年の「立春」は、なんか説得力(?)がありますねー。

実際は3学期終了まであと1カ月半以上もあり、定期演奏会も待っているし、
まだまだ気が抜けない日々が続きます。



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